アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)

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著者 : 高橋和夫
  • 講談社 (1992年1月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061490857

アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • ややこしそうであえて避けていたテーマだが、とても好きな高橋和夫が書いている、ということで手を出してみた。古い新書ではあるが、パレスチナ問題の源は時間が経って変わるものではない。
    ユーモアのきいた最初の一行目で肩をポンと押されたように読み始めた。

    ユダヤ人というとナチスの犠牲者というイメージが強く、弱者を見る目でとらえがちだが、パレスチナをはじめ、アラブ、アメリカ、ソ連を相手にけっこうすごいことをしてきている。
    国防力が半端でないのは、ナチスの過去だけを理由にするようなものではない。アメリカに移住したユダヤ人もお手上げの目に余る行為が目立つようになる。
    パレスチナをとりまく中東では敵と味方が入れ替わり立ち代り、様々な問題が交差しまくっており、一度読んだくらいで理解できるような状況でない。

    わかりやすいながらもその情報の多さに全部頭に入らない。
    近くに置いて何度も手に取りたい一冊。

  • 1992年出版のパレスチナ問題を扱った本。
    まだ2000年前なんで時事的な内容に関しては少し足りないです。

    ただそれ以前の事柄では中々面白いです。
    特にユダヤ人の流入などで図表を扱っているので
    参考資料としては助かります。

    最後に「索引」がついているのもGood

  • 私は中東問題についてほとんど無知に等しかったので、入門書的なものをイメージして読んだのだが、入門書という感じではなく内容が頭に入ってこないところは確かにあった。

    ただ、分かりやすくは書いてあるので、中東問題を理解する上で自分に足りない知識はなんなのかということが理解できた点は収穫であった。

  • 湾岸戦争直後までぐらいの中東情勢についての話であることから、今の中東問題(「イスラム国」によるテロ行為なども含めて)の構図を理解するための歴史的背景として、あるいはその入門書として読みやすかった。
    シリアの複雑かつ微妙な立場、経緯も知ることができたことで、今の状況の淵源を見られた・・・という感じがする。
    しかし、イギリスもフランスもアメリカも、欧米諸国のご都合主義にはいささか呆れるというか憤りも感じる。
    テロ行為は確かに卑劣ではあるが、欧米諸国はシャーシャーと「テロは許せない」などといかにもわれに正義有り的なことを言えるようなぁーと思う。

  • (2015.02.19読了)(2005.04.02購入)
    副題「パレスチナ問題の構図」
    過激派組織IS(イスラミック・ステート)についてのテレビ解説者として、この本の著者が出ていたので、この際読んでしまおうかと、手に取りました。
    もちろん、この本は、ISとは関係がありません。
    イスラエルが成立することによって、難民となったパレスチナの人々と、イスラエルの周辺諸国の国々がイスラエルとどう対峙してきたかということを記した本です。
    この本は、1997年に改訂を行った版とのことです。現在販売されている版は、11章が追加されているようです。この本より20頁ほど増えています。
    ヨーロッパにおいては、キリスト教徒にとっては、ユダヤ人はキリストを売り渡したものということで、嫌われているけれども、キリスト教徒のやりたがらない金融業を営んで生き延びてきました。スペインにおいては、1492年にイスラム教徒をアフリカに追い出すとともに、ユダヤ人も追い出したために、経済運営に必要な金融業を営む人がいなくなり、スペインは没落したという主張は、興味深く読みました。
    ソ連の崩壊後、ロシアから出国するユダヤ人が多数おり、そのうちの多くがアメリカに渡り、イスラエルに行くのはあまり多くなかった。イスラエルは、軍事費を多く必要とするため、税金が高く危険な国という認識があるため、とのことです。
    イスラエルは、アメリカからの援助で、軍事費の多くを賄っており、アメリカの援助がなければ、国の財政を維持できないということです。
    ユダヤ人にとって、イスラエルは神に与えられた土地ということで、この地に住むことの正当性を主張していますが、ユダヤ教徒の多くがアメリカに住んでいるというのは、イスラエルの正当性が、崩れてしまうのではないでしょうか。
    アメリカに住むのは、神に背く行為なのではないでしょうか?

    【目次】
    まえがき
    1 パレスチナへ―ユダヤ人国家イスラエルの成立
    2 米ソの中東進出とスエズ危機
    3 イスラエルの軍事力
    4 パレスチナ解放運動の変遷
    5 第四次中東戦争と石油危機
    6 イスラエル社会の変貌
    7 レバノン戦争の構図
    8 ペレストロイカの影
    9 インティファーダ―占領下の民衆蜂起
    10 湾岸戦争とパレスチナ問題―さまざまな「リンケージ」
    (11 中東和平国際会議のゆくえ)
    索引

