イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)

  • 469人登録
  • 3.72評価
    • (36)
    • (50)
    • (67)
    • (4)
    • (2)
  • 41レビュー
著者 : 小杉泰
  • 講談社 (1994年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492103

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島 由紀夫
マックス ウェー...
ヴィクトール・E...
J・モーティマー...
有効な右矢印 無効な右矢印

イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • イスラームの歴史を初心者にも分かるように、平易に書かれた入門書。ユダヤ教キリスト教との対比もされていて、また中立的に書かれているので、すごく分かりやすい。イスラームは他の一神教と違って、法学、政治と一体になっているので、権力が保たれている状態なら良いのだが、そうでなくなった場合は非常に厄介だと感じた。確かに現在、ムスリムにとっては危機的な状況かも知れないが、過激な解決法は避けてもらいたいものだ。歴史を見ても、イスラームは帝国を作るための法秩序を述べたものであって、我々が普通思い浮かべる宗教とは違う。なぜ宗教のためのに殺しあうのか、やっぱりこれを読んでも理解できなかった。我々が平和ボケしているだけなのか?

  • 今年の中東アラブ諸国の民衆による革命の動きは驚くべきものがあるが、その一端を理解するのに欠かせないのがイスラムという考え方だろう。
    イスラムに関しては、観光でモスクに行ったり、美しいアラベスクに魅せられたり、コーランの音色に不思議なものを感じたり、といったことはあるけれど、正直あまりよくわかっていないので興味を持って読んでみた。
    成り立ち・歴史、教義、社会との関係、現代社会とイスラム、など一通り網羅されており、かつわかりやすい。
    ちなみに、教えの名前自体が「イスラム」と規定されているので、「イスラム教」という呼び方はあまり正しくないらしい。

    イスラムは教義にも特徴があるけれども、一番特筆すべきは、イスラムは狭義の宗教としてだけでなく、政治や経済を含む社会の様々な活動のルールを規定している、という点だろう。
    他の宗教では、宗教は宗教、社会システムは社会システムで別のもの、という感があるけれど、イスラムが宗教であり法であり社会システムである。
    いままでは、そこがよく分かっていなかったので理解できなかった部分が多かったのではないかと思う。

    また、コーランは神の啓示なので絶対だが、その解釈には柔軟性を持たせているというのも少し以外だった。
    原理主義的なイスラムが大きく取り上げられがちだが、時代に対応したコーランの解釈というのも続けられているようだ。

  • 序 「イスラーム」の発見へ
    第一章 新しい宗教の誕生
    第二章 啓典と教義
    第三章 共同体と社会生活
    第四章 第二の啓典ハディース
    第五章 知識の担い手たちと国家
    第六章 神を求める二つの道
    第七章 スンナ派とシーア派
    第八章 黄金期のイスラーム世界
    第九章 現代世界とイスラーム

  • 1994年刊行。

     かなり前の書籍であるが、単なる通史的な叙述をせず、テーマ的な叙述がなされる。
     具体的には、クルアラーン、ハーディスの意味合いや成立、ムハンマドによるイスラム教成立から正統カリフ、ウマイヤ朝、アッバース朝の栄枯盛衰過程、シオニズム運動・イスラエル建国に対するイスラムの立場、カリフ制崩壊後、現代におけるイスラムにおける制度の模索等である。
     事件の時系列的な羅列でなく、登場人物の息遣いを感じられる内容なので、高校生がイスラム史・中東史を学ぶ際の背景的な知識となり、無味乾燥な記憶作業の一助となる書といえそう。

  • イスラームの問題を理解するには、基礎知識をと思って、1年間積読。やっと読了。
    学生の頃、イスラーム法の授業も取ったけど、すっかり忘れちまっていたし。
    これも20年以上前に書かれた本なので、いまを理解するには、他のソースで情報を補わないといけないけど、宗教であり、社会であり、文化であるイスラームっていうのをわかっていないと、ボタンの掛け違いっていうのは続くんだろうな。

