生命あるすべてのものに (講談社現代新書)

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制作 : カトリック広報室 
  • 講談社 (1982年9月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061456679

生命あるすべてのものに (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • (2014.11.04読了)(2007.10.22購入)
    【ノーベル平和賞】1979年
    1982年4月に来日した際の講演・記者会見を収録したものです。最初の講演「愛のはじまり」については、英語原文も収録してあります。
    マザー・テレサは、1910年8月26日にユーゴスラビアに生まれました。名前は、アグネス・ゴンジャ・ボヤジュといいます。テレサは、洗礼名です。インドのカルカッタで活動しています。1979年にノーベル平和賞を受賞しました。1997年9月5日に亡くなっています。享年87歳。
    講演で述べていることは、堕胎を止めさせてください、ということが一つです。
    経済的理由、あやまちでの妊娠、いずれの場合も、生むように説得して産ませて下さい。育てられないのであれば、マザー・テレサが主催している団体で引き取ります。引き取った後は、養子縁組をして、育ててもらいます。堕胎は、法律でも禁止するようにお願いします。
    二つ目は、人にかまってもらえず、心の飢えている方の話を聞いてやってください、ということです。自分は、生まれてくる価値がなかったのではないか? と思いつつ一人で死んでゆくのではなく、生まれてきてよかったんだと思いながら死なせてあげたい、ということです。
    おもにこの二つでしょう。

    【目次】
    1 愛のはじまり
       東京・暁星学園 「生命の尊厳を考える国際会議」特別講演会
    2 神の生命にふれる
       東京・暁星学園 「マザー・テレサ記者会見」
    3 若い人びとへ―祈りと愛と奉仕と
       東京・上智大学 講演
    4 お互いのなかに神の顔を
       東京ヒルトンホテル 国会議員との朝食会
    5 愛の運び手―長崎・平和のための祈り
       長崎 記者会見
    6 なんじ殺すなかれ―医師・看護師・学生たちへ
       長崎大学医学部 講演
    7 分かたれぬ愛
       長崎カトリックセンター 「修道女のための講話」
    8 子ども・美しい贈り物―母たちへ
       福岡市民会館 「母親との集い」
    9 マザー・テレサと愛を語ろう
       東京グランドホテル 「マザー・テレサと愛を語ろう」
    マザー・テレサとの出会い  P・ミルワード
    Keynote Address of Mother Teresa
    マザー・テレサ年譜

    ●分かち合えば(13頁)
    ある人が尋ねました。「いったいいつ、貧しい人びとの貧困はやむのですか?」私は、あなたと私が分かちはじめたその時に、と答えました。
    ●清い心(22頁)
    私たちは、神のところに行けるように清い心が必要です。
    では清い心がもてるためにはどんなことをすればいいのでしょうか。それはお互いに愛しあうことです。愛の行いです。
    どのようにして愛の行動ができるでしょうか。祈りです。祈りは私たちの力です。
    ●精神的な飢え(50頁)
    望まれない、愛されない、大切にされない、忘れられたと感じ、誰もほほえみかけてくれず、誰も手を握ってくれない。このような人びとは誰からも見捨てられているのです。それゆえ、このような精神的な飢え、精神的な貧困は取り除くのがより難しいのです。
    ●裸とは(63頁)
    裸とは、ただ一枚も衣服がないゆえではなく、人間の威厳や尊厳を失っているということです。
    ●マスコミへ(86頁)
    お書きになるときは、いつもなにか美しいこと、なにかひとびとの心を高めるような記事、なにか人びとが相互に愛しあうための助けとなるような記事を書いてください。

    ☆関連図書(既読)
    「武器より一冊の本をください」ヴィヴィアナ・マッツァ著・横山千里訳、金の星社、2013.11.
    「ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。」石井光太著、ポプラ社、2013.11.
    「リゴベルタの村」工藤律子著、浜田桂子絵、... 続きを読む

  • 「神様」がどうしても関わってくる分、一般的な日本人には一見理解し難い考え方も含まれてくるが、よく読んでみると、深い愛に包まれた言葉なのだと理解できる。

  • マスコミの人々に対する、マザーテレサの考えに、感動。
    引用すると・・・・お書きになるときは、いつもなにか美しいこと、なにか人々の心を高めるような記事、何か人々が相互に愛しあうための助けとなるような記事を書いてください。決して、人々を興奮させるようなことを書かないで下さい。大きな愛と熟慮をもって真実を書いてください。いつも、人々の心が高められ、より良い思想を持ち、より良く愛することができるような美しいことを書いて下さい。

