自分でやった方が早い病 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 168
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385184

作品紹介・あらすじ

デキる30代に多い病気です。
そろそろ任せることを覚えませんか?

感想・レビュー・書評

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  • お願いするよりも自分がやったほうが早いって思うことって
    意外と多い気がする。
    自分は依頼するのに気を使って伝えるのが面倒なので
    どうしてもそうやって思ってしまうことがある。
    本書の前書きに書かれているそんな人を見てはっと気がついて
    手に取ることに。
    仕事はチームでやるものと考えていたが、任せられない、
    任せても決定権が発生しないために依頼しやすい作業だけしか依頼しておらず、
    実は逆行していた自分に気がついた。
    そうすることで自分だけでなく、周りも不幸にしてしまい、組織も成長しない。
    自分は、仕事だけでなく、地域コミュニティでも役職を依頼されることがあり、
    考え方を変えなければと痛感した。
    地域コミュニティの組織こそ、人材不足で成立が難しくなっているため、
    変革が求められている。

    本書にもこの自分がやった方が速い病を直すのに時間がかかるとあるが、
    自分の処方箋として本書を近くにおいておこうと思う。

  • 社会人になりたての頃は、仕事は全て自分で行うものと思って実行していましたので、いくら時間を費やしても足りなくて恒常的に残業をしていたのを思い出します。昼休みに仕事をしていても終わらず、夜へ突入して寮に帰って、やけ酒のビールを飲んで次の日はフレックスで遅めに出勤というのが当時のスタイルでしょうか。

    その時の私はまさに、この本にある「自分でやった方が早い病」でした。他人に任さないので、頭に入っていると思っている仕事手順も、今から思えば「行き当たりばったり」で、他の人に任せられる状態ではありませんでしたね。

    この本は、そのような病気に罹ってしまったサラリーマンに処方箋を与えて、ゆとりをもって更に生産的な仕事をするにはどうすべきかという道筋をつけてくれます。

    現在の私は、もうすぐ50歳なのに加えて、転職したこともあり、自分がどのように準備を整えていれば「人に任せられるか」を試行錯誤しながら今に至りますが、この本に書いてあることを参考にして、それを更に磨いていきたいと思いました。

    特に印象に残ったのは、周りの人のレベルは自分のレベルである、自分のレベルが高くて周りのレベルが低いと思っていること自体が勘違い、今いるメンバーが現時点(自分の実力)でのベストメンバー(p51)でした。

    目からウロコだったのは、子供のしつけの3原則で、「(子供でなく)親が、靴を揃えて、椅子を入れる」(p95)のであり、親が子供に小言を言うのではない、ということでした。早速、今、やりました!

    以下は気になったポイントです。

    ・自分でやった方が早い病は、確実に、あなたの体を蝕んでいく。多大なストレスを抱えることで、心のほうも疲弊する(p19)

    ・急がば回れではないが、体と心の健康なくして、いい仕事はできない。走っていないと、結果的に能率の悪い仕事をすることになる(p38)

    ・誰にでもできるような作業を周りの人にふる、のは周りの人に仕事を任せているようで、実は自分の成功のために利用しているだけ。「仕事をふる」と「仕事を任せる」の違いは難しいところ(p45)

    ・伸びている会社の社長さんの共通点は、「忙しい」と言わないで、いつも余裕がありニコニコしている、社長やリーダーが徹夜したり、休日出勤したりしてセカセカしている会社ほど問題がある(p46、47)

    ・自分がやった方が早い病の症状の一つに、「まわりのせいにする」「部下や上司の悪口をいう」がある、「あいつは使えない」「経営者はわかっていない」という口癖をする人は要注意(p50)

    ・勘違いすべきでないのは、周りの人のレベルは自分のレベルである、自分のレベルが高くて周りのレベルが低いと思っていること自体が勘違い、今いるメンバーが現時点(自分の実力)でのベストメンバー(p51)

    ・人にある4つの幸せとは、1)人に愛される、2)人に褒められる、3)人の役に立つ、4)人から必要とされること(p69)

    ・情けは人のためならず、の本当の意味は、情けをかけるのは人のためではなく、自分のためであるということ(p82)

