何でも見てやろう (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315839

作品紹介・あらすじ

2019年9月20日NHK「すっぴん!」で取り上げられ話題!
若さと知性と勇気にみちた体当り世界紀行。留学生時代の著者が、笑顔とバイタリティーで欧米・アジア22ヶ国を貧乏旅行して、先進国の病根から後進国の凄惨な貧困まで、ハラにこたえた現実を、見たまま感じたままに書いたベスト&ロングセラーの快著。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、小田実さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    小田 実(おだ まこと、1932年〈昭和7年〉6月2日 - 2007年〈平成19年〉7月30日)は、日本の作家・政治運動家。体験記『何でも見てやろう』で一躍有名になった。日本に多い私小説を批判し、全体小説を目指した。九条の会の呼びかけ人の一人。妻は画家の玄順恵。

    ---引用終了



    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    2019年9月20日NHK「すっぴん!」で取り上げられ話題!
    若さと知性と勇気にみちた体当り世界紀行。留学生時代の著者が、笑顔とバイタリティーで欧米・アジア22ヶ国を貧乏旅行して、先進国の病根から後進国の凄惨な貧困まで、ハラにこたえた現実を、見たまま感じたままに書いたベスト&ロングセラーの快著。

    ---引用終了


    そして、本作の書き出しは、次のとおり。

    ---引用開始

     ひとつ、アメリカへ行ってやろう、と私は思った。三年前の秋のことである。理由はしごく簡単であった。私はアメリカを見たくなったのである。要するに、ただそれだけのことであった。

    ---引用終了


    本作は、1960年の夏に書き始めたとのこと。
    当時の著者の年齢は、28歳。
    そして、手元にある本作は、2018年8月1日第45刷。
    確かにロングセラーだ。

    それから、著者のことで気になったことは、著者が「ベ平連」の結成時のメンバーで、著者が代表に就任していたこと。
    結成時の主なメンバーは、
    鶴見俊輔(1922~2015)
    高畠通敏(1933~2004)
    小田実(1932~2007)

  • 1958年に1日1ドルの世界旅行に出る。
    旅をするとは知らない街角を曲がることと教えてくれた小田実さん。
    彼のバイタリティに大いに元気をいただいた。
    旅先に行くと、あてもなき歩き、走り、その地を体で感じること。これからも続けたい。

  • 『深夜特急』の沢木耕太郎が旅に出たのは27歳、この本の著者小田実が旅に出たのも27歳。この両著が影響を与えた人の数は計り知れないだろう。海外に出ること自体が珍しかったであろう60年代当時、彼の何とかなるやろうという考えだけで世界一周に出てしまうバイタリティが羨ましい。
    昨今は世界旅行なんかもかなり手軽になっており、旅の様子もネットで簡単に覗き見ることができる。そういうのが寂しいと思う一方で、便利なものは享受すべきだとは思う。その国の一部、共同便所だけ見て汚かったというのは簡単であるが、綺麗なマンションだって美術館だってあるだろう。
    当時の彼と同い年の私であるが、勇気を貰ったような、もう旅に出る必要なんか無いような、打ちのめされた気持ちになった。少なくとも、10日間ばかしの休みを取れるだけマシと言われるようなこんな生活には嫌気がさしてきた。

  •  半世紀前の1961年に出た単行本が文庫化されたもの。小田実氏が世に出るきっかけとなりました。東大卒業後、フルブライト基金でハーバード大学院に留学した小田実氏が、その帰途にヨーロッパやアジアを1日1ドルで貧乏旅行した時の体験記。社会状況は大きく変わっているものの、今読んでも刺激的な内容です。海外旅行が自由化される前の時代、多くの若者たちがこの本に憧れたものでした。「深夜特急」の著者、沢木耕太郎が影響を受けた本としても知られています。

  • 学生のうちに読んでおくことを、強くお勧めします。
    特に、海外に興味がある人や、留学を考えている人は、渡航する前に読んでいてほしいです。

    大学の苦手な授業の先生が同じことを言って、学生に勧めていた本です。
    実際、私も海外留学の前に読めたので、本当に良かったです。

    筆者の「何でも見てやろう」魂はずば抜けていて、さまざまな体験が書かれているのですが、とても面白く読めます。

  • 「世界各国を1日1ドルで回る」旅行記。貧乏旅行であるが故に、限りなく現地の人々の暮らしからその国の生々しい実態が描かれている。
    各国にある、貧困、差別、対立、戦争。それらを見ては考え、考えてはまた見て、苦悩し自分とのギャップに苦しむ。50年以上前の本であり、筆者とは時代背景も共通体験も全く異なるはずであるのに、ある種の繋がりと普遍性を感じた。

    「「貧困」も抽象的話題にとどまるかぎり、それは知性にとっての一つの体操であろう。」

  • 一言でまとめることはできないほど濃厚な記事だった。
    後半の途上国での葛藤が興味深かった。

  • これを読んで自分も世界を見てみたいと思いました。そして実行したけれど、作者が日本を出た時代よりはるかにイージーだったし行ける国も多かったと思います。この思想はいつまでも忘れません。

  • 再読。懐かしい。これと深夜特急シリーズに18〜19歳ごろ、はまってました。

  • こんなに各国ですぐに友達を作っちゃうなんて、どんだけ社交的やねん!


    私が生まれる前の、世界。
    今とは情勢も、日本の置かれている立場も異なるけれど、人間の文化の基本的なところとか考え方、物の見方なんかはあまり変わらないのかな。

    この、1960年代は、各国で日本は人気だったとのことだが、今はどうなんだろう。
    まぁたしかに、“日本ブーム”みたいなことは話には聞くから、まったく興味をなくされた、というわけでもないんだろうけど、日本に対する期待感みたいな、そういうものは薄らいでいるんじゃないかな。
    何より、私も含め、日本人本人が、日本という国を心から誇れなくなってしまっているのではないかな。

    アメリカの裕福さから、インドのかっこにくくられていない、貧困まで。
    世界は、広い。広くて、多様。
    そんな当たり前のことを、小田さんは身を持って目の当たりにした。

    世界に対する好奇心の一方で、冷静な視点で各国を眺める。
    その視野、考えは私にはまだ消化しきれてない感じもする。

    ともあれ、どこへ行っても、どうしようもない人間や愛すべき人間はいるもんだなぁと、思わずプッと笑ながら読んでしまった。

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