「世間」とは何か (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492622

感想・レビュー・書評

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  • 昔から日本人は世間を意識しながら生きている。
    そして、多くの人はその世間というものが思い通りにならず、悩むことも多い。
    日本から世間という感覚が無くなる、という可能性はほぼなさそう。
    世間から逃げたり、全く離れるということも難しい。世間を馬鹿にしても仕方がない。
    大切なのは、自分がその中でどのようなスタンス・立ち位置を取るのか、ということを考えること。

  • 20年来の積読、というか見当たらなかったので、買い直しました。内容はすっかり忘れてるが読んだ覚えある『ハーメルンの笛吹き男』はあったのですが。本書では、いまでも日本人を支配している「世間」がいかに生まれて発展してきたか、文学作品などを中心に追っています。読み終えての最初の感想は、取り上げられている人物はいずれも「世間」との距離感を意識しており、やはり世間を対象化して観察するには隠者にならないといけないのでしょうかね、という事。かといって、その取り上げ方も決して欧米の個人主義礼賛ではなく、そこは相対化しながら各人物の受け止め方を中心に、しかも文学作品を通して描いているのが解釈のオープンさを感じて良かったと思います。もし著者がもう少し長く生きてたら、このSNS で展開される世間をどう思ったでしょうかね。

  • 日本社会の特有概念である「世間」について、日本の古典や文学作品から読み解いている。教養として読むのもおすすめ。特に最近読んだ『我輩は猫である』の解釈は面白かった。兼好『徒然草』井原西鶴『好色一代男』を読みたいリストに追加。

  • 「世間」を学術的な検討の俎上に挙げたという意味で名著。まえがきは読み応えがあるが、本論はやや羅列的で退屈ではある。

  • 歴史的に、個人として生きようとしてきた人たちは皆隠者である、というのが、日本における「社会」のありようを象徴しているのではないか。西洋におけるsocietyとは違って。そして、どんなに隠者として生きようとしても、他者と関わる(子供ができるとか)ととたんに隠者としては生活できなくなる、という。。確かに。。

  • 読むべき。日本社会は「世間」という世界で覆われている。

  • 人は「世間に顔向けができない」というけれど、「世間」とは実はごく狭い範囲のことです。そう思うと、気が楽になるのでは?

  • 世間という概念は非常に身近に感じる。
    それが少しずつ変化してきてるのも感じる。
    現代日本社会は個人主義と世間の狭間で混してる、と思う。

  • 和歌や古典の引用を読んでいるだけでも楽しい。

著者プロフィール

1935年生まれ。共立女子大学学長。専攻は西洋中世史。著書に『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『学問と「世間」』『ヨーロッパを見る視角』(ともに岩波書店)、『「世間」とは何か』『「教養」とは何か』(講談社)。

「2002年 『世間学への招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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