- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385016
感想・レビュー・書評
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具体的で分かりやすく、惜しみなく「武器」を配っていると感じられる。
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本書からは議論の仕方、思考整理の仕方を学んだ。
◯正しい議論とは?
合意形成を図るために議論をする時、何かしらの結論を出すことを意識すること。相手を論破することや論点をズラしてしまうような行為は議論において致命的。質の高い議論をする際には論点を明確にかつ細分化し、それぞれのメリット・デメリットを考え、具体的な施策を考える。反論を試みる時は根拠を明確にし、徹底的に検証すること。「逆をとる」ことも有効。
◯正しい情報とは?
上記のように議論をリッチにするには、その主張の基盤となる根拠を集める必要があり、説得力のあるエビデンスを集められるかが鍵となる。信頼性の高い情報を集める時は、因果推論を強く意識すること。因果関係が逆、擬似相関関係、第三の因数など他にも考えられる要因はあると疑うことも大事。
◯なるほどと思った点
インタビューでは「ナメられたもん勝ち」
人から情報を引き出すには、こちらが下手に出る(極端に言えばバカで無知なフリをする)ことで、相手は油断して本音を曝け出す。 -
バグ発生が理由で株価が急落したソフト会社のコールセンターに問い合わせ裏取りするエピソードからは、情報の正確性からしっかり確認する筆者の姿勢が感じらた。
またそういった姿勢の筆者だからこその決断思考の一冊になってる事に納得した。 -
6時間目の授業が一番印象に残った。自分の頭と足を使い、「実は…」という価値ある情報を取りに行くことが大切で。仕事のやり方だけでなく、学問や投資にも必要なスキルだと感じる。
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論理的思考方法、決断に至る考え方など、ディベート思考の教科書として非常にわかりやすい。ただ、ある程度社会経験を積んできたにはひとは、すでに実経験で身につけていることも多いだろう。若い人は読んでおいた方が良い。
著者も書いているが、ディベートは技巧の側面もあるので、それだけではただの論破人間になってしまう。その場で論破することが優れているということとイコールではない。著者をテレビで見ていて苦手に感じた理由がこのあたりにあるような気がした。 -
どうしてもっと早くにこの著者に気がつけなかったんだろう… 熱い気持ちを持って日本の将来を真剣に考えて、後継となる人に向けて書かれた本。そしてもうこの世には居ない… 世界的に学習レベルが上がり情報が氾濫し、答えが見つからない時代に、自分で考える為のフレームワークとしてディベートを上げて解説してくれている。
日本の有名私立高校では、弁論部があり、そこで議論の仕方を学ぶが、圧倒的多数は、こういう訓練を受ける機会がない。
議論を通じて最善策を紡いでいくのは、国対国、会社対会社、部門対部門など、利害関係が合わない組織間では必然的なスキルだが、日本ではいわゆるタバコ部屋での合意形成が主流で、なぜその結論となったのかについては、不問に付される事も少なくない。ショートコミュニケーションで合意が取れるならそれもアリなのだが、今の日本の状態を見るに、何かしらの方法が求められているのは間違い無いと思う。
IBMが作ったWatsonでは、大量の情報から質問の意図を汲んで角度の高い解答をする事で一躍第三次AIブームを巻き起こしているが、そのIBMがWatsonの次のステップに選んだのが、ディベートで、この領域でも人間とのディベートで勝利している。
こういう情報と合わせると、世界の最先端では、何がトレンドになってきたのか、日本人が世界と戦う為の羅針盤が著者の瀧本哲史氏だったと思えるだけに、氏の早逝は残念でならない。
氏の本は、全ての人に薦めたい。特に高校、大学生、教員の方は、読んで損は無いし、記憶に残して欲しいと思う。 -
2019/12/22読了。
著者の議論・ディベートの授業を元に、それらにかんして論じた本である。
個人的に重要だと感じたことは、
●論題
・二者択一になるくらい具体的なものを選ぶ
・議論に値するものを選ぶ
・明確に結論が出るものを選ぶ
●メリットの3条件
・内因性(何らかの問題があること)
・重要性(その問題が深刻であること)
・解決性(問題がその行動によって解決すること)
●デメリットの3条件
・発生過程(論題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)
・深刻性(その問題が深刻であること)
・固有性(現状ではそのような問題が生じていないこと)
●正しい主張の3条件
・主張に根拠がある
・根拠が反論にさらされている
・根拠が反論に耐えた
●推論(この推論の詭弁を突く)
・帰納
・演繹
・因果関係
以下は、トピックをまとめたもの。
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【各章のまとめから】
・「知識・判断・行動」の3つをつなげて考える。
・エキスパートではなく、プロフェッショナルを目指そう。
・「正解」はない。だから、自分で答を出す方法を学ぶ。
・正解ではなく「いまの最善解」を導き出そう。
・結論を出すことが大事。
