- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385429
感想・レビュー・書評
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タイトルがもったいない。レズビアンはもちろん、ゲイも異性愛者もそうでない方も、セクシャリティの違和感有無に関わらず手に取って読むべき一冊だと思いました。
自分自身の事がよくわからないため、最近この手の本を読んでいます。自分はどのカテゴリーに入るのか、そればかりを追っていました。でもこの本を読んで分かったことは、それは無意味であるという事。第三者の理解を助ける「箱」にわざわざ入る必要はないという事。人は十人十色、各々それぞれ色々です。
「自分」を生きる第一歩となりそうな本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても大切なことが書いてある。是非、多くの人に読んで欲しい。同性愛を通して異性愛の本来のあり方も見えてくるというのが私が感じていたことだが、見事にそれを実証してくれた。マイノリティとして社会で生きる知恵。国籍や性別の壁。セックスのこと。生きた教科書だ。
・アルゼンチンのジェンダーアイデンティティ法
・日本の男性の4.9%,女性の7.1%が同性愛者
・自分で選び取った名前はアイデンティティ、他人に付けられた名前はカテゴリ
・各国で同性カップル法制定後、出世率に大きな変化無し
・男と女や女と女ではなく、いつもあなたとわたし
・人付き合いの基本は、自分にも他人にも誠実に聴くこと、決めつけないこと、否定しないこと、言いふらさないこと
・「おばあちゃんは、孫の結婚相手が男か女かなんてことよりいい人かどうかずっと大事」 -
770
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モテるとはなんだ? 普通の男女恋愛ってなんだ? とSimi labばりに切り込んでいく。違うのは「んなもんガソリン火つけて燃やしちまえ」という態度でなく、立ち止まって見つめなおしてみようとするところ。
著者がレズビアン・ライフ・サポーターであるからレズビアンの方を中心に語っているけれど、同性愛者のみならず異性愛者(つまりは自分を普通だと思っている人たち)にも天啓の一冊となるだろう。 -
『同居人の美少女がレズビアンだった件。』を読んでから、牧村さんの新書を手にとって読み始めるようになりました。『同性愛は病気なの?』と合わせて購入し、最後まで読まさせていただきました。
メインはレズビアンの話のようでいて、内容はしっかりした「ジェンダー/セクシャリティ」全般に関する入門書です。いろんなキャラクターが出てくる対話形式なので読みやすくていいですね。何もレズビアンに限らず、どんなセクシャリティの人が読んでも面白く読めるのではないでしょうか。
しかし、複雑で分かりにくく取っ付きづらいセクシャリティの話を、非常にラフで分かりやすい言葉に落とし込んで書けるというのはすごい。「性のあり方」について考えるということには、どうしても自分の体験を通した先入観が最も強烈に働くがゆえに、理解しようとする前から拒絶反応を示してしまうということが付きまとうものです。この本ではそこをうまく解きほぐす工夫が全体的に行き届いている。「モテ」という、レズビアンに限らず多くの人が悩むところに間口を設けるというのもその一つですが、ここらへんはもうさすがという他ない。そして、こういうラフなところから間口を設けていながらも、内容まで単なるラフということはない、やはり背景としてものすごく勉強してらっしゃることも伝わってくる。『同居人の…』で牧村さん自身のライフヒストリーを読まさせていただいたこともあって、決してご自身で悩み考え抜いてきただけでなく、多くの人と対話する中でご自身のセクシャリティと向き合ってきたということがあって書ける文章なのだと感じられます。
にしても、「モテ」ってなんでしょうねぇ。「誰かしら彼氏/彼女を作らなければいけない、彼氏/彼女がいない自分は未熟なんだ」という強迫観念でしょうかね。「自分の性欲のはけ口が欲しい!」という貧困から来る飢えなんでしょうかね。私はこれまで「モテたい」という欲求をどこか「生殖本能」だとか「動物として当然の欲求」だとかと考えて、無疑問的に肯定してたところがありました。そういう中で、「世の中には男と女の2種類しかいない」「男は女を愛し、女は男を愛するものだ」ということを当然、常識、普通、自然なこととして、そうでない人を異常だと、変わった性癖なのだと考えるということがあったのだと思います。
セクシャリティの多様性というところに目を向けると、そういうことが決して当たり前でないことをまず知らされます。そして、当たり前でないことを知らされると同時に、当惑が起こります。同性愛に関して言えば、例えばこんなところでしょうか。「同性愛は異性愛とどう違うの?」「そもそも本当に愛なのか、愛は成り立っているのか?」「何か愛でないものを愛だと勘違いしているのでは?」……。このような「未知に対する当惑・疑念」をどう乗り越えていけるのか。ここに根本的な課題があります。百合に限らず、多様なセクシャリティを生きる人達の「リアル」をなぜ私達が知らなければいけないのか。「未知に対する当惑・疑念」故に自分も他者をも傷つけてきたからです。性差別においては、誰もが加害者であり被害者だと思います。
私はこの本を通して、「自分」という性のあり方を受け取っていくことが本当に大切なことなのだということを教えられました。そして、「自分」という性のあり方に立てば、そして自分以外の人もそれぞれ固有の「自分」という性を生きている人だと思えば、ある意味我々は皆「異性愛者」だとも言えるのではないでしょうか。「性のあり方は誰かと同じでなければならない」ということすら、やはり強迫観念でしょう。誰もが異なる性のあり方をしているし、誰一人として同じ性のあり方をしていない。そこに立って、では「自分と異なる性のあり方をしている他者とどのようにつながって、愛していくか」を考え直さなければならないのだと思います。 -
これまでクィア理論やゲイスタディーズはゲイ男性の側から語られることも多く(語られたとしても多くはフェミニスト女性の立場からだった)レズビアン女性は長らく沈黙の時代が続いていたので、違和感を覚えるセクマイ女性も多かったことと思う。その意味ではこの本はかなり画期的な著書と言えるのではないだろうか。牧村さん自身の体験も交えつつ、対話形式でLGBTについてより細分化された基礎知識が語られている。セクシャリティについて悩む思春期の子たちにも読んで理解を深めてもらいたい一冊です。個人的には泣けた。
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『百合のリアル』という題ではありながら、所謂「百合」の話はほぼ無く、レズビアンについても後半にやや詳しい話が出る程度。「モテるとはどういうことか?」という単純な問いから始まり、「集合体ではなく、個人として自分や相手、社会を見ることが大切」という結論に達する。つまりこれは、LGBTをきっかけに人生について考え始めた人への人生指南書のようなもの。と、いうわけで、二次元ではない三次元という意味で「百合のリアル」を知りたくて読むと拍子抜けするかな。ホモとかゲイとかレズビアンってどーいうこと? って人はもちろん、人間関係むずかしーい、或いは僕って何状態の人にもおすすめ。セクシュアリティよりパーソナリティ、という、界隈では有名なフレーズが、以前よりぐっと説得力を持って聞こえるようになる。
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タイトルが悪い。
百合だけではなくもっと、広いターゲットにアピールできる本だと思う。
モテるってどういうことなの、好きってどういうことなの?という、ごくシンプルな問いに対して、正解はなく、自分の中で答えを出すしかないということをわかりやすく示した本。この「なるほど」と思わせる明快さはすごい。
カテゴリ分けではなく、タグを着けたり外したりという考え方はいいなぁと思う。恋愛に限らず、ついつい「この人はこういう人だ」とカテゴリ分けをしてしまうけれど、タグだよなぁと。
作者さんは実際に女性と結婚されてるからこのタイトルなんだろうけれど、どんな人でも読んでほしい。むしろ高校生くらいの時に読みたかったなぁ。