- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061493063
作品紹介・あらすじ
世界史はモンゴルを待っていた-草原の遊牧国家が、ユーラシアの東西を結ぶ。チンギスから、クビライの奪権まで。
感想・レビュー・書評
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出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介
あまり知られてこなかったモンゴル帝国の興亡史を、生き生きと紹介。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は読みやすくする為の工夫が可也こらしてあって、索引とか、チンギスの家系図とかをみれば一応、誰が誰の子孫かくらいはわかるし、地図や勢力図もわりと頻繁に出てくるので、図示されている分、大きに理解の助けになる。
それでも物理的にあまりに広すぎて輪郭がみえてこないし、チンプンカンプンになるのはもうしょうがない。モンゴルという四文字の歴史を紐解くのにモンゴル語と中国語は勿論、ペルシャ語、ヨーロッパ言語、一部インドあたりの言語まで持ち出さないといけないのだから、一筋縄でいくはずがない。
従来のステレオタイプなモンゴルのイメージを払拭して、モンゴルの株をあげ、反対にモンゴルにまつわる雑多な伝説を一刀両断に切り捨てるのが本書の狙いの一つのようで (知らんけど)、いきなり冒頭からマルコポーロは実在しなかったというから、早速狐に摘まれた気分だった。
はじめは岡田英弘の『モンゴル帝国の興亡』が読みたかったが絶版でどこも在庫なし。hontoとかには電子版で出ているには出ているが、電子版はあまり好きでないので、とりあえずある程度ふるい本で新書、と思ってみつけたのが本書。少しモンゴル贔屓すぎる気もする。
筆者のモンゴリアン・ジョークがところどころ炸裂するのも一興。と、いうわけで上巻を思ったより時間かかって読み終わったが、下巻はさらに渾沌さをますようなので、とても楽しみ (悪寒)。 -
感想は下巻
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「著者は、京都大学でモンゴル研究に取り組み、従来の定説を次々とくつがえす刺激的な議論を展開する気鋭の学者です。世界史の教科書に必ず載っている事項について、オゴタイ・ハンは存在しなかった、マルコ・ポーロは実在したか疑わしい、等新説を発表している。ー思い込みと伝説に彩られたモンゴル帝国の歴史を、新しい視点でズバズバと斬っていく杉山説は、読んでいるだけで楽しく、次から次へと新しい発見があります。みなさんもぜひそんな快感を味わってみてください。杉山さんの他の本もおすすめの力作。」(『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)
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モンゴルを中心に東西南北に広がった大帝国、歴史の授業でちらっとは習った気もしてチンギスとフビライくらいは聞いたことある。どうやって大きくなってどうやって小さくなっていったのか。なんとなくは知れたような。ただ名前が、多様な、また似たような名前が多すぎて取っつきにくい感は否めなかった。
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SM3b
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
チンギス・ハーンによって生み出されたモンゴル帝国だが、成立後に帝国がどのように統治され、最終的に崩壊していたのかはいまいち知られていないように思う。
教科書ではモンゴル帝国成立後はいつのまにか元王朝が現れているように書かれている。
この本を読んだ感想としては想像していたよりも後継者争いでもめていることに驚いた。ハンが死ぬ度に中国や西方に遠征していた軍団がモンゴル高原へと引き返し、遠征が中断されたことで征服が中途半端に終っていることが印象に残っていたな。
統治については各地域ごとに征服された国の統治方法をそのまま採用する方式で独自の統治方式だったのは本国にあたるモンゴル高原ぐらいであるということも驚いた。この統治方式がモンゴル帝国崩壊が緩やかに進んだ要因なのだろうな。
ただ、ユーラシア大陸を東西に支配する帝国が生まれ、この帝国が敵対しない異民族に対しては寛容で商業が盛んになったことは他の地域の発展に大きく貢献したんだろうな。 -
2017/12/04 15:00:12
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