  • イスラーム入門として最適の書です。歴史、思想、慣習、政治等々、広い範囲にわたる基本的な知識をあまねく得ることができます。
    特筆したいのは文章の美しさ。初心者には馴染みの薄い内容も、するすると頭に入ってくるのはこのせいでしょう。

  • 面白かった。読みやすく万遍なく、イスラームの始まりから現代まで書かれた入門書。

  • 20年前の本だけど、そもそものはじめから書いてあるからそんなのは誤差というか、却って示唆に富んでるなと思った。下手に現状を踏まえて書いてあるのに比べてみても、実に今を理解しやすい。ISも、これまでの歴史の中でたびたび起きたイスラム復興運動に、現代兵器と通信・コミュニケーションツールがくっついただけなのかも知れない(もちろんそうではなくまるきりの異端児なのかもしれないけど)。しっかりした深い学識を持った歴史的視野って本当に貴重だな。名著。

  • 【メモ】
    ・出版社PR
    “クルアーンが語る、神と使徒と共同体の根本原理と、その実践。イスラーム理解が拓く、世界への新たなる視点。”

    【目次】
    序  「イスラーム」の発見へ 008

    第1章 新しい宗教の誕生 013
    1.1 イスラーム登場の衝撃
    1.2 イスラーム以前のアラビア半島
    1.3 無明時代
    1.4 ムハンマドの誕生
    1.5 ハーシム家の保護
    1.6 ムハンマドの家庭生活
    1.7 掲示の始まり
    1.8 預言者としての召命
    1.9 掲示の現象をどう考えるか
    1.10 マッカ期の布教
    1.11 移住の決断
    1.12 イスラーム国家の成立
    1.13 マディーナ憲章
    1.14 軍事的な対立
    1.15 最初の戦役
    1.16 続く戦役
    1.17 アラビア半島の統一

    第2章 啓典と教義 047
    2.1 自然の象徴
    2.2 詩人への挑戦
    2.3 言葉の魔力
    2.4 クルアーンの構成
    2.5 啓示の下り方
    2.6 聖典の確定
    2.7 クルアーンの構造
    2.8 イスラームの根本原理
    2.9 諸予言者たち
    2.10 天と地の間で
    2.11 宗教共同体
    2.12 垂直軸と水平軸
    2.13 五行
    2.14 カーバ正殿
    2.15 神と人間をつなぐもの
    2.16 六信
    2.17 使徒の役割

    第3章 共同体と社会生活 087
    3.1 イスラームの町並
    3.2 預言者のモスク
    3.3 アザーンの始まり
    3.4 礼拝の方角
    3.5 アカバの誓い
    3.6 社会革命
    3.7 ムハンマドの妻たち
    3.8 結婚制度について
    3.9 ムハンマドの死
    3.10 リッダ戦争
    3.11 正統カリフの治世
    3.12 マディーナ時代の終わり

    第4章 第二の啓典ハディース 117
    4.1 学者の対決
    4.2 ハディースの重要性
    4.3 偽造の背景
    4.4 ムハッディスの反撃
    4.5 伝承者の人物調査
    4.6 「七教友」
    4.7 大学者の時代
    4.8 「真正集」のハディース
    4.9 暗記の文化
    4.10 ハディースの総数

    第5章 知識の担い手たちと国家 145
    5.1 教会組織のないイスラーム
    5.2 「知識を持つ人」
    5.3 教友の中のウラマー
    5.4 ウンマ(共同体)の力
    5.5 共同体の合意(イジュマー)
    5.6 「類推」解釈と「一般規定」解釈
    5.7 法学派の始まり
    5.8 四台学派の祖たち
    5.9 私人としてのウラマー
    5.10 大法官アブー・ユースフ
    5.11 剣の人、筆の人、職の人
    5.12 法学派の役割

