武器としての交渉思考 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385153

感想・レビュー・書評

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  • 読了 20210324

  • 書いてあることは、交渉理論のど真ん中。とっつきにくい交渉理論も瀧本さんの書いたこの書なら多くの若い人に読んでもらえると思う。

  • 例えば『河岸に立って対岸に渡れずに困っている若者に対して、船に乗せてあげるのではなく、手漕ぎボートの操り方を教えてあげる』
    本書に限らず、瀧本さんがやっていたことは、一貫してそういうことだったのかな、と改めて感じました。

    「風の読み方や、オールの使い方さえ覚えてしまえば、ゆっくりだって君たちは行きたい方向に向かっていけるだろう?」
    というようなイメージが瀧本さんの描くロマンだったんじゃないか、という気がします。

    論理的で高度な交渉テクニックについて解説しながらも
    『交渉において、最後に人を動かすのもロマンなのです。』
    と言い切ってしまえるところに、瀧本さんの人間的魅力が詰まっています。

  • 久しぶりに瀧本節を読みたくて、手を取る。
    決断思考を読んだのは、7年前?ディベート的な思考を見て、
    クリシンと掛け合わせて、とても意義が深かったように記憶している
    (再読したい)

    ということで、第2作目の交渉思考。
    交渉は、なぜ必要か。
    仕事の多くが交渉で成り立っている。
    何かを成し遂げるためには一人では無理。
    他人を動かす必要がある。仲間に引き込むためにも、交渉思考が大事。
    エスたぶりっしゅ面都からの支援も必要。投資の対象として認められること。
    多様性を組み込むためには言葉での説明が必要。
    カリスマ型では、社会は変わらない。群雄割拠モデル。
    周囲で同志を募り、集団とするためのコアとなる。

    ロマンとそろばん。ロジックとレトリック
    交渉は、コミュニケーション。
    相手を言い負かすことではない、WIN-WINにたどり着くための。
    利益は分け合うもの、双方が納得できる落としどころを探る。
    一般的にビジネスでは、継続性が大事なので、
    一方が大勝ちするような利益配分は、サステナブルではない。

    Best alternative to negotiated agreement (BATNA)
    代替案があるから、交渉力がまとまる。
    Zone of possible agreement ZOPA
    範囲を知ることその中での妥協点が探れる。
    こちらの範囲は知られず、相手の最低値を知るのが強い。
    竹島問題は、すり替えが大事。
    自分は代理人の立場をとることで交渉の場にいる精神的な負荷を下げる。
    アンカリングと、譲歩が交渉の基本
    自分には価値がないが、相手には価値があるものを譲歩する。

    非合理な人とどう交渉するか
    ・価値理解と共感を求める人:職人のプライドの話
    ・ラポールを大事にする人:人間的な関係性を重視、好意の返報性(まず好きになる)
    ・自律的決定にこだわる人:判断するための材料を提示する
    ・重要感を重んじる人:本心で敬意をもって接する。
    ・ランク主義の人:より高いランクの人をこちらも用意する
    ・動物的な反応をする:生理的な状態をより留意する(腹が減ったとか)

  • とある提案を考えているときに読んだ本。2時間目に書かれた「交渉の誤解」。私、誤解してました。

  • 武器としての交渉思考
    瀧本哲史
    2021年1月1日読了。

    「2020年6月30日にまたここで会おう」
    「武器としての決断思考」
    に続き瀧本哲史さんの本3冊目。

    武器としての決断思考はディベートの考え方を使って個人が「いまの最善解」を見つけ出していくための思考法を伝授。
    今回の交渉思考は、共通の目的のために手を結び、具体的なアクションを起こしていくための思考法。
    人は1人では世の中や現実を動かすには限界がある。時に敵対する人とも利害を一致させて動く事も必要な中で如何に考えるか。
    ビジネスだけでなく人生においても必要な思考法をまとめた一冊。

