リーダーシップの心理学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061457256

作品紹介・あらすじ

個人を生かし組織を活性化するリーダーのあり方とは?集団目標達成のためにメンバーの調和を図りながら能力発揮をうながすのが、リーダーの役割である。円滑な機能と目的遂行のためには、決断力と強さが、和のためには、全体を見わたすことのできる冷静な眼が、個々人への心くばりのためには、やさしさが要求される。目標の設定から役割分担、メンバーの興味や感情への配慮、指示のし方、意見のきき方など具体的着眼点を示しつつ、豊かなコミュニケーションと開かれた人間関係にもとづいた柔軟で効果的なリーダーシップのスタイルを考察する。

ひとつの世界をつくる――リーダーシップを発揮するとは、自・他一体感の回復ということになろうかと思う。多分今までに偉大なリーダーといわれた人たちは、無我無心で「グループが自分、自分がグループ」という境地を味わっていたのではないかと思う。そうなるためには、自分を空しくして相手の世界に入り、自分と相手がひとつの世界をつくることである。リーダーシップとは、けっして相手を意のままに動かす技法ではない。いうなれば、グループ全員がひとつの世界をつくるための技法といったほうがよい。あるいは、相互に自己拡大しあう技法といってもよい。――本書より

感想・レビュー・書評

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  • 30年前の本
    しかし、今でも当然ながら通用するリーダーシップ論
    スキルなど体系的に整理してある内容
    名著の一冊に数えたいです

  • 【文章】
     読み易い
    【ハマり】
     ★★★・・
    【共感度】
     ★★★★★
    ・リーダーシップとは、集団目標達成に向けて各メンバーが連帯感を持ち、能力をフルに発揮できるように援助する能力
    ・リーダーは、その集団が何をしようとしていて、何のために存在しているのかを把握していなければならない
    ・「人が地位を求めるのではなく、地位が人を求める」のが本当であり、不遇の時こそじっくり実力を養う
    ・私心を捨て、孤独を楽しむ
    ・メンバーがいずれ去っていくことも覚悟した上で、メンバーを育て上げる
    ・指示的、折衷的、民主的、どのリーダーシップをとるべきかは、リーダー自身とメンバーの特性によって変わる
    ・グループを転進するときは、自分のしたい事、できる事を自問自答できるぐらいでないと意味がない
    【気付き】
     ★★★・・
    ・リーダーシップを発揮するとは、自他一体感の回復ということ
    ・目標設定の勘所
     ・達成可能
     ・具体的
     ・メンバーの欲求充足に役立つ
      ・メンバーが意味を感じられるように、上手く誘導してやる
     ・メンバー参加での決定
    ・集団目標と個人目標のギャップを少なくする
     ・役割、権限、責任の明確化
     ・指揮命令系統の一元化
     ・権限と責任の一致
     ・性格と役割の不一致の解消
    ・集団規範において先行すべきはルールではなく、リーダーの思想
    ・普段は許容的な人がビシッと指示すると威力がある

  • 筆者は学校教師のカウンセリングをした経験から、「教師にリーダーシップの素養がもっとあれば落ち込まずにすんだのでは」と思い、「教師は臨床家である。臨床家には臨床家向けのもっとプラクティカルな訓練が必要、その1つとしてリーダーシップがあげられる」という観点からこの本を書いているそうです。

  • 社会人になって、人間関係がどれ程、組織で大切なものか分かってきた。学生のままの心持では、中々上手くいかないな、と常々思う。
    上とも下とも、ポジティブな関係でありたいものだ。
    “I am OK,You are OK.”
    この言葉を忘れずに、注意深く人間関係を築いていきたい。

  • ある種のハウツー本ではあるが、それ特有の押し付け論はなかった。また、「心理学」とあるが、本文には学問のような堅苦しさはなく勉強になることばかりだった。
    リーダーシップを取る取らないに関わらず、何かのプロジェクトに関わる人や教師なんかも見てみると学ぶことが多いであろう。