・「知識・判断・行動」に加えて、「修正」の考え方を身につけよう。
・ゲリラとして最前線で戦うことを選ぶなら「ブレる生き方」をめざせ。
・議論(テーマ)は、「すべきか、否か」にする。
・問題が大きすぎて漠然としているときは、小分けにして考えよう。
・同時に複数の論題について考えることを習慣にしよう。
・どうでも良い議論に時間を欠けることはもうやめよう。
・「メリット」と「デメリット」を比較しよう。
・メリットとデメリットにはそれぞれ3つの条件がある。
・主張が3条件を満たしているかどうか、しっかりチェックしよう。
・反論は、メリット・デメリットの3条件に対して行う。
・読書は格闘技だ。
・論理的にツッコミを入れて、主張が正しいかどうか検討しよう。
・「正しい主張」には根拠がある。
・その「根拠」は、反論にさらされていて、なおかつ耐えたものだ。
・裏を取るな、逆をとれ。
・相手の主張の「推論」の部分に目を向けよう。
・情報を鵜呑みにするな。
・自分の頭と足を使って「価値のある情報」を取りに行こう。
・反論に耐えたメリットとデメリットを比較して決断して以降。
・どちらが重要かは「質×量×確率」で考えよう
・自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていく。
【本全体のまとめから】
・世の中に「正解」なんてものはない。
・正解がわからないから動かないのではなく「いまの最善解」を導き出して、とにかく行動することが重要だ。
・根拠を比較して得た結論を、とりあえずの「答え」にしよう。
・前提が間違っていたら修正して、また行動すればいい。それがさらなる最善解に近づくための「決断思考」だ。
・ディベートの手順なんて忘れてもいい。この本を読んで、一つだけ忘れずに心に留めておいて欲しいのは、「自分の人生は自分で考えて自分で決めていく」ということ。
・思考停止だけは避けるべきだ。
・決断思考を手に入れたら、明日からの人生を力強く歩んでいって欲しい。武器を持った君たちが、未来をつくるのだから。 -
カオスの時代にどのように意思決定すれば良いか、ヒントをくれる。
言っていることには、当たり前のこともあるし、わざわざそんなこと言う?と思う節もあった。けどそう言うことを言語化して意識して考えることで、高速にもれなくだぶりなく思考できるようになると思った。
色々な意見に対して、瞬時に的確な意見を言える人って死ぬほどかっこいいよね。。自分も修得できるよう実践でトレーニングしていきやす。 -
学問のすすめを読むべきだという一文だけで読む価値はある
実学の一つ、ディベート寄りすぎる気もする
事実よりも「その場の納得」を重視する姿勢があまり好きじゃないか
個人としては、自分の嫌な意見は相手から言われても嫌だ、変わるのは好きだが変えられるのは好きではない。
最適解を見つけるというのは理想論で、立ち位置の都合のいい情報しか言わない以上、話し合いは無駄である。
「知識・判断・行動」、の流れが重要。交換不可の人材になろう。
ディベートでその時の最適解を出す。
自分の頭の中からは出てこない意見、都合の悪い意見をぶつけ合うことで最適解を決める。
ディベートの結論はその場のことで、根拠を持って判断して、状況を見て判断し直すことが大事。
メリットの3条件
内因性:問題があること、重要性:問題が重要であること、解決性:行動で解決すること
デメリットの3条件
発生過程:行動で新たな問題が発生すること、深刻性:問題が深刻であること、固有性:現状その問題が生じてないこと
「批判後も仲良くできる」ではなく「仲良くできる人でも批判する」事が重要では。議論して嫌いなやつとはご飯は行かない。
どんな人もポジショントークしかしない
判定は「質x寮x確率」で判断する
客観を経て主観で決定する。絶対解や真実というのは「誰かの決めた正解」「古い意思決定」に従うこととなる。 -
ディベートの考え方を個人の意思決定に応用すべく、具体的な方法が書かれている。逆に、細かい分析手法(ロジカルシンキング等)は思い切り省略されている。本書に書かれているのは、具体的に意思決定するための手順である。そして、この手順がまさにディベートの手法そのものなのだ。すなわち、ある主題に対して、賛成・反対のそれぞれの立場で問題点を考え、互いに徹底的に戦わせ、さらに審判として賛成反対のいずれが最善解であるか客観的な結論を出す。このすべてを自分の頭の中でやることにより、結論が強固な論理に裏打ちされたものとなり、自信を持って決断することが可能となるというわけだ。先にあげた、精緻な分析手法は、賛成・反対の立場で互いに議論を戦わせる際に必要となるはずである。単発的な思い付きだけで脳内議論を戦わせても、得られる結論は隙だらけになってしまうからだ。
本書では、MECE等の用語については軽く触れて紹介しているだけだが、さらに深く学び応用することで、本書の内容がさらに活きてくるものと思う。なお、本の帯には「20代に読みたい思考の教科書」と書かれており、学生から30代の社会人がターゲットとなっているようだが、それ以上の年代であっても遅すぎることはないと感じる。決断が必要なシーンは常に存在しており、年齢が上になるほど、その決断が周囲に及ぼす影響も重く大きなものになってくるからだ。自分自身、これまでのビジネス経験の中で経験的に体得してきたことが整理され、頭の中がすっきりした気がする。また、足りない点についてもわかった。本書の基本的な思考方法が自家薬籠中のものとなるまでは、座右において事あるごとに読み返したい。