    他にも、心に響く言葉ばかりでした。
    ・不信と恐れは、すなわち平和を殺すこと、愛を殺すことです。
    ・学問の目的は、より良い人間に成長することが目的なのです。
    ・喜びのときも悲しみのときも、成功したときも失敗したときも、その人の愛があなたの傍らにあるとわかる。誠実で失敗や悲しみなどを分かち合える人です。
    ・いつでもどこでも、喜びを持ってそれを態度にあらわしていく。それが愛の始まりです。

    何度か、開けて読むと良いなあ・・・。

  • マザーテレサの来日した際の講演録ですが、マザー・テレサの偉大さが分かるような気がした一冊のように思います。

    例えばこういう主張があります。
    「マザー・テレサが行なっていたような活動は大切だが、それだけでは、インドを真に救うことは出来ない。
    インドを真に救うのは自分たちの国の未来が見える人たちである。
    愛を支えるためには知恵が必要であり、
    そちらの方がもっと大きな愛だ。」と。
    このような主張も、よく言われてきたもので、また一理ある意見であると思います。

    しかしマザーの考えはこのような「どちらの愛が優れたものであるか」的な観点とはまた違った、より人間にとって根源的な宗教的な視点からの愛をもって語られます。
    マザーは「ある程度の社会改革も必要ではないか」という質問に
    「私たちはもっとも貧しい人びとのために働いています。
    福祉のためになにかを始める前に、その人びとがまず、自立できるようにしてあげなければなりません。そしてその人びとが自分で立てるようになったら、私もみなさまといっしょに、改善や発展などの喜びをもたらすことができるようになるでしょう。」と。
    「みなさまができることは私にはできないかもしれませんし、私がやっていることはみなさんにおできにならないかもしれません。
    でもいっしょになってやれば、何千何万の人びとを自立させることができ、もっとよい生活ができるように助けられると思います。」
    そして「私たちが知らなければいけないもっとも大切なことはイエズスとその愛の教えなのです。
    そのまことの愛というものは、分かち合うことを自分で会得したときはじめてもたらされます。」と。

    私たちはたんなる数ではない。
    貧しさは物質的なものだけでなく、精神的な貧しさ、つまり愛されないという貧しさがある。
    人間というものは神が、神の形に似せてより大きなもの、つまり愛し愛されるために創られた。
    すべての人が銘々に、なにか自分だけにしかない、美しいものを持っている。
    キリスト教に詳しくない日本人に対しても、
    「自分の心を見る、そうすれば美しい本性がみえます」「あなたがたは生命の存在を知っておられます」、
    と「神」や「愛」を文化や宗教の枠を超えてすべての人に普遍的に見い出していることが分かります。

  • マザーテレサが来日した時の講演集をまとめたもの。マザーの生きざまをシンプルに伝えており、メッセージが力強く響いてくる。クリスチャンではない日本人を対象にしているが、神の愛や隣人への奉仕といったキリスト教の教えを普通に伝えている。中絶を根絶しようというメッセージは、多分ほとんどの日本人にはなかなか理解されにくいと思うが、それこそがマザーが日本人に伝えたかった最大のことのひとつだったのだろうと、不肖クリスチャンの自分は思った。

  • 「渡辺美樹の夢を叶える教科書」で紹介されてる、「必ずここに帰ってくる6冊」のうち一冊、心の部

  • またまた講談社現代新書化されたバージョンをよみました。

    マザーテレサってよく聞くけど、カトリックだし、よく知らなかったので、異色ですが読んでみようと思ったの。

    マザーテレサが来日したとき、いろんなところ(主に長崎。原爆資料館をみたり、安土桃山時代とかにキリシタンが殉教した地を訪れたり、修道会や長崎大学医学部だったり、後は東京で記者や国会議員にむけたり)で講演をした、内容がかかれています。

    よく出てきたワード・フレーズ
    イエスズ
    貧しい人々(のために自らも貧しさを知るためのつつましい暮らし)
    祈り

    道端でたおれている人をつれてくる(有名な、「死を待つ人々の家」とかに。カルカッタでは四万二千人を拾い上げたんだって!)
    未婚の母(妊娠中絶はだめ!「お互い同士の愛ゆえに行う実際の自己抑制」)

    みたいな話を4セットぐらい、ほうぼうでしているのが書いてあるので頭に入ります。

    結局ねー、日本人には難しいのですよ理解が。
    キリスト教の学校に行ってたし、キリスト教の考え方とか知識は少しはわかるんだけど、
    「お互い愛し合うためには、祈ることが必要」みたいな、単純にはつなげない部分も多いのです。
    「神に祈る」をなんと置き換えたらよいのか、っていうのが難しい。主の祈り、はまだ唱えることができそうだけど、暗唱文としてでしかなく、愛する手段には使えなそうなんだもん。
    講演後の質疑でも何度も、「日本人には理解しにくい面もあると思うのですがどうお考えですか」みたいな質問が出てるけど、無宗教でも神の存在はわかるはずだ、とか、根本的には答えになっていないことが多い。

