中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)
- 星海社 (2015年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385658
感想・レビュー・書評
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中国のインターネットがWWWから独立を果たすまでの経緯をサクッと読み込めた。ネットにおける糞青と小資といった属性の成り立ちや、微博がいかにして凋落していったか等、通史的アプローチの流れの中で微に入り細を穿った解説を元に理解することができて満足。
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中国におけるインターネット発展の歴史。
電話やインターネット環境の整備で欧米や日本に遅れをとったものの、いつの間にか日本の遥か先を走っているネット大国、中国。「後出しジャンケン」で米国IT企業(や日本企業)のサービス・コンテンツをコピーて提供し、大成功を収めたBAT等の新興IT企業。一方で、検閲と遮断により強力なネット規制をかける中国政府。
著者によれば、中国政府は「ハイテク製品が好きで、ゲームキューブが好きで、横文字が苦手で同胞の繋がりが大事。時々は社会問題に若干の興味を持つけれど、決して本気ではなく、むしろ商人気質で儲け話に飛びついてしまう」典型的な中国人民に居心地のいいネット空間を作り上げることに成功しているのだとという。
四年前の本だが、中国ネット事情を知ることができた。 -
近いようで遠い中国。独自のネット文化を持っている国。ネット文化の開花から「金盾」によるWWWからの独立まで、その時々に台頭したサービスや製品、ネット民の動向まで追った本。見栄っぱりで実利的、同朋思いの中国人の生活、中国政府のインターネットに対する捉え方。今まで考えたことの無い視点で読めた。
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正にタイトルの通り、中国のインターネット史を振り返る内容です。インターネットに付随してAV機器やゲームなど周辺の話も語られています。インターネット史よりもインターネットを使う中国人の特徴が印象的でした。安くて便利なら海賊版を使うという実利的な一面が一貫して存在することを感じます。日本では結果より過程が重要視されることがありますが、この本を読んだ限り、中国では結果が圧倒的に大事に思えます。そうなると、クラウドファンディングのような過程の段階から応援するタイプの課金が難しかったりするのかなと疑問に感じました。
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中国のインターネットの歴史に関するステレオタイプを払拭してくれ良書、急成長する中国のインターネット業界を俯瞰し、情報を整理するためのベースになる。
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これを読むと、07年の留学の時は、窮屈ながらもまだまだネットの規制がゆるい良い時期だったんだなと思わされた。同時代的に見ていることが書かれているため、なるほどなと思わされた部分が多かった。学部生の卒論のタネ本には、ちょうどよいかも。