哲学の謎 (講談社現代新書)

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著者 : 野矢茂樹
  • 講談社 (1996年1月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061492868

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哲学の謎 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • なんだかえらくざっくりしたタイトルだなあと思いつつも野矢さんだしと読んでみる。
    本当にざっくりした、哲学の(というか、暇な時にこういうこと考える癖がある人間の)初歩的疑問を対話形式で掘り下げている。
    最初はなんだか永井均のようなことを言っているなーと思ってて(あとがきにそう書いてた)、大体は永井さんの著作でカバーできてる感じはあるけれども、面白かったのは「経験と知」の章の斉一性は一般性を帯びているから斉一性により一般性を語ることはできない。一般性は後天的に獲得された思考習慣のようなものだという論。あと自由というのは虚構の語り口のひとつなのではないかという説。最近読んだ(まだ途中)神学の本にこれに通じるような文章があって、私はそれがすごく恐ろしく、だから「虚構の語り口」という説はそこに落ち込まないための良い説だと思う。

  • 読みづらい。
    対話式を取っているが、どっちの話者も口調が同じで、しかも明瞭な役割分担がなく、語り手にも聞き手にもなる。
    おまけに話者ABと文中で明記せず、上部線の有無だけで判断せねばならないから、読み手はしばしば混乱して話の流れを見失う。
    試みは面白いし、発言も深いが、もうちょっとだけ上手く編集してくれれば良かったのに。

  • 書いてある内容はよくある「哲学の考え方入門」って感じなんだけど、フォーマットが対談形式になっていて、ウィットのある会話が面白い。長く読み継がれる新書だと思う。

  • こいつはいいですぜ、旦那。
    哲学超入門編!
    わかろうが、わかるまいが、哲学というものが何を問題にしているか、そのばからしさがわかるというものですよ…
    旦那。

  • 第1章と7・8章がおもしろかった。適切なたとえ話は、哲学的な問いを理解するのに役立つ。142頁の「花一般の絵」を描いてみよう、という話とか。

  • 「入門!論理学」が面白かったので,こちらにも手を出す.しかしこれは,ちょっと私には合わない本だった.
    須藤靖さんだったら,「問いのたてかたが悪い」というのではないかな.抽象的で漠然とした問題には答えようがない.こういう抽象的な問いかけをしているのが「哲学の現在」であるならば,哲学は学問として非常に幼稚な状態にあるということになるのではないかな.

  • 「意識が認識する世界と世界の実体(実在)は同じなのか」、「時の流れとはどういうものなのか」などのテーマについて9章にわたって扱う。
    対話形式で、2人の男性らしき人物のやりとりで進む。比較的平易な表現で、対話形式なので少し読み易い面はある。
    だが、テーマの核心に迫ろうと、ラッキョウの皮を剥くごとく、丹念にして執拗である。例えば、行為と非行為の区別を追求する章では。 

    ぼくが腕を上げるときには意志があるよね。(意志するという心の働き?)
     …そこが問題だ。そんな心の働きがあるのだろうか。

    という具合。あらゆる前提に疑問符をつけたり、常識や普遍的な理解のようなことを覆していく。そのため、途中でついていけなくなることもしばしば。むしろ、モヤモヤ感が募った。爽快な読後感、という境地には達しえなかった。奇妙な本を読んだな、という感想。 私には、相性が合わないようだ。

    追記:本書が書かれたのは1995年秋。内容の随所に「オウム真理教」事件の世相が微かに感じられた。

  • 【目次】
    はじめに [003-005]
    目次 [006-009]

