人形たちの夜 (講談社文庫 な 3-2)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315303

感想・レビュー・書評

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  • 忘れもしない中学生だったある日。
    教室にあった学級文庫(みんなで持ち寄った本を置いてある)の中、担任だった国語教師が置いていた本をたまたま手に取った。
    それが今は絶版になっている角川文庫の「銃器店へ」という本だった。著者名は中井英夫。勿論、その人の名は全く知らず、どんな内容なのかも知らず、ただその表紙の漆黒に誘われて、私は貪るように読んだ。それが私と中井英夫の出会いだった。
    中学生が読むには多分難解なのだと思う。けれど、その硬質な文章に潜む、濃密な色彩、情念、謎……が私を虜にした。
    その後この人の作品を探し求め、代表作である推理小説「虚無への供物」をはじめ、手に入る本は片っぱしから読んでいった。
    その中で最も愛する作品ということで、私はこの一冊を挙げたいと思う。

  • 中井英夫全集2巻を所持していない為、文庫本を手放さなかった。
    何年か前に読了。
    作品集は何故か部分掲載。これがなきゃ価値のある作品集なんだが…
    追記;全集2巻を無事購入したので、旅行バッグに入れて旅先用にする。

  • 春「異形の列」「真夜中の鶏」「跛行」
    夏「夢のパトロール」「海辺の朝食」「水妖」
    秋「笑う座敷ぼっこ」「三途川を渡って」「影人」
    冬「憎悪の美酒」「歪む木偶」「貴腐」

  • 丸ごと『中井英夫全集《2》黒鳥譚』に
    収録されてしまったので、うっかり忘れていた(^^;)
    人形をモチーフに、
    春夏秋冬、様々な職種の人々の愛憎劇が描かれる。
    暗号パズルを織り込んだ「秋」の部が怖い。

  • 2009/04/15購入

  • 280
    夜は夢魔が目覚める時。夜に生をうけた人形たちは、人の世の原罪を、哀しみをまた憎悪をその糧として生きているのか。……日常の営為の底にひそむもう一つの世界を人形たちと共に旅する時、季節の移ろいは我々をより深い酩酊へそして破局へと誘う。著者五十年の苦い想いをこめて描く魔術の書。
    異形の列・真夜中の鶏・跛行・夢のパトロール・海辺の朝食・水妖・笑う座敷ぼっこ・三途川を渡って・影人・憎悪の美酒・歪む木偶・貴腐

  • 中井作品は戦中日記もの以外はほとんどがおすすめなのですが、これは日曜日に某所へ集うお姉様方へおすすめ。
    もし再び出会っても、もう彼は自分が知る彼ではないかもしれないという件が好きです。
    ちょっと切ないのです。

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著者プロフィール

中井英夫(なかい ひでお)
1922~1993年。小説家。また短歌雑誌の編集者として寺山修司、塚本邦雄らを見出した。代表作は日本推理小説の三大奇書の一つとも称される『虚無への供物』、ほかに『とらんぷ譚』『黒衣の短歌史』など。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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