カンブリア紀の怪物たち (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061493438

作品紹介・あらすじ

【カンブリア紀への招待】――バージェス頁岩はありきたりの化石層ではない。
ここでは腐敗の過程が一時停止してしまっていて、古代の生命の豊富さをありのまま見ることができる。堅くて丈夫な骨格を持つ三葉虫や軟体動物ばかりか、全く骨格の無い軟組織だけから成る動物も遺されている。これらの驚くべき化石においては動物体の輪郭だけでなく時には腸や筋肉のような内部組織までもはっきりと眼にすることができるのだ。ちょうどガラパゴス島のダーウィンフィンチという鳥が「適応進化」の重要性発見の代名詞とされるように、あるいは、また、ショウジョウバエが分子生物学の発展のシンボルとなっているように、バージェス頁岩は、生命の歴史の研究に生涯を捧げる人々にとって、イコン(聖像)になりつつある――本書より

感想・レビュー・書評

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  • 2018/11/19 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-980.html

    国立科学博物館 2015年7月7日(火)〜10月4日(日)
     生命大躍進 −脊椎動物のたどった道−

    2015/9/29 行きました。 面白かったですよ!

    展示の目玉の一つが、カンブリア紀の バージェス頁岩動物群 です。

    見に行く前に おさらいをしよう。

    2015/07/05  2回め予約 7/14 借りた日 7/20 読み始める

        〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜

    2008/7/17 読み終わる
    地球の歴史について見るとき、私は さらっと通り過ごしてきたカンブリア紀。
      カンブリア紀 あぁ、三葉虫の時代だね。 
    もっとその後のほうが 興味があるもんね。 
    イエ〜イ 爬虫類型ほ乳類だ! 恐竜だ! 大型ほ乳類だ! 最初の人類だ!

    ところがなぜか、今回は カンブリア紀に はまってしまいました。
    このところの 中国での発見による 新しい研究成果の発表のせいでしょう!

    この本は、主に 『バージェス頁岩』 から発掘された化石の研究に関する内容です。
    カンブリア紀の生きもの (=怪物たち) についての話は 知らないことだらけで 興味をそそられますよ。
    生物が発生し、門に分化していくことについての話は 少し難しいかも・・・。

  • この書籍は、発行された年まで「生命史」の解説書の一つ。
    その生命史の最初とも言われていた「カンブリア紀の進化大爆発」の原因から研究家による研究結果など一程度書かれています。

  • 「カンブリアの爆発」と呼ばれる生物進化のイベントの発生を示す重要な化石であるバージェス頁岩。その研究において大きな成果を挙げたサイモン・コンウェイ・モリスの一冊。
    同じテーマを取扱い、著者の名前を広めたスティーブ・J・グールドの「ワンダフル・ライフ」を批判する内容も含みつつ、「ワンダフル・ライフ」の中でドラマティックに描かれた研究の実際に触れます。

    古生物学ファンのための本には違いないですが、著者が取り扱う生物の多くは「海底付近でうねうねしてる」生き物。それを考えると、著者による描写は淡々としすぎていて、批判されている「ワンダフル・ライフ」の方が読み物としては面白いなあとは思いました。

    ただ、著者の一つの意図は、「研究とは実際どのようなものであり、そしてカンブリア研究においてはどうであったか」を伝える、という部分があったと思います。
    その意図を達成する上では、或る意味「冷めた目線」が必要なのでしょう。