    1 意識・実在・他者 011
    生物が絶滅しても夕焼けは赤いか/死と他者/実在の世界はどこにあるのか/実在が視野から消える/他人の意識も視野から消える/死んでも世界は終わらないか/他人の意識/純粋に内面的な意識/夢中の死
    2 記憶と過去 035
    五分前世界創造仮説/何が「正しい」記憶なのか/神の視点と人間の視点/記憶される過去・語り出される過去
    3 時の流れ 055
    時間の中断/時間の流れの速さ/時の川岸/永遠の『いま』/複視点的世界了解/意味変貌・自己認識・時の流れ
    4 私的体験 075
    逆転スペクトル/君が『赤』と呼ぶ色は何色なのか/知覚世界の自閉/意味の自閉/私的言語
    5 経験と知 095
    経験の一般化/斉一性の原理/知の本能と習慣/何を一般化してもよいのか/室内鳥類学/経験の意味
    6 規範の生成 115
    露常と異常/狂気・病気/「異常」ということ/孤独な規律/見本・手本/規範の学習
    7 意味の在りか 135
    意味への問い/個と一般/一般観念/意味理解/言語の構造/語と文/ものの名前
    8 行為と意志 157
    猫の顔洗いは行為なのか/意志という動力/未知の惑星にて/アニミズム/意志から意味へ/意図の探求/馬と乗り手
    9 自由 179
    人間もまた物の塊にすぎない/自然という観点・実践という観点/随意筋と不随意筋/『しないでもいられた」/決定された世界/非決定の世界/虚構の介入

    あとがき(一九九五年十月 野矢茂樹) [202-204]

  • ”哲学とは、なによりもまず、この眼前の謎たちを可視化する技術にほかならない。”(p.4)

  • 無限論の教室も執筆した野矢先生の哲学書。
    対話形式で描かれているので大変読みやすい。

    言葉の定義を再度考えさせられたり、人の世界と自分の世界は独立しているのか、どのような行動がそれをそれたらしめるのか。
    などなど考えることが好きな人にとっては永遠に解けない言葉の謎が詰まっているためぜひ読んでほしい。

  • 初心者でもついていける対話式の本で、夢中で読みきった。考え出すと止まらない題材ばかりなので脳の疲労感がとてつもない。自分が普段いかに思考停止しながら生きているか痛感させられる。

  • 題材としては、意識、認識、実在、記憶、時間、経験、意味、経験など一般的な内容であるが、対話形式で分かりやすい。ただ、あとがきにもあるように、著者固有の主張は排し、一般的な内容が並ぶ。少々物足りない。そういう意味でも入門的な内容か。

  • 自分が見ている赤色は他の人が見ている赤と同じなのか、この世界が五分前に作られて、記憶も後付けでないと証明できるのか、など、誰もが一度は考えたことのある問題についてあれこれと考察する。

    何かの結論を出す、というものではないが対話調で進んでいって、様々な角度から考えるための基礎になる本

    ・奥さんが洗濯物を洗濯機に入れて、その後は横になってTVを見ている場合であっても「洗濯機が洗濯をする」とは言わず、「奥さんが洗濯をする」と言う。行為の主体というのは動力の担い手ではなく意図の担い手ということになる

  • 対話形式で書かれた哲学の本

  • 対話形式で進められていきます。哲学者ではなく、哲学の本です。思考実験の要素が含まれているため、冷静に読まないとクエスチョンマークが消えません。対話形式が苦手なので、すこしつらかったです。

  • 本そのものの感想というよりも、読んでいて私が痛感したことになりますが…

    ここ最近他のことに興味の対象が移ってしまっていたこともあり、全く本を読まない日々が続いていました。
    さすがに不味いと思い、積読状態だった本書を手に取るものの、内容がほとんど頭に入らない。
    ネット上の何も考えずに読める中身のない文章ばかりを目にしていたせいで、「考えながら読む」ということが苦手になってしまっていたのでした。
    読書をしなければ「考える力」は容赦なく退化することを実感しました…。

  • 野矢先生の本なら『論理トレーニング』と一緒にこの本はオススメです。哲学入門の中でもとりわけ現代哲学に興味があって入門したいならこの二冊は必読と言っていいかと思います。