    大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
    ベンチャーや若い人が夢を持つのはとても大事。しかし現実はお金を集め、増やさぬことには絵に描いた餅になってしまう。
    人を動かすには相手に具体的なメリットがなければ自分の夢を聞いてもらえない。

    自分の立場ではなく相手の「利害」に焦点を当てる
    この本の中心的部分とも言える。
    交渉なので当たり前ではあるが、如何に「相手の状況を把握し、情報から相手にとってのメリットを満たせるか」が交渉におけるコツ。
    ウィンウィンには「ビッグウィン」と「スモールウィン」がある。相手にとってはスモールでも自分にとってはビッグなウィンとなるような交渉を目指すべき。
    そのためのバトナがが大事。

    「バトナ」は最強の武器
    複数の選択肢のこと。交渉において自分の手札をいかに多く持つか。
    その為に情報を可能な限り集め戦略を練ることが自分にとっての合意出来る範囲を広げてくれる。

    「アンカリング」
    最初の提示条件に意識をコントロールされてしまうこと。
    この章は事例が多くて面白かった。
    特にアメリカ大統領選挙における選挙対策委員長として、まだライセンスを合意できていないポスターを選挙ポスターとして使用させるために行った交渉の話(実話)
    他にも、投資ファンド・リップルウッドによる日本長期信用銀行(現、新生銀行)の買収の話など。

    交渉においては、まずアンカリングによる影響力が強い。交渉のスタートラインの主導権を決めよう。

    非合理的な人間とどう向き合うか
    こちらも事例が多くて面白かった。
    6つのタイプ別
    1、「価値理解と共感」を求める人
    2、「ラポール」を重視する人(信頼関係のこと)
     1.相手に好意を伝える
     2.スモールギフトをおくる
     3.相手との共通事項を見つける
     4.相手と同じ話し方振る舞い方をする
     5.共同作業を行う
    3、「自律的決定」にこだわる人
    4、「重要感」を重んじる人
    5、「ランク主義」の人
    6、「動物的な反応」をする人

    それぞれの特徴別で人は分類出来ることが多いため。それに合わせた一手を打つのが良いと。

    事例も多く話口調な本で読みやすい。
    根本的な事を分かりやすく解説してるので勉強にもなった。とても良い一冊。
    この本を読んで少しでも行動できるようにしたい。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?/1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」/2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる/3時間目 「バトナ」は最強の武器/4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ/5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?/6時間目 自分自身の「宿題」をやろう

  • アンカリングやbatna、zopa、利害への着目などの交渉論のキーワードは類書でも取り上げられているが、本書は具体的なエピソードを踏まえこれらをどう活用するかにも具体的言及されている点が特徴的(相手に自分のbatnaを悟られない、相手の話をたくさん聞き提案しbatnaを探るetc.,)。類書ではあたり取り上げられない不合理な相手への向き合い方についても類型化しつつ対処法が提唱されている。また、経験上、詳細な条件交渉に入ると本書が説く大局的な「ロマン」と「ソロバン」か意識が離れてしまいがち(自分が専門職ということもあってその傾向が顕著)なのに注意が必要だと改めて認識した。

  • 社会人になったら知っておきたい交渉の知識。
    大変ためになりました。
    特に、交渉の誤解について
    ①「自分の立場を理解してもらう」ではなく「相手の立場を理解する」
    ②「自分の主張を多く言った方が勝ち」ではなく「相手の主張を多く聞いた方が勝ち」
    など、交渉とは何かを学べる。

  • 自分たちで考え、自分たちで秩序を作り出す
    その合意を作り出す手段こそが、交渉になる

    アメリカ大統領選挙に、ある写真家の写真がポスターに採用された。しかし、大統領側はその使用権の許諾を得ていなかった。大統領側は交渉によって使用料を払わずに済んだ。

    あなたの写真が最終候補に残った。政治献金を払えば採用される。いくら払える?

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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