    ともかく「カンブリア爆発」の謎を考えるうえでは欠かせない一冊です。

  • 我が家の本棚に文字通り10年以上積ん読になっていた本。いやー、面白かったです。また、ラストの人間文明への警鐘も、未だ新しい。

  • バージェス頁岩から出た化石から分かること,カンブリア紀大爆発,不思議な古代生物群

    でも眠くなる。

    2012/06/23から読み始め;途中複数の中断を繰り返す。

  • 初版の本を買ったが、版が新しくなっているようで評価されているのだな、と思った。生命科学は専門ではないので、ナナメ読みや字面を追うことも多く会った。興味深いと単に思ったところは、付箋をはるなどした。
    思うことは、生命科学とはとても哲学に近いと思えることだ。彼の「私が個々にいなくても、誰かがこの研究をしたに違いない。仮に生命の歴史を遡ったとしても、同じ結果になっているはず。」とする。考えてみればそうで、「歴史にifはない。」は当たっている。「テープを戻すと、違う結果が来るはずだ。人類は、進化の結果の一つの枝葉だ。」という議論はおかしい。本来は、「今こうなっているから、昔はこれしかないし、逆から見てもそうなっている。」のはずだ(ただ偶然という要素もなきにしもあらずなので、それも必然だったかは分からないが。)。
    生命の歴史の解説にとどまらず、その「考え方」を見るのはとても楽しい。

  • 『考古学は遠距離恋愛!?』アノマロカリスからハルキゲニアまで。カンブリア紀の生物たちの発見と生態の推論。"生物"の書き方はいまいち。図は全部で100程度だが30の生物の姿形と動作を表現するには全然足りてないし、解説も訳のせいか原文のせいか日本語が不明な箇所が多々ある。また、化石の調査方法が具体的に解説されているわけでもなく、本題は進化論。なぜカンブリア紀に生態系は爆発的に広がったのか、進化の起源を如何にして明らかにするのか。答えに届きそうで届かない、遠距離恋愛みたいな距離感がもどかしくて苦しくて切ない。なんとか距離を縮めるためにも分類学と分子生物学に興味が沸いてくる一冊。

  • 地球史というものがある。人類史でもなく、歴史でもない。
    私が気づくのが遅かったのかあるいは、私以外の人々はすでに知っていたことなのかあるいは、考えたこともなかったのかはわからないが、4000年の歴史などと言っていることや人種なんていっていることがどれだけ小さなスパンで物事を考えているかがよくわかる。そういう意味では、生物学的進化論というのもまた膨大な時の積み重ねのなかから感じるものであるということになるだろう。
    たかだか数百万年の時を過ごし、数千年の有史を誇り、人種や文化の違いを論じ、爆発的な発展や進歩を自慢する人類と、この本の主題である原生代終盤のカンブリア期の爆発的な生物の多様化のさまを見比べてみると、人間の想像力を越えた生物たちが見えてくる。
    当時の捕食獣の王アノマロカロスの姿はもはや現存する全ての生物とは違う生物の原始的な野獣性を表現している。
    ハルキゲニアはどちらが上か下かが不明で、現代の人類の想像力を欺く。それは、現存するサカサナマズのように腹部を上にして泳いでいるというような生物の定型を守っているものではなく、形態がどちらが上か下かが判断できないというものである。
    6億年前におきた生物多様性の大爆発のきっかけはなんであったのか。
    それはなんと、「眼(光センサー)の誕生」なのだった。
    まるでおとぎ話のような話ではないか。
    光を感知する能力を得た生物が自分の可能性を見出し、多様化する。
    世界の美しさに感動した気分になれる好著である。

  • [ 内容 ]
    カンブリア紀への招待:バージェス頁岩はありきたりの化石層ではない。

    [ 目次 ]
    序 「生命の歴史」の五大事件
    第1章 カンブリア紀への招待
    第2章 バージェス頁岩の発見
    第3章 タイムマシーンに乗って
    第4章 新たなバージェス頁岩の探求
    第5章 バージェス頁岩の重要性
    第6章 門の起源
    第7章 別の世界

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 序 「生命の歴史」の五大事件
    第1章 カンブリア紀への招待
    第2章 バージェス頁岩の発見
    第3章 タイムマシーンに乗って
    第4章 新たなバージェス頁岩の探求
    第5章 バージェス頁岩の重要性
    第6章 門の起源
    第7章 別の世界

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