クレヨン王国 ロペとキャベツの物語 (講談社青い鳥文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061484139

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  • ロペとキャベツの物語、
    赤いぼうしの2作品収録。

    ロペがうさぎの大好物であるはずのキャベツが嫌いだが、好物のくず草は冬に手に入らないので年中手に入るキャベツをどうにか食べさせたい飼い主(和尚ら)。
    夢の世界で旅をしながら、赤い目をした可愛い兎と出会い、美味しいキャベツをすすめられて食べるが、あまりキャベツは好きでは無いのだなと勘づかれて気まずい雰囲気になり、こんなことなら和尚さんから貰ったキャベツを食べなれておくのだったと後悔するロペ。そしてキャベツを食べるようになる、という話。

    後半の赤いぼうしは、公園に落ちていた赤いぼうしの持ち主を探す話だが、こちらの方が好みだった。

    「うちのばあちゃんなんか、いやになる。毎日、浣腸してお通じがどうのって話ばかりさ。きいてると、食べるのは、うまく出すためで、出すのは食べるためみたい。ただ、生きるために生きるという生活さ。最低の生き方だよ。生きているあいだぐらい、ここのおばあちゃんみたいに、若々しくゆめをもってほしいよ、欲をはってね。」p248
    欲深く、1人でいるのが1番良いという考えで一人暮らししているコンばば。
    赤いぼうしの持ち主を巡り、チーやカーらと過ごし、最終的にお礼にチーやカーはビー玉、コンばばは肉まんじゅうを貰う。
    肉まんじゅうは2個あり、お地蔵さんによるとそこからさらにご利益が得られるというものの、こんな正月は初めてだ、と心が暖かくなって2つとも食べてしまうコンばば、という終わり方がほっこり。


    ゆたかな暮らしは 金しだい
    たのしいゆめも 金しだい
    ちみつな計画 休まぬ努力で
    勝ちとれ えんぴつ 巨万の富をp114

  • あのかわいくもかっこよかったロペが、本当はこんなやんちゃな子うさぎだったんだよ、というお話。
    残念ながら、このときの挿絵のロペはあまり好みでない。もうちょっと別の時期の絵がいいなあ。三木さんの絵は結構変わるから(笑)

    同時収録の「赤いぼうしのクレヨン王国」で、コンばあが、ドケチでお金を貯めるのが大好きで、その肉まんでわらしべ長者を狙ってたコンばあが、
    「お正月じゃもん、お正月じゃもん」
    と、温かい肉まんを涙ながらに食べるシーン。記憶には残っていたんだけど、どの話だろうと思っていたら、これだった。
    心の暖かさがしみたんだよねえ。

  • なぜか2冊だけ、緑色でひとまわり大きなサイズの文庫をもっています。

著者プロフィール

名古屋市生まれ。早稲田大学文学部国文科卒業後文筆活動に入る。1956年 オール読み物新人賞受賞。1963年 モービル児童文学賞受賞。1964年 『クレヨン王国の十二か月』で第5回講談社児童文学新人賞受賞。1968年から1988年まで、自然に親しむ心をもった児童を育てる目的で学習塾を開く。
2012年逝去。主な著書に『クレヨン王国』シリーズ47タイトル、『静かに冬の物語』(以上すべて講談社刊)などがある。2012年逝去。

「2016年 『クレヨン王国黒の銀行(新装版) クレヨン王国ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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