  • 古書であり、文章が固く、勉強させられました。
    リーダーの心理について学べました。

  • 社会学、経営学とも違うリーダーシップ論。

    主に、心理学的な側面から、リーダーの資質や心構え、ちょっとした工夫を説いてくれており、色々な場面でリーダーシップを発揮しなければならない私としては、目から鱗な記述が多々見られました。

    一言で言えば、メンバー統治や支配のためのリーダーシップ論ではなく、リーダーとメンバー双方のWIN-WINを求める方法論である。傲慢ではないかたちで、かつ、時には毅然とした態度を求めるリーダーシップ論であり、きわめて実践的。1984年の刊行にもかかわらず、その後版を重ねておることからも、本書が名著であることが分かる。

    国分先生の著作は、論理療法の第一人者ということもあり、不合理な思い込みから、相当程度、解放されており、読んでいて、セラピー効果もあるので、とてもおすすめです。

  • まあ、ハウツー本の元型みたいなものなのかもしれない。簡単に言えばだけれど。無論、そのあたりにあるハウツー本よりはかなり理論がしっかりしている。それは著者が、カウンセリング心理学の専門家であるからだろう。ある程度理論が築き上げられ、そこに実体験を重ね合わせて述べられているだけに、どれもこれもうなずけるものばかりなのだけれど、あんまりうなずきたくは無いかな。著者自身が、「自分は実利的過ぎてときおり、観念的な学生と噛みあわない」みたいなことを述べていたが、まさしくその通りで俺は観念的な学生タイプなのだろうね。とはいえ、両者が歩み寄る必要があるとも著者は書いているし、理解はあるのだろうと思うし、自分が実利的過ぎることも自覚はしているのだろう。とはいえ、著者がどれもこれも断定してしまっている感じが少々嫌なのだけれど、それも著者からすればリーダーシップに含まれてしまうのかな。まあ、下手なハウツー本よりはよほどしっかりしているし、かなり実践的なものも多いと思う。リーダーシップを自分は取れていると慢心している人や、あるいはリーダーシップの取り方がわからなくて右往左往している人には一読の価値はあるのかもしれないし、それを活かす活かさないは自由だと思われる。とはいえ、これはいわゆるビジネス本的な感じかな。今なら完全にビジネス本行きの内容だろう。しかし、哲学にしろ精神分析にしろこの年代の人の本はそれなりに読み進めてきたはずなんだけれど、この人は諸に戦争経験世代っていうのが現れている。すごく露骨である。気持ちがいいといえばいいのかもしれないが、正直距離を感じる。つまり、著者が唱えるリーダーシップ理論自体は今でも生きるだろうが、著者の思想みたいなのがかなり時代錯誤的というか時代倒錯的な感がある。正直、怖い。後、最後に、リーダーシップ理論に必要な要素を、leadershipにかけて、それぞれ頭文字でlooksなど計10個の要素に分解しているわけだけれど、こういうのってけっこう無理やりなんじゃないかなと思う。多分、洩れはあるだろうし、あるいは重複があったりするかもしれないし、初見者に説明するときには効果的かもしれないけれど、冷静に考えるとどうにも怪しげに映じる。

  • [ 内容 ]
    個人を生かし組織を活性化するリーダーのあり方とは?
    集団目標達成のためにメンバーの調和を図りながら能力発揮をうながすのが、リーダーの役割である。
    円滑な機能と目的遂行のためには、決断力と強さが、和のためには、全体を見わたすことのできる冷静な眼が、個々人への心くばりのためには、やさしさが要求される。
    目標の設定から役割分担、メンバーの興味や感情への配慮、指示のし方、意見のきき方など具体的着眼点を示しつつ、豊かなコミュニケーションと開かれた人間関係にもとづいた柔軟で効果的なリーダーシップのスタイルを考察する。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 一昔前の本だが、今でも通じるところ、時代遅れになっているところがあり読んでいて面白い。
    ・意味ある目標。達成可能な目標。
    ・自分は人間であって全知全能の神ではない。だから足りないところは助けてもらう、という思想。
    ・鈍感であってはならない。
    ・集団の目標を掲げ、集団をまとめ、個々のメンバーに配慮する・
    ・口煩い人にはこっちから飛び込んでいく。
    ・不遇のときこそ飛躍のチャンス。

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