    ・人が成長する段階として、してもらう幸せ→自分でできる幸せ→してあげる幸せ、幸せの大きさも上の段階に行く毎に大きくなる(p85)

    ・子供の教育に必要なのは、1)朝、きちんと挨拶をさせる、2)はい、とはっきり返事させる、3)靴を揃え、椅子を入れる、の3つ(p94)

    ・部下に対するリーダーの姿勢としては、120%の仕事をする、厳しさと優しさを併せ持つ、決して妥協しない、他人の悪口を言わない、素直さと謙虚さをもつ、といった仕事の姿勢で模範を示す(p96)

    ・自分が幸せになるための一番の近道は、誰かに幸せを分け与える、もしくは、誰かを幸せにする、自分の幸せと他人の幸せは一緒であり、別々に考えること自体が間違っている(p108)

    ・悩みの量と、気づきの量はイコール、つまり小さく悩むと小さな気づきしか得られない(p115)

    ・部下を育てる余裕がないということは、未来は必要ないと言っているのと同じ(p121)

    ・仕事を任せるとは、仕事と責任をセットで任せること(p130)

    ・部下に仕事を任せた以上、部下のやり方に口出ししてはいけない、部下が表舞台にいるときには一切口出しをしない、言いたいことは100個のうち3つ(p137,142)

    ・人が心の中から変わるためには10年かかる、過去と他人は変えることができない、変えられるのは自分のみ(p162)

    ・徳の積み方には、陰徳(こっそりする)と陽徳(言いふらす)があるが、陰徳を積むと、ヒトのエネルギーが高まる、こっそりやればやるほどエネルギーが充実してくるし、気づきが得られる(p187)

    2013年7月15日作成

  • おそらく罹患中・・・

    ここに書いてあるようなことをいくつか言い聞かせてやらないといけない・・・
    「自分でやった方が早い」の正体は「自分でやったほうが遅い」と思えるようにならないと。

    そうはいってもやっぱり難しいんだが。まあこれからも失敗しながらやっていくしかないか。

    本を読む時間を確保するためにも。

  • 本著は、いつまで経っても、他の人に仕事を任せられない、プレイヤー1人分の仕事しかできないこと(自分でやった方が早い病)の問題点や原因、対策について述べたもの。

    【問題点】
    ・他人に任せられない=他人を信頼していない、信頼されていない証拠
    ・体の調子が悪くなる⇒仕事のクオリティが下がる
    ・うまくいかない原因を他人や周辺環境のせいにするようになる
    ・気付けば、任せられる人が周りから一人もいなくなる
    ・笑顔と余裕が消える=社長やリーダーが休日出勤やせかせか働いている組織はどこかに問題を抱えている
    ・「まわりを使えない」と思っているほど周りから「使えない」と思われている
    ・いつまで経っても優秀な人が現れない=今いる人が現時点のベストメンバー

    【原因】
    ・根本は「利己主義」で仕事をしている=自分大好き人間(⇔利他主義=相手に仕事を任せない限り、その相手は仕事ができるようにはならない)
    ・まわりの人と一緒に成長していない⇒仕事をこなすのが目的ではなく、仕事を通じて部下の成長を促すことを目的になる
    ・「任せる」に関する三つの大きな勘違い
     ①「任せる」は失敗が前提・・・すぐに使えないと烙印を押さないこと。これまで任せてこなかったら、任せられないだけ
     ②「任せる」は「丸投げ」ではない・・・すべて見ているし、細かくチェックする。一挙一投足を眺め、脇からハラハラしながら見守る必要
     ③他人に任せても楽にはならない・・・最初は必ず仕事量が増えて、負担が大きくなるもの

