火炎城 (講談社文庫 し 4-1)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 93
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061314443

感想・レビュー・書評

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  • 九州で6カ国の太守にまでなった大友宗麟。二階崩れから物語は始まる。家臣の妻だろうが町娘だろうが見初めた女性に手を出す好色漢。我が儘な行動で家臣の離反を招くが時折り名将としての一面も醸し出す。賢者と愚者の振り幅の大きい人物像として描かれている。最後はキリスト教に救いを求める。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    大友宗麟の生涯を小説にした作品となっている。
    二階崩れの変あたりから物語が始まり、大友宗麟の死去までが物語となっているが、何を考えているのがよくわからないという感想だ。
    大友家の勢力を大きく拡大することに成功した名君とも、キリスト教に執着し、大きな失敗をした暗君とも評価が極端に分かれる人物だということが強く感じる内容となっていた。
    名家であるがゆえの柵を振りほどくことができなかったとも言えるのかもしれない。

  • 豊後の大名、大友宗麟の一生涯を描いた作品。戦国大名としての一面と一介のキリスト教信者との狭間で苦悩する歴史小説です。

    琉球大学:八朔

  • 終始宗麟がジェットコースターってた感じでした。少し 精神的に 落ち着いて !

    主人公なのに・・・。


    なにより妊娠した奈多に対して「ぜひには及ばぬ」と言い捨てる宗麟に衝撃を受けたよ・・・・。
    夫婦生活が破綻しているとはいえ、おまっそれはないやろ。ないわー!(どうした)

    でも奈多は何も言い返さないんですよね・・・。そして奈多も壊れていく。
    しかしこの夫婦は御互いに分かり合おうというタイミングが悉く外れるな・・・。
    周囲の状況もさらに拍車をかけているし。哀しい。

    それでも最後は息子のために、豊後のために動こうとした宗麟を突き動かしたのはなんだったんだろう。よく分からなくなってきたので、もう一回読み直してきます。
    総括すると色々考えさせられる上に凄く面白かったということです!(最初からそう言えば良かったんじゃないの)

  • 最初から九州平定を目指していたら、容易く叶えられていたように思われる。しかし、思うがままに生きた大友宗麟であったので、悔いは無いのではないでしょうか。

  • 極端から極端に走る難儀極まりない性格に自分自身も振りまわされたとある名家の御曹司の一生。まるでダメな大友宗麟。だがそれがいい。

  • 白石氏meets大友宗麟―キャパシティが極端に小さく、打たれ弱く、振り回し振り回される、ピエロのような彼の人生を綴った一冊です。
    とにかく駄目っ子全開な宗麟が苦々しくもあり、愛おしく、そしてちょっぴり切なくなる文章は、読み易くて最後まで楽しめます。

  • 全1巻。

    スケベなじいさん。
    でもキリシタン。
    そんくらいな印象。
    大友宗麟の話。

    初めてちゃんと読んみました。
    なんか切なかった。
    名門に生まれてしまった純粋な熱血漢。
    みたいな印象。
    端から見たら超わがままで気分屋。
    ジャイアニズム全開。
    でも身を削りながら精一杯自分でいようとする姿は、
    爽快で切ない。
    男子だなあ。

    作者は海ものばっか書く人。
    前に何冊か読んでたけど、
    大物をテーマにすることが少なくて離れてた。
    珍しく大物。
    くせの無い読みやすい文章。
    素直に面白い。

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著者プロフィール

白石一郎(しらいし いちろう)
1931年11月9日 - 2004年9月20日
釜山の生まれの作家。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育った。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。双子の息子がおり、白石一文・白石文郎両名ともに作家となった。
1987年『海狼伝』で第97回直木賞、1992年『戦鬼たちの海—織田水軍の将・九鬼嘉隆』で第5回柴田錬三郎賞、1999年『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

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