    しかしこの人自体には非常に興味をそそられるし、非常に尊敬する。道端の貧しい人を助け上げ、そこに神性を見るというのだから。
    確かにまるでキリストの生まれかわりのようである。
    初心を忘れない。

    修道女である彼女が母親への講演でのべたこと
    P136「~私たちが母親であるということ、やさしい愛をもっていつくしむことができる、ということを感謝しましょう。それができるからこそ、神は母親に子どもを委ねられるのです。母親こそが愛し、世話をし、やさしくいつくしみをもって子どもを育てるにふさわしい人なのです。」

  • マザーテレサの来日公演集。

    こういう宗教を信じる人の話は胡散臭くもあり、またパワーに満ち溢れている。
    それは、話の中に虚実が混じっているからだと思う。

    虚の部分は、「神はいる」ということ。(愛を神と擬人化しているともとれるが)
    実の部分は、実際に貧窮した人々を人を助け、自分も幸せに満ちていること。

    シスター達は神を信じ、贅沢を捨て、人を認め、人を許し、人に尽くしている。
    つまり、自分の資産を全て他人に与えている。
    そうすることで、逆に他人から認められ、他人から許され、他人から尽くされている。
    つまり、他人から与える事で他人から与えられている。

    これを私は「資源を所有せず、共有しているから」、「資源の絶対量を増加させて
    いるから」だと考える。
    限られた資源を個人が所有するほど、他人に分ける分がなくなる。逆に所有が
    少ないほど、他人に分ける分が増える。
    また、資源の絶対量を増やすことでも、同様に他人に分ける分が増える。

    お金であれば、自分の必要最低限を所有し、あとは貧しい人に分け与えることで
    困った人が減り、全体の豊かさがあがる。
    認める・許すといった気持ちであれば、無限に存在するものなので、もってけ
    ドロボーとばかりに配れば誰もがうれしい気持ちになる。
    逆に多くのものを独占し、うらみ、否定すると、全体的に貧しくなる。

    しかし、そういった他人に与える行為に満足することは、万人が出来ることではない。

    キリスト教では、その原理を実行するために神を信じるという無理を通している。
    愛する喜びを全て神の存在のためとし、毎日祈ることでモチベーションを上げている。

    宗教を通さず、全員がその方向に向かうためには、大多数の人間にそうしたい
    という欲求が存在し、誰か大きなモチベーションを持つ人が音頭を取る必要がある。

  • 目立たないけど愛に溢れている「静かな勇者」は数多くいるんだろうな:

  • マザーテレサ著「生命あるすべてのものに」講談社現代新書(1982)
    * 飛んでいる国々で多くの人々は愛に飢えています。
    * 清貧とは、放棄ではありません。清貧とは、自由、喜びなのです。分かたれない愛というのは、何者からも誰からも自由であるとうことです。自由な心は、喜びに満ちて、平和にみち、熱意と情熱にみちています。
    * 貧しい人々を理解するため、特に私達が仕えているような貧しい人々のことをわかるためには、貧しさがどんなものなのか、ということを知る必要があります。私達の貧しさは選択によるものです。貧しい人々は、そうさせられて余儀なく貧しいのですが、私達は自ら貧しくなることを選んだのです。
    * こんにち、世界は混乱し、憎しみ、殺し合い、悲惨にあふれています。それは、家庭における愛、平和、喜びなどが壊されているからです。
    * 御互いに愛する事、これはお互いに愛する事、これはお互いの家庭から始まっていくものです。真に愛することは傷つくことです。そのために私達は祈らなければなりません。祈る事によって愛が実ります。私達は、言葉ではなく、行動で生活の中で愛を分かち合い、与えながらお互いを愛していきます。持っているものが少なければ少ないほど私達はより多く愛を人に与える事ができますし、逆に持っているものが多いほど、人に与えなくなってしまうものです。

  • マザー・テレサが講演で話した内容をまとめたもの。

    複数の講演会の内容が書かれてるから、言ってることが複重してる。苦笑 でも、彼女の愛にたいする熱い思いはいやというほど伝わってくる。彼女がどういうことを考えていたのかを知るために買ったんだけど、それを満たすには十分な一冊。ただ、彼女に関する書物をどれだけ読んでも、彼女が抱いた愛に対する考え方を習得するのは不可能だろう。それほど、彼女の思いは深い。

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