    ●金融業(20頁)
    中世以来ユダヤ教徒は、キリストを裏切った者の子孫として嫌悪され、蔑視され、そして必要とされていた。なぜならば金貸し業に対する宗教的アレルギーがキリスト教徒には強く、キリスト教徒は金融業に従事しなかったからである。
    ●パレスチナへ(23頁)
    東ヨーロッパでは「ポグロム」と呼ばれる激しいユダヤ人迫害の波が起った。「屋根の上のヴァイオリン弾き」というミュージカルの時代背景であった。そのため、この地からのユダヤ人の聖地パレスチナへの移民が十九世紀の末には始まっている。その子孫は現在のイスラエル国民となっている。
    しかし圧倒的に多くのユダヤ人は移住先として、じつはアメリカを選んだ。十九世紀後半から1941年までに四百万人のユダヤ人が東ヨーロッパからアメリカに移住している。
    ●底辺(120頁)
    イスラエルという家の一階には誰が住んでいるのだろう。それはイスラエルのアラブ市民であり、占領地のパレスチナ人である。イスラエルの成立時に多くのパレスチナ人が難民となった。だがパレスチナ人の中には故郷に踏みとどまった者も少なくなかった。その結果現在七十万人のアラブ人がイスラエルにおいて市民として生活している。イスラエルの総人口の二割弱にあたる数字であっる。また占領地にも百七十万のパレスチナ人が生活している。彼らアラブ人がイスラエル社会の最底辺に位置している。
    ●1982年6月(136頁)
    シリアがレバノンに配置した十九の地対空ミサイル基地は、オトリの無人機を撃墜しただけで戦場から姿を消した。イスラエル空軍には一機の損失もなかった。
    また空中戦を挑んだシリア空軍も八十二機を撃墜されて惨敗した。イスラエル空軍の損失はまたしてもゼロであった。撃墜比率八十二対ゼロというのは世界の空戦史上の記録であった。
    ●パレスチナ人(146頁)
    パレスチナ人は、国を持たず、アラブ世界でも常に差別されてきた。
    パレスチナ人は、国による保護を得られないため、個人の努力、そしてパレスチナ人同士の団結によって人生を切り開いてきた。ある国から追放されるようなことがあっても、命ある限り決して奪われることのないものに投資してきた。つまり教育にであった。パレスチナ人の勉強熱心はアラブ社会では際立っている。パレスチナ人は、医者であり、作家であり、画家であり、弁護士であり、大学教員であり、ジャーナリストであり、研究者である。

    ☆関連図書(既読)
    ●パレスチナ
    「ユダヤ人」村松剛著、中公新書、1963.12.18
    「離散するユダヤ人」小岸昭著、岩波新書、1997.02.20
    「内側から見たイスラエル」笈川博一著、時事通信社、1994.09.01
    「パレスチナ」笹川正博著、朝日選書、1974.09.20
    「パレスチナ」並河萬里著、新人物往来社、1974.09.15
    「サラーム 平和を!」三留理男著、集英社、1984.03.30
    「パレスチナ」広河隆一著、岩波新書、1987.08.20
    「パレスチナ合意」芝生瑞和著、岩波ブックレット、1993.11.29
    「パレスチナ 瓦礫の中のこどもたち」広河隆一著、徳間文庫、2001.02.15
    「まんがパレスチナ問題」山井教雄著、講談社現代新書、2005.01.20
    「ガザ通信」サイード・アブデルワーヘド著・岡真理訳、青土社、2009.04.10
    ●中東紛争
    「中近東」甲斐静馬著、岩波新書、1957.09.17
    「中東現代史」岩永博著、紀伊國屋新書、1971.09.30
    「声の狩人」開高健著、同時代ライブラリー、1991.01.14
    「最近中東事情」丸山徹著、丸善ライブラリー、1994.04.20
    「中東現代史」藤村信著、岩波新書、1997.07.22
    (2015年2月24日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    宿命の地=カナン(パレスチナ)を舞台にくり返された、長く根深い歴史。流血の抗争はなぜ起こったのか?宗教や民族紛争、石油資源をめぐる思惑、難民問題など、複雑にもつれた中東問題を、国際政治のダイナミズムの中に位置づけ、解明する。

  • イスラエルとアラブそして欧米が第二次世界対戦から1991年くらいまで、どのような過程を経ながら中東をよくも悪くも創ってきたかをわかりやくく解説してある。私は湾岸戦争もタイムリーに見てたわけではなく、現在の中東における混沌具合の経緯をよくわからない身としたらとても理解が深まるないような内容であった。

  • 安全保障が国家の最優先事項となっているのにもかかわらず、イスラエルの政治が民主制を維持しているのは評価される。軍の力が大きくなりすぎず、結局は民主主義が窒息死するという第三世界にお決まりのパターンは、イスラエルでは起こっていない。その面ではイスラエルは「武装国家」ではあるが、「軍事独裁国家」ではない。いわば「民主的兵営国家」(democratic garrison state)というわけだ。p77

  • 十九世紀から第一次湾岸戦争後(1992年段階の最新動向)までがコンパクトにまとまっている。アメリカとイスラエルの関係とか。クライマックスっぽい扱いは父ブッシュのイスラエル・ロビーに対する勝利。知らなかったのでビックリ。

  • 『まんがパレスチナ問題』に続いて中東解説本。
    先に上記を読んでからという流れが良かったと思う。
    スラスラ頭に入ってきて、より肉付けされた気がする。
    著者が前書きで書いているが、できるだけ客観的に書こうとしている姿勢が伺える。

  • 歴史が物語としてよくまとまっている。再読したい。

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宿命の地=カナン(パレスチナ)を舞台にくり返された、長く根深い歴史。流血の抗争はなぜ起こったのか?宗教や民族紛争、石油資源をめぐる思惑、難民問題など、複雑にもつれた中東問題を、国際政治のダイナミズムの中に位置づけ、解明する。

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