ムーミン谷の仲間たち (講談社青い鳥文庫)

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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061470491

感想・レビュー・書評

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  • 子供時分に読んでから成人した今まで揺るぐことのなく大好きな本です。子供の頃に読んだ本が年を取るに連れて印象が変わってしまったり、それほど興味を持たなくなってしまう本が多い中、この本は特別な本なのです。

    最初のお話もとても好きです。
    「あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、ほんとの自由はえられないんだぜ」スナフキンのこの台詞が特に。最後の結びも大好きです。

    ただこの本に納められている中で真っ先に思い出すし、一番自分が深く惹かれているのは「この世の終わりにおびえるフィリフィヨンカ」です。自分はムーミンのお話のなかでこの話が一番好きです。美しく、恐ろしいこの世のおわり。本当にすごいお話なのです。

  • 今、この時期に読めてよかった。

    このコロナ禍、どう行動するのが正解なのか全然分からない。
    正解なんてものはないのだから。

    ヘムレンさんやスナフキン、自分の気持ちに従順に行動している。
    それが彼らそれぞれの人生だから。

    心配しすぎることは、自由を奪うこと。
    心配はほどほどに、相手を信頼すること。

    自分らしく生きるとは。

  • 今回のお話は短編集です。このお話に出てくる人たちは、みんなちょっとずつ心が満たされない想いで欠けています。その欠けた部分をもがきながら見つけようとします。でも、完璧じゃなくていいんです。欠けたままでいいんです。みんな、どこかが欠けているものなんです。ニンニのお話が一番好き。皮肉ばかり言われ続けて、姿が見えなくなってしまった子。ムーミン一家と過ごすうちに心が癒されていきます。このお話は子供の頃に読んでも意味がわからなかったかもしれません。今、読んだからこそ心にそっと響くのだと思います。

  •  ムーミンのアニメを最後に見たのが自分がいくつぐらいの頃だったかは定かではないけれど、『ムーミン谷』の面々はそれなりに記憶の隅に残っていた。ただ、その記憶というものはムーミン、スナフキン、ミイという主要なキャラの断片でしかなく、ストーリーや世界観はおぼろげだ。真っ暗な舞台でキャラクターだけが浮かびあがっているような、歪つなものだ。
     埋め合わせというわけではないが、こうして本を手にしたのは、少なからずその空白に興味がわいたからだった。

     ムーミン谷には不思議な生き物たちが住んでいる。人間は住んでいない。
     本作『ムーミン谷の仲間たち』は、そんな彼らの日常を短く切り取ったもので構成されている。
     私の記憶の中にある空白を埋めていったのは、キャラクターの詳細ではなく、豊かな色だった。彼らを取り囲むムーミン谷は幻想的な自然に満ちている。ムーミンたちはその自然がもたらす恵みと弊害と向き合いながら、悩みや困難をすこしずつ克服していく。その手法がまたいかにも幻想的で、普遍的に思われる悩みを抱えているはずの彼らが、不思議な生き物であるのだということを思いださせる。
     優しい物語と呼ばれるようなものではないけれど、豊かな物語ではあるだろう。

  • 安心の短編集、訳者にとっては長くてぼやっとしてると解したパパとニョロニョロの話がすき、人間くさいスナフキンのはなしも、アニメでよく見たニンニのはなしも、

  • 「自分で考えるという可能性を残して」

    スナフキン、ホムサ、フィリフヨンカ、ヘムレン、ニンニ、ニョロニョロ、スニフにはい虫、ムーミン谷の仲間たちに起こった出来事9編を収録。

    子供の頃、カルピスのコマーシャルとともに親しんだのは、アニメのムーミンでした。「ねえムーミン、こっち向いて♪」の主題歌やその可愛いキャラクター造型にも関わらず、このアニメを見ると怖かったことを思い出します。お話の最後にいつも、何か終わった感じがしない、小さい棘が刺さったような痛みが残る、楽しさよりも寂しさ、そんなことを感じていました。

    原作はウン十年にしてこの度初めて読みましたが、その謎が解けました。原作はアニメよりもさらに不思議に満ちています。原文がそうなのでしょうけれど、日本の童話ならおそらく無いだろうなという言い回しや、時折彼らの会話の中に不意に訪れる沈黙、何よりそのキャラクターの思考回路が、この独特な世界を作っているのだということがよくわかりました。

    解説の高橋静男さんは、ムーミン童話には自然の脅威や心の悩みや不安などが題材として現れるが、その解決方法として、他者を助けあるいは助けられという関係がなく、周囲の人たちが自分に忠実に生きながら問題が解決すると指摘しています。

    子供向けの物語としてその多くが「めでたし、めでたし。」で結ばれる話で育った自分にとっては、悩む主人公が納得したとは言え、登場人物すべての了解を得る大団円でない、ある意味切りっ放しの結末に、いきなり一人放り出されたようないわれの無い不安を覚えることになったのかもしれません。しかしこうした物語の結び方は、言い換えれば著者の「答えを、皆さんも探してくださいね」というメッセージとも考えられます。

    1970年代同じヨーロッパのドイツでは「アンチ・メルヘン」といって、現実的で救いようの無い結末の話を作ることで、そうならないようにするにはどうすればよいか子供自身に考えさせるという流れがあったことを思い出します。「ムーミン」はそこまで極端ではありませんが、子供の想像力を養う方法も国や作者によって様々なのだなあと思いました。

  • ムーミンが大好きになりました♪───O(≧∇≦)O────♪

  • 図書館から借りました

     児童書。ファンタジー。有名どころ。名作。6巻目。
     短編集。

     訳者が交互、なのか?

     ミィ。最強だね、やっぱり。揺らぐことのない、自分勝手さ。確固たる意志を感じます。明るい邪悪さ。
     スナフキン。孤独に強いが、コミュニケーションが少し・・・。
     はい虫ってどれぐらいの大きさなのだろう?
     ヘムルが陽気な一族だとはぴっくりです。ムーミンと暮らしているヘムレンさんって気むずかしそうだから。
     血統が違うのかな。

     出てくる連中はそれぞれが身勝手で、なんか気楽。
     とくに、驚異がないから、平和でのんびり。
     台風はともかくとして。煙突倒れるなんて、すごい風だ。

     パパ。すごいよね。
     ふらふらとニョロニョロについていってしまう。家長としてどーよ?
     この放浪癖は次の巻の布石だったのだろう。 

  • 短編集。

    小学生の頃、「この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ」をよんで号泣した。成人した今読み返しても、どれもいい話だなあと思う。

    特に「春のしらべ」「ニョロニョロのひみつ」「スニフとセドリックのこと」が好き

  • 12月12日 本屋を4軒回ってやっとこ買う。クリスマスで、どうしても読みたかった

  • ムーミンシリーズでは唯一の短編集。ムーミン一家だけではなくムーミン谷に住む一人ひとりを主役にしての物語がいくつか収められています。ただし物語というだけで終わらないのがムーミン物語のツボ。

  • 2008/02/12

  • 短編集。

    「しずかなのが好きなヘムレンさん」
    が一番すきです。

  • ムーミン

  • みんながいとおしい

  • りゅうの話かわいかった。静かなヘムレンさんが好き。
    全体的にとってもかわいいしスナフキンが素敵。

  • 登場人物の性格に問題ありです(笑)

  • ティーティ=ウー、妻子持ちのパパ、ニンニ、男の友情、さいごのりゅう、あと、どうか私も混ぜてください。

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