なめくじに聞いてみろ (講談社文庫 つ 2-3)

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  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061361522

感想・レビュー・書評

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  • 最後の最後まで楽しませてくれました。復刊されてるようですので、是非。

  • #名刺代わりの小説10選 にも上げた「なめくじに聞いてみろ」都筑道夫。これ主人公桔梗が父の弟子だった殺人鬼達をその殺人鬼と同じ変わった方法で殺していくというストーリーなんですが、お色気シーンすら粋で、何でも出来るが故に孤高な桔梗がツボです。これ原作の映画が「殺人狂時代」。観たいぞ!

  • 80027.155

    アイデアの奇抜さやセリフの巧みさ。それに主人公とレギュラーたちのなごやかな奮囲気がいい。

  • 都筑さんは「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズのようなミステリも面白いが、「殺人教程」やこの「なめくじに聞いてみろ」といったアクション映画のようなスリルとスピードあふれる冒険活劇も本当にうまい、と思う。

    このタイトル「なめくじに聞いてみろ」の「なめくじ」は、言及はされていないが「なめくじ長屋」の面々のことを指しているのだろうな、と思われる。答えたくない、あるいは答える必要がない質問に対して、主人公が「なめくじに聞いてみろ」と答えるシーンが特徴的だ。
    主人公の桔梗信治は、田舎から出てきたらしいぱっと見はあまりさえない男だ。
    だが、彼の父親は殺人技術の開発では天才という人物で、彼の弟子が東京周辺で暗殺や殺人を仕事にしているという。父親の死を期に、彼は東京へ出てきてその父親の「血に飢えた遺産」を処理することを決める。
    (一応)殺人は素人の主人公と、プロの殺人者たちの対決がはじまる。

    主人公を取り巻く個性豊かな脇役たちも面白いが、父親の弟子である殺人者たちの殺人技術も奇想天外で読者を飽きさせない。また、殺人者たちとの息詰まる対決シーンの合間には、ちゃっかりと女性と絡んでいたりするところがハリウッドのスパイ映画のよう。ストーリー展開や主人公のキャラクタは、「殺人教程」とかなり通じるところがあり、展開が予想できるにもかかわらず、それは物語の楽しさを減じさせるものではまったくない。
    短い言葉で情景を美しく描き出すのが都筑さんの文章のすごいところで、息の詰まるようなスリルあふれる、そしてスピード感あふれるストーリーと同時に、非常に巧みにさまざまな情景が編み込まれており、まるで濃い映画を見たかのような読後感である。

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著者プロフィール

(つづき・みちお)1929-2003。東京出身。10 代から時代ものを発表していた読物雑誌の衰退に伴って海外ミステリ翻訳家に転向、『E
QMM(エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン)』日本版編集長を経て、1961年『やぶにらみの時計』を刊行、推理作家となる。トリッキーな趣向を凝らした作品の一方、ユーモラスなアクション小説、捕物帳を含む本格推理、ハードボイルド、SFミステリなど多彩な作風をもつ。永く無冠でいたが晩年に日本推理作家協会賞、日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2022年 『都筑道夫創訳ミステリ集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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