無名碑 下 (講談社文庫 そ 1-4)

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著者 : 曾野綾子
  • 講談社 (1978年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061314207

無名碑 下 (講談社文庫 そ 1-4)の感想・レビュー・書評

  • 話が急展開する終盤。
    「それでも道はできる」というブローマンの台詞は意味深だ。タイトルにもなっている土木技術者の「無名」性について、上巻では礼賛しているくだりがあるが、ここではむしろ「無名」であるゆえの空しさ(無力さ)を示そうとしているように思えてならない。すなわち小説全体を通じて「無名」性のもつ二面性をあぶりだしていて、これは今日の土木の本質を鋭く突いているとも思う。

    あとがきの一節には、感動して泣きそうになった。
    「一つだけつまらぬことを覚え書きしておこうかと思う。今後初めて、私はこの作品が書き上るまでは、できることなら死にたくないような気がしたのである」
    …自分の人生のなかで、そんな風に思えるプロジェクトに、いくつ出会えるのだろう!

    (上巻に対するレビューはまた別途)

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