    第6章 神を求める二つの道 177
    6.1 「宗教」について
    6.2 神学者たち
    6.3 ヘレニズム的な正義論
    6.4 アシュアリーの登場
    6.5 中興の祖
    6.6 ガザーリーの悟り
    6.7 神を求める道
    6.8 現世的傾向への反発
    6.9 神秘家たちの系譜
    6.10 教団組織の発達
    6.11 伝統的イスラームの形
    6.12 ブハラの情景から

    第7章 スンナ派とシーア派 207
    7.1 分派と指導者
    7.2 ムハンマドの後継者たち
    7.3 「立ち去る者たち」ハワリージュ派
    7.4 アリーの党派
    7.5 カルバラーの悲劇
    7.6 シーア派の誕生
    7.7 アッバース朝の登場
    7.8 アッバース朝カリフの位置
    7.9 シーア派の主導権争い
    7.10 「正統派」スンナ派
    7.11 指導者原理と平等主義
    7.12 シーア派のイマーム論
    7.13 歴史と真理の関係
    7.14 隠れたイマーム
    7.15 その後のシーア派

    第8章 黄金期のイスラーム世... 続きを読む

  • 借りたもの。
    初心者がイスラームを知るための入門書として、歴史から紐解いている。
    同じセム系一神教であるユダヤ教、キリスト教との違い、相互の認識についても簡潔に書かれ、分かりやすい。そして読み応えがある。
    読み進めると、イスラームは宗教でありながら現実主義で、教養溢れるものだった。

    当初口承であったというコーランに、正しく継承されているか疑念があった。しかしアラビア語が音の言語(表音文字)であり、耳と口で安定して伝わる文化であるという指摘は、目から鱗だった。

    イスラーム原理主義の過激派によるテロリズムの影響で、排他的な一神教のイメージを強く持ってしまっていた。この本を読むと、かつてイスラームの国家には法律にも他の宗教を認め、共存する共同体精神があったようだ。
    それを読むと現在のテロに一層の嫌悪感と、共存への希望を抱く。

  • イスラームとは何かが詰まりに詰まってて結構疲れるのでゆっくり読みました。イスラームについて私は超初心者ですがそれでもすごくわかりやすかった。

  • イスラームとはなにか。それがコンパクトにまとまっている一冊。なぜイスラム過激派が出るのか?イスラーム圏を旅行した人が言う、その旅行者への一般の人からの優しさはどこから来るのか?わかるとおもう。

    本書ではイスラムの成り立ちから、現在の問題点まで書いており、新聞やTVニュースではわからないイスラームの側面を深く掘り下げた上で、知ることができる。

    イスラーム=テロという間違った視点を捨てることができた上に、ユダヤ教から続く一神教という新しい視点を得られて、良い本だった。

    また、イスラームを知ることで日本の宗教性を自覚することもできた。読了後しばらく日本の神社の鳥居が異質なものに見えた。比較することは重要であると認識。

  • イスラームの成立から現代に至るまでを生き生きと描いて感動すら覚えさせる書

    [配架場所]2F展示 [請求記号]080/K-4 [資料番号]2001100713

  • 911前だが、非常に基本的な知識が得られる。実は大学の講義のテクストで買ったものだが、当時よりもずっと興味深く読める。

  • イスラームについて成り立ちや、現代(といっても書かれたのは20年前ですが)までの歴史的な経緯など、かなり詳しく深い内容が、コンパクトに平易に書かれています。データを並べるだけの本と違い、印象的なエピソードが挟まれていてとても読みやすかったです。

  • やや総花的で読みにくい印象。テーマを絞り込まずに、新書で語ろうとするのはさすがに無理があるか。初期の歴史を辿るには良い本だと思います。

  • 世界史でならった王朝名とか人名以外、まったく知らない世界だっただけに、「発見」が多くおもしろかった。
    日本から見て、イスラームとは、ちょうど地球の反対側にある文明。