    対話形式に苦手意識がある人もいるかと思いますが、読みやすさと内容の濃さで言えば全くハズレではありません。例えば、ヴィトゲンシュタインの『哲学探求』におけるカブトムシの比喩など、現代哲学の重要なトピックをチョイスして非常に分かりやすく解きほぐしているように思います。

    とはいえ、そういった含蓄のある内容だと知らない人でも読めるような仕様になっていますし、むしろ現代哲学を知らない人向けに書かれている本です。
    とりあえず読みながら、「なんか違うなぁ」「なんか変だなぁ」「変わった考え方だなぁ」という思いを沢山して欲しいと思います。そして、「引っかかる感じ」、つまり違和感、消化不良感、奇妙さというものを大事になさったらいい。引っかかりを大事にすることこそが、そのまま哲学の営みなのですから。

  •  意識実在他者。地球上からいっさいの生物が絶滅したとして、それでも夕焼けはなお赤いだろうか。指先に伝わるコーヒーカップの感触は、意識の世界のそれであって、現場ではない。なのに私には信念がある。確実に知りうる現場はあるし、分かりあえる他人の心もあると。これほど健全な絵なのに、それを整合的に描いてみせることがなぜゆえかくも困難なのだろう。

  • 読み進めていくと不思議な気持ちになる。
    まだ自分の理解力や、許容度が少ないのか
    なかなか議論が心にスッと入ってこない。
    もう少し歳をとってから
    また読み直したいと感じた。

    他人の見ている色と
    自分が見ている色が
    違うかもしれないということは
    幼いながらに考えたことがあります。

  • この本は哲学の本ですが、「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」「死と他者」など、様々なテーマについて考察するといった内容です。哲学史の本ではありません。
    一言で答えも出ないし、客観的に確かめようもない問題はたくさんあります。例えば、本文中に出てきた話で「木から舞い落ちる(ように見える)枯れ葉に意志はあるか」という問題もそうです。ないだろうと思っても確かめる方法はありません。そういう問題を考えるとき、哲学が考えるヒントを出してくれるように思います。
    枯れ葉に意志があるかどうかは生活上考えなくてもよい問題です。しかしこれが、異文化コミュニケーションだったり、新しい医療技術に対するモラルだったりすると、考えなければいけない場面にも出くわすかと思います。
    答えのない問題を考える訓練も必要かと思います。たくさん本を読んだり様々な経験をしている方は十分素地がおありと思いますが、私は人生経験も豊富ではないので考える訓練が必要と感じています。私にとってはこういう本は、考えるきっかけを作ってくれて大変ありがたいです。

  •  著者の内面での対話を再現し、時間はいつも断続的に流れているものなのか、現前にはあるものは本当に他人と同じものであるのか、1人しかいない世界に言葉や規範は存在するのか、人間は意志を持てるのか、といった問題について、内省や思考実験を加えながら考察する本。
     哲学をするとは、こんな問題について考えることというイントロダクションをするもので、最終的にはよく分からないなあ、という感じで終わっている。何か結論を出すものではなく、読者自身が考えてみてね、という構成になっている。
     若い時の夢を見ている時に突然死んだら、その人は夢であることに気付かないまま若い自分として死んでいくのだろうか、とか宇宙人が手のようなものを挙げたら、それを現象として見るのか意図ある行為とみるのか、そう判断する根拠は何か、といった問題は面白かった。すぐに読めてしまう本ではあるが、できればじっくり考えながら読みたい本で、時間があるときに読むのがいいと思った。(14/09/29)

  • 今ひとつ、ピンとこない。

    以前読んだ『まんが哲学入門 森岡正博』
    とよく似たことが書かれていた。

  • 恐らく、哲学というものに触れる最初の一冊としてオススメできるもの

  • 通常とは何か。異常とは何か。

  • 哲学の簡単な対話本。

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哲学の謎 (講談社現代新書)の作品紹介

時は流れているだろうか。私が見ている木は本当にそこにあるか。他者、意味、行為、自由など根本問題を問いなおす対話篇。

哲学の謎 (講談社現代新書)のKindle版

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