ノックの音が (講談社文庫 ほ 1-2)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061311138

感想・レビュー・書評

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  • 全15編の短編が全て、「ノックの音がした」から始まる。解説にもあるように、物語の最初に必ず物語の人物、時刻、部屋の様子等が描かれているが、漠然としていて頭に強いイメージを与えすぎず、自分の想像の世界にのめりこんで読むことができた。また、各短編には犯罪や、人間の欲が関わってくるものが多く、普通ならここでこうするだろうなという予想がしやすい分だけ最後のオチにはまってしまう面白さがあると思う。巻末の解説にある作者の基本的姿勢「すべての常識を疑ってかかる」が、この本を読んでとても感じられた。特に印象に残っているのは、「夢の大金」「金色のピン」「和解の神」「財産への道」

  • 【縛り付けてもまだふわふわと歩ける】

    久しくノックの音なんか、聞いてない。すこしだけ時代を感じた。

    こんな風に天の邪鬼でいられたらいいのにと切に願う。

  •  ショート・ショートで有名な星新一の短編集。

     収録作品15作は全て、「ノックの音がした。」の一行で始まっている。
     他の作品集と比べ、主人公に日本名がフルネームでつけられているのがもう一つの特徴だ。(この理由については解説で述べられている)

     作品の第一文が全て同じ、という趣向はおもしろいが、オチの方も全てブラックユーモアであり、まとめて読むと少し味気ない。

     話がずれるが、複数の作家が第一文を同じにしたオムニバス短編集などがあれば、おもしろそうだなと考えてしまった。

  • 「ノックの音がした。」
    ここから始まる鮮やかな視点の転換に、また新しい思考回路が形成される。それが星新一のショート・ショート。

  • 毎回「ノックの音がする」ところから話が始まる。
    その設定も面白いし、ショートショートなので3ページ位しか無いのに内容が濃い。
    最初の数行でその話の設定が分かるところがすごい。

    **再読**
    かなり前に読んだのでほとんど忘れていました。。
    主人公が騙す側だったはずが騙されていたり、味方だと思った人が裏切ったり、色んなパターンがありましたが、どれも意外性があって面白かったです。
    苦々しい展開もあり、微妙な読後感の話もありましたが、そこは星さんの良さなんだと思います。

  • 星 新一作品の中でも相当マイナーかもしれない。
    SFではなく、登場人物もイニシャルでなく。
    全編「ノックの音がした」と云う書き出しから始まる、密室ショートショート。

  • -「つまり殺し屋なのよ」-

    ノックの音がして誰かが訪ねてくるところから始まる15のショートショート。殺し屋が訪ねてきた、あなたならどう逃れる?最後の一行を完全予測できたら偉い!ヒントはある。

  • 僕的にはショートストーリーよりショートパンツの方が好きで……おや、ノックの音が

  • ノックだけでよくこれだけの話が書けるなと、つくづく感心した。
    どの話も結末を予想する楽しさがあって、純粋に面白かった。

  • 最初に読んだのは、小6か中1のころ。当時の講談社文庫の装丁は濃い緑で講談社マークが無数にあしらわれていたカバーだったような・・・。当時は、「にぎやかな未来」「妄想銀行」など星作品を連続してよんでいたような気がします。「ノックの音がした。」で始まる全15編の作品。改めて読んでみると、作者が極力時代や地域を特定しないように苦労された甲斐があり、初出から40年以上たったいまでも、またこれからも十分通用する内容です。中2文化祭のクラスのだしもので、8ミリ映画を作りましたが、そのとき落選ながらこの本を紹介した記憶があります。各々約10ページの短編ですが、これ以上ながくても、みじかくても興ざめする、抜群の内容はさすが星新一と改めて思いました。(真鍋博さんのイラストは、反対に当時の時代をよく反映しています。)

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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