    読みやすい文章と読み進めやすい構成で、ラクして勉強になった。
    とくに、イスラーム登場以前のアラビア半島では武力以外に「詩の戦い」が部族抗争の手段になっていた、というのがおもしろく感じた。
    そういった土壌があって、クルアーン(コーラン)の美しい「言葉」がイスラーム勢力の急速な拡大につながった、というのもおもしろい。

  • メジャーな宗教の中身に一度は触れてみたいなーと思い
    聖書を読んだり仏教関連の本を読んでみたりしていたけど、
    イスラム史的な本はとっつきにくく思っていたら、
    この本を薦めてもらった。良書でした。ありがたや。

    政教一元的な世界観、同胞同士の水平軸と神への垂直軸。
    クルアーン(コーラン)のほかハディースと呼ばれる
    おびただしい数の「第二の教典」、詠み上げる文化。
    ユダヤ教、キリスト教から続くセム系一神教の系譜。
    初めて知る視点がたくさんあって面白かった。
    熱いのに客観的な視点とたまにあるユーモアがよかった。

    「後世の学者たちは何か難解な議論に出会うと『アシュアリー派の
    運命獲得論のように難しいですなぁ』と冗談を交わした、という。」
    というくだりには、それ言ってみたーい!と思ってしまった。

  • 副題にあるとおり、イスラームの宗教・社会・文化について概説的に、かつ、現代にまでつながる根幹を理解するのにとても役に立った。イスラームが当初から国家と宗教が一体化されたものであったことからくる現代の混迷、混乱に対し、著書はあとがきで、クルアーン解釈の革新の必要性を説く。おそらくイスラーム社会内部からの必要性は必須と思えるが、同時に非イスラーム社会のイスラーム理解とそれらの共存がこれからの課題であろう。285ページにあるエルサレム旧市街のかつての他宗教の共存した姿はいつになったら復活するのだろうと考えさせられる。

  • 新聞を読んだり、世界情勢について調べたりしているときに、必ず絡んでくるのが宗教問題。

    日本人には馴染みがないかもしれないけれど、外国では宗教が思考・行動に大きく影響する。

    宗教について一通り学ぼうということで。

    ・スペインのユダヤ人(専門のスペイン史とユダヤ人の迫害の歴史)
    ・一神教の誕生(ユダヤキリストイスラムという一神教について)
    ・ふしぎなキリスト教(対談形式でわかりやすい)

    と来て、次に読んだのがこの本

    あとは、ユダヤ教の大枠、仏教、日本人の無宗教について学ぼうかな

  • 「イスラームとは何か」
    まさにタイトル通りで、私のような無学の徒でも「イスラームとは何か」を概覧できるようになっている。
    著者は細君と共にアラビアの勉強をしてきたらしく。
    巻末で細君への感謝の弁を述べているのが印象深かった。

    cf.
    http://booklog.jp/item/1/4005004415
    http://booklog.jp/item/1/4061488341

  • 学校の授業の参考図書。
    イスラームについてほとんど知識がない状態で読みましたが、そんな初心者にも分かりやすく、為になりました。
    何故イスラームは一夫多妻制があるのか?という疑問も歴史を理解して納得。(納得って書き方はおかしいか笑)
    またテスト前とかに情報を整理する為にも読みたいです。

  • 『イスラームとは何か―その宗教・社会・文化』(小杉泰、1994年、講談社現代新書)

    本書は、イスラーム(イスラム教)の成立の歴史から、社会的影響、国家への影響、現代におけるイスラームという多観点からイスラームを分析した書である。成立の歴史はわかりやすいと思われるが、その教義(とくにスンナ派とシーア派)等の理解は本書では難しいのではないかと思う。体系的に良くまとめられている本ではないので、項目ごとの理解が難しいかもしれない。

    (2010年6月3日 大学院生)

  • 大学の授業で扱った本。イスラームについての知識がゼロからでも、その誕生や制度を理解できるように、とても分かりやすく書かれている良書だと思う。
    でも章毎にレポート書かされたから良い思い出がない。

全41件中 1 - 25件を表示

イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)はこんな本です

ツイートする