    【リーダーの処方箋】
    ・一度痛い目に遭う(実際に困らなければ考えや行動は変わらない)
    ・結果を出すこと≠人に任せて育てること
    ・任せる=失敗する権利を与えること
    ・まわりの人をヒーローにする(自分は裏方に徹する気持ちで)
    ・任せる≠作業をふる ⇒ 仕事と責任をセットで任せる
    ・仕事を任せてもいい人の特徴=信頼性がある、責任感がある
    ・自分のコピーを作ろうとしてはいけない=任せた以上、部下のやり方に口出ししてはいけない
    ・どうしても口出ししたい時は、つぶやき戦術で軌道修正
    ・「押し」(ティーチング)と「引き」(コーチング)で上手に任せる
    ・忠告(言いたいこと)は3つに留める
    ・PDCAのP(計画=Plan)、C(検証=Check)、A(改善=Adjust)を部下と一緒になって全力を注ぎ、D(実行=Do)は部下に任せる
    ・仕事を任せたい人とコーヒーを飲む(週に一度ティータイム面談を行い、コミュニケーションを図る。できれば職場の会議室ではなくてスタバなどのコーヒーショップで行うのがベター)
    ・あえて70点の業務マニュアルを作る(最低限やるべきことのチェックリストを作る)=残りの30点は独自性を出させるための余白

  • 自分でやったほうが早い病 になったら、自分にも、周りにも迷惑をかけることになることに気付かされた。

    治るまでは、時間がかかるが、治さなければならないと感じたので、あきらめないで、克服しようと思いました。

    それに気付くことが、できたのでとてもよかったです。

  • 言っていることはよく分かるんだけどね。
    ちょっと理想論に傾きすぎかな、と。

    ただまあ私自身も抱え込みすぎて、アウトした経験があるから、「痛い目にあわないと病は治らない」という気持ちもなんとなく分かる。
    そして、結局は人間としての「心」が変わらないと、その後の行動なども変わらないというのも。
    ただやっぱり相当な痛い目にあわないと、人間の本質を変えるのってすごく難しい。
    そうすると、適材適所を考え動いた方がいいのかな、とも思う。
    とりあえず私は仕事もだけど、家事育児においてこの病を治したいです!!

    心に残ったメモ↓
    ◉言いたいことは3つに絞る
    ◉自分のコピーを作ろうとしない


  • タイトルを見てこれは読まなければと思った。読んでみて自分が実際重症だったことが分かったのであるが、不思議と著者が主張していることも自然に受け入れられたし、著者の言う「処方箋」も実践できそうだと思った。どこかで自己分析が済んでいて自分を変えなければいけないと意識していたからかもしれない。「1人の100歩より100人の1歩」という言葉が印象的。

  • 自分でやった方が早い病、私もこの手のタイプかと思い、手にしました。前半は、納得、なるほどと思ましたが、後半の精神論には少し偏りがあるのと、この著者は、まだこの病、克服できてないのかなと感じました。私も含めて、頭の硬い、マジメな人が罹りやすい病なのか、もっと柔軟に生きていこうと思いました。

  • 総じて、良い。時々感情的な感じがするし、脅し戦法を感じるけれど、言っていることには激しく同意。なんか途中から、仏教の本だったっけ?と思うくらい自分を結局真摯に見つめられるか、誠実でいられるか、驕り高ぶらずにいられるか、信じることができるか、みたいな。たまに読み返したいな。

  • 良いマネージャーになるには、チーム全体の強みと弱みをよく理解した上で、多少の失敗と一時的な自分の負荷増を覚悟してチーム力向上を実現する流れ(仕組み)を構築できるかに着手しよう!遠回りに見えて、チーム力でレベルアップを図る方が、自分の幸せにも繋がるのかと感心しました。

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著者プロフィール

小倉広事務所代表取締役 心理カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ、組織人事コンサルタント。
大学卒業後、株式会社リクルート入社。組織人事コンサルティング室課長など企画畑を中心に11年半勤務。ソースネクスト株式会社(現東証一部上場)常務取締役、コンサルティング会社代表取締役を経て現職。 リクルート社在職中の昇進うつを機に心理学と心理療法を学び始める。日本アドラー心理学会正会員、日本ゲシュタルト療法学会会員。現在、研修講師として年間300回登壇し、一年先まで予約が取れないほどの人気を博している。 著書に、『任せるリーダーが実践している 1on1の技術』『任せる技術』(日本経済新聞出版)『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社)『もしアドラーが上司だったら』(プレジデント社)など多数。著書発行部数累計は100万部超。

「2021年 『コーチングよりも大切な カウンセリングの技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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