コロボックル童話集 (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470378

作品紹介・あらすじ

コロボックルの子ども、トコちゃんが活躍する「コロボックル空をとぶ」「トコちゃんばったにのる」などトコちゃんシリーズや、コロボックル物語4『ふしぎな目をした男の子』の主人公タケル君がテッちゃんという名前で登場する「百万人にひとり」などが読めるたのしい童話集。
「サンケイ新聞」(1970年)や「ワンダーブック」(1969年10月号)「きりん」(214~217号)「コロボックルカラー童話」(1~4)など、雑誌や新聞などに折々発表された、コロボックルの登場するみじかいお話たちです。

<A日本の名作 小学中級から すべての漢字にふりがなつき>


   もくじ

  コロボックルと時計
  コロボックルと紙飛行機

  <コロボックルのトコちゃん>

  はじめに コロボックルのこと
  コロボックル 空をとぶ
  トコちゃん ばったにのる
  コロボックル ふねにのる
  そりにのったトコちゃん

  <コロボックルとその友だち>

  ヒノキノヒコのかくれ家
  人形のすきな男の子
  百万人にひとり
  へんな子

  あとがき 佐藤さとる

感想・レビュー・書評

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  • コロボックル童話集
    コロボックル達の小話的短編集。

    『コロボックルのトコちゃん』は、「コロボックル絵童話」として絵本化された短編を集めたもので、
    トネリコヒコのトコちゃんが鳥に乗ったりバッタに乗ったりという元気な毎日。

    『コロボックルとそのともだち』は、幸運にもコロボックルが見えたり友達になったりした人間たちの話。
    この中で「百万人にひとり」は、「不思議な目をした男の子」の元になった話で、
    「へんな子」は次の話である「ちいさな国のつづきの話」の元になっています。

  • この本を読んでいて一番の収穫(?)は登場するコロボックルの名前に KiKi の昔からの愛称とさらにはキキという名のコロボックルが登場したことでした。  昨日書いたばかりの第5作の Reviewで

    「ひょっとしたら私の住む地域にもコロボックルでもチィサコ族でもない又別の種類の小さな人が住んでいるのかもしれない」という希望(?)をも抱かせます。  そうなってくると、KiKi の所に「小さな人」が姿を現す可能性だって否定できません。
    な~んていう感想を述べたばかりだけど、ひょっとしたらKiKi の所に「小さな人」が姿を現すのではなく、KiKi 自身が実はコロボックルなのかもしれないというような妄想を抱かせるには十分でした(笑)。

    さて、この本には短編10話が収録されているのですが、その中の最後の2つ、「百万人にひとり」は第4巻の「ふしぎな目をした男の子」の、「へんな子」は第5巻の「小さな国のつづきの話」の元になったお話でした。  そう思って読むと、作家という人種がお話のタネみたいなものを小編として書きため、そんなお話のタネの中で何等かのインスピレーションを呼び起こすもの、作者が訴えたい何かにつながる萌芽を感じられるものを使って長編を書き起こすというプロセスが透けて見えるような気がして、面白かったです。

  • 「コロボックルと時計」
    少しずつ進んでく針。
    壊れたはずの時計が音を鳴らしたら、誰の仕業か特定するより恐怖が勝ちそうだな。

    「コロボックルと髪のひこうき」
    囁かれたアドバイス。
    工程を知っている者からすると、後一歩のところで完成しないのはもどかしいかも。

    「コロボックルのこと」
    小さな山の大きな国。
    傍から見れば何の変哲もない山であるが、知る者たちからすると夢の様な世界かも。

    「コロボックル 空をとぶ」
    驚き飛び上がった先。
    軽率な行動をしたばかりに危険に晒されたが、無事に帰れた事により繰り返しそう。

    「トコちゃん ばったにのる」
    祭りの為に捕まえて。
    一人で捕まえれば問題ないだろうが、大人数の場合は乗り手争いはないのだろうか。

    「コロボックル ふねにのる」
    ぐるりと山を1周し。
    人間からすると大した距離でなくとも、小さき者にとっては大冒険だっただろうな。

    「そりにのったトコちゃん」
    勢いよく滑った後は。
    偶然通りかかることが無かったら、雪解けまで一人きりで生き延びれたか怪しいな。

    「ヒノキノヒコのかくれ家」
    互いに通じ合うもの。
    職人気質だからこそ気付く事もあるのだろうが、それよりも根が似ているのだろう。

    「人形のすきな男の子」
    気になって購入した。
    酷いイタズラを仕掛けておきながら、謝罪せず仲間外れにするなんて酷い話だよな。

    「百万人にひとり」
    何をしても見つかる。
    誰にも信じてもらえない話ではあるだろうが、家族の次に大切な存在になりそうだ。

    「へんな子」
    人とは違うところが。
    周りから見れば不思議な事が多くとも、本人からしてみると普通の出来事なんだろ。

  • いるんだと思う。それぞれその世界で身の丈にあった生を全うすればいいはず。欲張りすぎず。共存。こういうゆったりした豊かな世界や感性は置いてけぼりにしたくない。ずっと持っていたいなあ。そういう人間でいたいなあ。

  • 【あらすじ】
    コロボックルの子ども、トコちゃんを主人公とする『コロボックル空をとぶ』『トコちゃんばったにのる』などトコちゃんシリーズをはじめ、『だれも知らない小さな国』執筆以来、著者が心にあたため続け折々に発表してきた、コロボックルと人間との友情を描いた短編10話を収録。

    【感想】

  • 掌編童話10作。絵本になっているものなどをまとめたもの。これで、コロボックルシリーズは全部読めたのかな?
    コロボックルのお話はとても魅力的だけど、村上勉さんの画が何と言っても素晴らしい。というわけで、その画を堪能するために、絵本も読んでみなくちゃね♪

  • 今中学やけど…懐かしいです^ - ^

    めっちゃはまってました!

  •  小さな国のつづきの話の最後に「さて、コロボックル物語のほうは、これでおしまいだが、コロボックル小国は、これからも末長く栄えていくにちがいない。したがって、作者としてもすっかり縁を切ってしまうわけにはいかない。別格とはいえ、コロボックルの『みんなのトモダチ』のひとりとして、できるものなら物語のほかに、コロボックルのその後の消息を、すこしずつせいたかさんからききだして、なんとか世間に伝えていきたいと思っている。もちろんこれは、コロボックルの物語とはべつで、もっとずっと短いきれぎれの話になってしまうだろうが。たぶん世話役のヒイラギノヒコも、このくらいはゆるしてくれそうな気がする。」という言葉をのこして完結した。
      
     コロボックル童話集にはこの“短いきれぎれの話”が10話収められている。
       
       ・コロボックルと時計
       ・コロボックルと紙のひこうき
      “コロボックルのトコちゃん”シリーズ
       ・コロボックル空をとぶ
       ・トコちゃんばったにのる
       ・コロボックルふねにのる
       ・そりにのったトコちゃん
      “コロボックルとその友だち”
       ・ヒノキノヒコのかくれ家
       ・人形のすきな男の子
       ・百万人ひひとり
       ・へんな子

  • 短編なので子どもは読みやすかったって。入門にはいいのかな?

  • 懐かしい、懐かしい。
    何十年ぶりかで読んだよー。
    子供のころ読み終わったあとで、小さな人がいないかと辺りを注意深く見回していた時期があった。
    今でもこんな世界が残っているといいな。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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