武士道とエロス (講談社現代新書)

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著者 : 氏家幹人
  • 講談社 (1995年2月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492394

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武士道とエロス (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • 男色=硬派
    女色=軟派
    ・・・そうだったんだ

  • 戦国時代から明治までの武士の同性愛の歴史。

    同性愛というのは決して歴史の浅いものではない。戦国時代から江戸中期にかけて、その後しばらくは下火になるも、江戸末期から明治にかけて再び流行し、大正時代には廃れていった。忠義や義兄弟という言葉に隠れて男色は確かに武家社会の中に習慣として存在したことがこの本を読めばよく分かる。しかもそこには結婚や元服など、様々な要素が関係している。
    どうもこういったことは日本独自のものらしい。これはとても興味深いことだ。

    性からはその社会がよく見える。

  • 明日をも知れぬ戦国の世で、共に命を賭けて戦う男たちの「絆」としての男色。
    尻を開いてこそ心も開くという訳ですね。
    うむ、奥深い…

  • 興味があって読んだとはいえ、男色の盛んな描写に若干引いたほどには中近世武士社会は異世界だなあと。

  • 腐れ歴史オタクの私としては美味しいネタがたっぷり詰まった素敵な本。
    戦や死、忠義といったものと混ざり合う事によって、現代からは想像もつかないほどに濃密な「愛」が、男性間に存在していた事が分かる。
    一度読んだら歴史小説もドラマも、穿った見方をしてしまう事間違いない。

    戦国~明治頃の各時代の男色文化の変遷を追いかけていると、次第にその「背景」が透けて見えてくるのも興味深い。
    武断政治から文治政治への移り変わりと、武士に求められる役割の変化、そして衆道の衰退。
    丁寧に読み進めていくと、「男色」という枠を超えた、文化や歴史のうねりが感じられる。

    様々な史料や文献から例が引かれているが、どれも丁寧に解説がされており、分かりやすい。
    語り口もテンポが良く、さっくりと読める一冊。

  • ところどころ、話が脱線するきらいはあるものの。
    なかなかセンセーショナルな題名にも関わらず、内容は至って真面目であった。
    男同士の友情を超えた愛情。
    それが、安定を望む江戸幕府転覆の起爆剤になることを恐れたお偉いさんが、意図的にその風習を信じた……という感じで合っているだろうか?

  • 今でこそ盛んなBL文化は遥か昔からの伝統なのだと思い知らされる。
    なかなか興味深い1冊だった。

  • ホモ。いや、男色。衆道の話。
    戦国期から江戸初期にかけての、義兄弟、男性同性愛について。
    真面目な学術書。

    こういった歴史背景を仔細に見ると、これまで学生時分に学んだ日本の歴史観もやや変わるな。

    今日日、兄弟の契りなんて単語は任侠界でしか聞けないように思うが、その成り立ちを知ると、使い方に気を付けなければなんて思ったり。

    しかしながら、この男色文化が、戦国期の武士道に大きく関わっていたことは驚き。

    奥深い学問だな。

    俺は女のが好きだけども。

  • 江戸の衆道なくして現代の女性像なし説に衝撃を受けた。

  • すごい面白い(笑)。久々に一気に読めた本でした。いわば男同士の恋”衆道”の歴史をみるもの。といっても時代は戦国末期~明治、とりわけ江戸前期がメイン。私は新しい発見がいろいろあって非常に面白かったんですが、この道をかじった人には物足りないらしい。まぁ、一般向けの入門書、といったところです。

  •  時代劇が好きな婦女子の方々に、ぜひ読んでほしい。
     煽り文句が凄い。

    「男同士の恋こそ武士道の華!」

     木下藤吉郎が主君である織田信長の草履を懐に入れて温めるエピソード「あたたかい草履」を読んだ人の感想は、以下の四つに分類されると思う。

    ①微笑ましい
    ②ふーん
    ③気持ち悪い
    ④萌え

     ④の人は即買いだ。日本の男色文化史を解説したこの本を読まずして、腐女子を自認するなかれ!

  • 何年も前から気になっていた本。ようやく読めた。
    江戸時代(たまに明治時代、もしくは戦国時代)の男色の流行、義兄弟の契りなど男性同士の性愛関係を分かりやすく解説。特に強調されていたのは江戸前期まで、男色は女色と並列の単なる性愛行為としてみなされていたということ。それが社会風俗の変化に大きく影響を受けて、人々の男色の捉え方も変化していく。
    江戸時代の文献が至るところに引用されており、非常に説得力があった。しかし、この本に(意図的にかもしれないが)大きく欠如しているのは女性の存在について。男同士の絆を追うばかり、どの時代にも必ず存在していた女性を失念していたような気がする。硬派の流行、男色の流行もミニソジーの裏返しということをきちんと書くべきではなかったのだろうか。この世に男と女しかいない以上、男同士の絆には当時の女性のあり方も密接に関わっており、それなくしては語れないのではないか、と感じてしまった。

  • 日本の男色のエピソードは他の本でも触れたりはするが、それを専門的に扱っている本書は非常に貴重であり、中世に新しい光を注ぎ込んだと思う。
    現代人からすると、非常に判りにくい男色の世界を丁寧に解説。
    男同士の青春時代のきらめきから、バイセクシャルともとれるバランスのとれた性生活など、その幅広さを読むにつけ、昔の日本人は今より自由だったなと感心。
    男同士のほのかな想いから、湧き上がってくる性欲まで、人によっていろいろだろうけど、そんな男同士のロマンスもシーンとして知りたいと思いました。
    男同士のドラマをストーリー的にもっと解説してくれたら、もっと面白かったのだけどな・・・。
    非常に勉強になりました!

