- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061492394
作品紹介・あらすじ
男どうしの恋の道、衆道は"武士道の華"。美少年の争奪、衆道敵討、義兄弟の契り。江戸の風俗大革命で喪われていく「性」の煌き。武士たちの愛と絆を通して日本男性史を書きかえる。
感想・レビュー・書評
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男どうしの恋の道、衆道は“武士道の華"。美少年の争奪、衆道敵討、義兄弟の契り。江戸の風俗大革命で喪われていく「性」の煌き。武士たちの愛と絆を通して日本男性史を書きかえる。
(1995年)
— 目次 —
第1章 忘れられた敵討
第2章 君と私
第3章 恋する男たち
第4章 義兄弟の契り
第5章 ヒゲと前髪
第6章 男振 -
第1章 忘れられた敵討
第2章 君と私
第3章 恋する男たち
第4章 義兄弟の契り
第5章 ヒゲと前髪
第6章 男振
著者:氏家幹人(1945-、福島県、日本史) -
超絶学問
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男色=硬派
女色=軟派
・・・そうだったんだ -
戦国時代から明治までの武士の同性愛の歴史。
同性愛というのは決して歴史の浅いものではない。戦国時代から江戸中期にかけて、その後しばらくは下火になるも、江戸末期から明治にかけて再び流行し、大正時代には廃れていった。忠義や義兄弟という言葉に隠れて男色は確かに武家社会の中に習慣として存在したことがこの本を読めばよく分かる。しかもそこには結婚や元服など、様々な要素が関係している。
どうもこういったことは日本独自のものらしい。これはとても興味深いことだ。
性からはその社会がよく見える。 -
明日をも知れぬ戦国の世で、共に命を賭けて戦う男たちの「絆」としての男色。
尻を開いてこそ心も開くという訳ですね。
うむ、奥深い… -
興味があって読んだとはいえ、男色の盛んな描写に若干引いたほどには中近世武士社会は異世界だなあと。
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腐れ歴史オタクの私としては美味しいネタがたっぷり詰まった素敵な本。
戦や死、忠義といったものと混ざり合う事によって、現代からは想像もつかないほどに濃密な「愛」が、男性間に存在していた事が分かる。
一度読んだら歴史小説もドラマも、穿った見方をしてしまう事間違いない。
戦国~明治頃の各時代の男色文化の変遷を追いかけていると、次第にその「背景」が透けて見えてくるのも興味深い。
武断政治から文治政治への移り変わりと、武士に求められる役割の変化、そして衆道の衰退。
丁寧に読み進めていくと、「男色」という枠を超えた、文化や歴史のうねりが感じられる。
様々な史料や文献から例が引かれているが、どれも丁寧に解説がされており、分かりやすい。
語り口もテンポが良く、さっくりと読める一冊。 -
ところどころ、話が脱線するきらいはあるものの。
なかなかセンセーショナルな題名にも関わらず、内容は至って真面目であった。
男同士の友情を超えた愛情。
それが、安定を望む江戸幕府転覆の起爆剤になることを恐れたお偉いさんが、意図的にその風習を信じた……という感じで合っているだろうか?