- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061472310
感想・レビュー・書評
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ゆっくりできないね。
クレヨン王国、夢の国。
でもそれは、理想の国って意味とは違う。
なんでもありの国なんだろう。
だから人の想念も渦巻く。
良いものも、悪いものも。
いや、初めから良いも悪いもないのだろう。 -
序章(1巻と2巻)が終わり、そろそろ不安な展開。
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おもかげ池のコブシを君に見せたい、おもかげ池でふたりでボートに乗りたいという夢、切望、後悔をようやく叶えた三郎。
p8
まゆみは、三郎の黒々と光る二つのひとみだけを感じていました。そして、それが自分のひとみの影のようにも思われました。
――あれは、三郎さんの目だけれど、あたしの目がうつってもいるんだわ。あたしの目もあれと同じ、そっくりうり二つなんだわ。――
三郎の目の中に、自分のすべてがすいとられて解放されていく感じと、反対に自分の胸の中に、三郎のすべてを入れてふくらんでいく充実した快感とが、すう息、はく息のように、かわりばんこにやってきました。それは、自分という生き物が、いかにもあたたかく生きているという感じでした。
このまゆみが、三郎の吐いた青黒いエキス、あの毒の水を、彼の愛するクレヨン王国を汚さないために身を持って飲んでおさめようとした気持ちなんて……
p56
「花が好きなの。それに、なぜ、花がきれいなのかって、そのわけ、知ってるの。」
(野鳥クラブの仁科先生の受け売りだからと言いながら)
「むかしは、植物は、シダみたいなものばかりで、花なんかなかったんだって。そうよね。」
「うん。」
「こん虫たちがでてきて、植物は花びらのきれいな花をつくったんでしょう? 虫たちは、茎の汁をすったり、葉を食べたりして、けっしていい友だちばかりじゃなかったと思うの。でも、植物は、それを外敵としてしりぞけないで、いっしょに生きていく道をえらんだ。そのやさしさが、つまり花の美しさなんだって。虫をもてなすために、みつを用意するなんて、たいへんなことでしょ。手も足もないのに、どうしてそんな仕組みができたのか、考えられないくらいでしょ。花が虫でない人間にもきれいに見えるのは、虫という異分子と強調して栄えていこうという、やさしさとかしこさのしるしだからって、仁科先生はいった。こうもいったわ。もし、地球に宇宙人があらわれて、かってなことをはじめたら、きみらはどうする? 追っぱらおうとしたり、どこかへかくれようとしたら、それはシダと同じなんだって。宇宙人といっしょにやっていこうというやさしさと勇気のある人が、花のある人なんだって。花は人間の進む道の手本を見せてくれているんだって。だから、人間だけで栄えていこうという人には、花の美しさは、わからないんだって。ね、三郎さん、いい話だと思わない?」
p62
ここで語られるゲートック医師の悲しい過去。
友人を、自分がちょっとした皮肉を込めて発した言葉で、死なせてしまった悔恨。嵐の波間に浮かぶのは石かオットセイかとの言い争い。
「そのとき、わしは、なんと冷笑的な目つきをしていただろう。この目つきばかりは、いまでもゆるすことができない。当然、クーツは、わしをあざわらうために、海にむかって、とびこんでいった。やつが灰色のものに近づいたとき、灰色のものは、目だって、はっきりと動いた。そして、白い波がかぶさり、わしは友だちを失ってしまった。
口はわざわいのもと、とはよくいったものだ。しゃべる必要のないことを、しゃべってはならない。これが、医学士ゲートックの、きみたちへの忠告だ。」
……本当に……。
キザルのワーガスも登場! 『七つの森』で、ただ泥棒として出てきたワーガス、こんなに大泥棒だったのねえ。
この本のあとがきを読んだときに、お手紙書こうと思って、書きたいと思って、そのままにしてしまったんだよねえ……
後悔しないように、と、今なるべく思って、いいたいこと伝えたいことを伝えるようにしているけれど、それで失敗して後悔することもまだまだ多い。そのやり方も学んでいる途中。
福永さんは、ライオンが私が子にやさしい表情を向けていること。車内の赤ちゃんに、大勢の乗客がやさしい眼差しを向けていることから、
「これからおまえが生きていくうえで、いちばんたいせつなのは、こういうやさしさなんだよ」
と教えているのではないかとさとる。
そうでなければ、ライオンは厳しいだけで強さを伝える筈だからと。
「どんな猛獣も、まず、やさしさから教える。それは、やさしくなければ、種として生き残れないからである。子どもを産んで育てる、という行為は、やさしさがなければ不可能なのだから」
「童話は、人生のいちばん最初の読み物である。生きるうえで、いちばんたいせつなもの、やさしさ、それを書けばいいのだ」
「だから、わたしは、ダマーニナにもやさしくするつもりである。かといって、それは、彼女の運命を過酷にしないという意味ではない。まゆみも、ダマーニナも、神が課している、それぞれの道をつき進んでいかなければならない。それが真剣に生きるという事だから。」 -
ダマーニナ(悪女)始動。思惑がどんどんからみあって徐々に複雑になってきました。幸せいっぱい夢いっぱい、なお話じゃなかったんだなあと改めて納得。まゆみちゃん頑張って。でもダマーニナも可愛いです。
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「月のたまご」を助けた三郎は、地底をさすらううちに、かつて「月のたまご」の乳母だったダマーニナに会った。火山の爆発でクレヨン王国へ生還できた三郎のまゆみを思う愛の強さが、まゆみを王国へ呼びもどし、やっと再会した二人。だが、ダマーニナのにくしみの青い水を飲んだ三郎は、きゅうに苦しみはじめ、息もたえだえに・・・。医者を呼び、何とか助かった三郎の代わりに、白藤山の月の宮へ向かうまゆみだったが、そこでごせいもくさまと会おうとした矢先、何者かに連れ去られてしまう。
ようやくサードとまゆみが再会し一段落かと思いきや、今度はまゆみが危機にさらされます。ダマーニナに捕まったわけでもないし、ナルマニマニ博士からは逃げられたようですが、三郎の直観からして何が起こったの?!と気にせずにはいられません。続刊求む。博士はせっかく脱走できたのにダガーに捕まってしまって心配。早く無事に帰還できるといいなぁ。アラスト組はサードとまゆみを気遣ったり、彼らなりにやれることをやろうとしてる姿がちょっと大人になったなと感じます。月のたまご探検隊の活躍が楽しみ。早く四人そろうといいね。 -
0605
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2008/05/06読破。
まゆみとサードの恋って多分、なんか忘れてたものを思い出すから好きなんだと思う。 -
この辺り記憶にある!読んだんだな〜。それにしても、一体どうなる事やら、収束の雰囲気が全くない(笑)三郎とまゆみは離れたままだし、どうなる事やら・・・早く次次!!
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無事再会できたまゆみと三郎。再会の喜びもつかの間、三郎に異変が・・。