  • 内容は衆道の紹介、といった感じ。
    時代は江戸時代初期のものの紹介が多い。
    武士たちにとっては、男色は、深い同志的連帯を結ぶための面があったのね。または、集団としての教育的側面もあったらしい。

    色々な資料や作品を引用・紹介しているので、
    読んでみたい本が増えてよかったです。

  • 戦国~江戸にかけての男色文化について、資料を挙げながら解説してくれてます。
    そうかあ、武家の男色文化が花盛りだったのは、江戸中期までだったんだね。
    武士にとって、武勇や男性性や男同士の絆が重要視されなくなると共に、男色も衰えたと。
    それと同時に度重なる改革によって、贅沢や風俗業が禁じられてったっていう理由もあるわけだわね。
    なるほど、縮小してしまうはずだ。

    BLが書けるならば、ぜひネタにしたいおもろい話が満載でしたw

  • 武士道と男色は切っても切れない関係だ。それを掘り下げた本書はかなり貴重。読みごたえありました。

  • 戦国時代から江戸(一部は明治・大正)時代にかけての、「男色」文化を詳述したもの。性的嗜好としての男色を超え、「子弟の教育」「連帯感や絆の醸成」といった役割を担った慣習・社会的制度としての役割を認めています。なかなか抵抗感はありますが、興味深い内容です。

    一方で紙幅の関係でしょうが、「なぜ男色が(近代において)否定的にみられるようになったか」についてはあまり触れられていませんでした。「支配階級である武士の官僚化」に始まり、「近代資本主義化の過程における個人の画一化要求」などに言及してはいますが、ひとつの文化が短期間で消滅してしまうのは、特定の価値観の強制による「抹殺」の意図があるように思います。

  • 江戸時代を中心に、中世から近世の男性同士の恋について書かれている。
    「女性と恋するくらいなら、むしろ同性と」という当時の男性たちの考え方に驚かされた。

  • 自分が借りた本と装丁が違うのですが、正直このオビはどうかと。

    戦国期~明治期あたりまで、いかに日本の武家文化で男色が一般的だったのかっていうことを、
    たくさんの例を用いて力説している本でした。

    なんつーか、

    ちょっと穿ちすぎじゃないのかと思わなくも無いんだけど、

    日本史を少しばかりかじっただけのやつに言えることではないかとも思います。

    なにより、作者さんのテンションの高さがいっそ微笑ましい気がするくらい、

    古文書の意訳とかがぶっ飛んでて読みやすかったです。

    個人的には明治の文豪たちがオープンすぎて面白かったし、

    卒論で扱った薩摩の郷中教育にはそういう見方もあるかと。

    いやでも、そういや藩主からの触れ書で稚児を巡る喧嘩は止めなさい的な条文は確かにあったな…苦笑

    しかし熊沢蕃山の言うように、

    男色だろーが女色だろーが、周囲に迷惑かけないならば好きにさせればいいじゃん、そっとしといてやろーぜ!

    としみじみ思いました。

  • ネタで買ったんですが結構面白かったです 序章には少し共感した

  • 氏家さんとは気が合いそうな、気が、してしまった。

  • 秋山さんの某書を読んでいて、衆道って実際のところ何なんだ?と疑問を持ったのが読書のきっかけ。

    タイトルは『武士道とエロス』なので、主に衆道とか義兄弟の契りとか、武士階級における男色の歴史だけれど、もう少し広く一般的に(男性の)同性愛の歴史について、様々な史料をいろいろ引き合いに出しながら分析している。江戸時代の初期までは男色はごく普通の性愛のひとつの形式でしかなく、特に異常なものともみなされてはいなかったようで、このあたりの性愛観の鷹揚さに吃驚した。それにしても薩摩とか土佐ってすごいところ……。

    ここで扱われている男色は基本的に少年愛が主なようで、なんとなく古代ギリシア的でもある。広く習俗の歴史と捉えて読むにも面白い。

  • 稚児さんと二才(ニセ)さんがいわゆる受け攻めを意味する‥‥薩摩藩があまりに始まっていて、なんだか‥‥感心してしまいました。関係を拒めば家におしかけて輪姦‥‥家族も助けないとか‥‥ありえない。女性はただの器だったんだな。女性蔑視のあまりにも然たる歴史に男色を納得。
    軟派が女色を好む、硬派が男色を好む明治時代の学習院も始まっている。ヰタ・セクスアリス読むよ鴎外先生‥‥。
    稚児たる元服前の前髪を排除・男らしさたるヒゲを排除したのも男色衰退に向かったのではという意見は面白い。

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武士道とエロス (講談社現代新書)の作品紹介

男どうしの恋の道、衆道は"武士道の華"。美少年の争奪、衆道敵討、義兄弟の契り。江戸の風俗大革命で喪われていく「性」の煌き。武士たちの愛と絆を通して日本男性史を書きかえる。

武士道とエロス (講談社現代新書)のKindle版

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