- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061494466
作品紹介・あらすじ
小高い丘、明るい斜面に営まれる古くて深くて豊かな町。街路は劇場、中庭は生活の場となる。カラー版・地中海都市の魅力ガイド。
チステルニーノ──ローカル線の駅で降り、オリーブの樹やトゥルッリの建物が点在するのどかな田園風景を楽しみながら、坂道を上っていくと、丘の上に白い家々が見えてくる。徐々に空間の密度が上がり、やがて旧市街の迫力ある外観が目の前に現れる。イタリアの中世都市へのアプローチは、このようにいつもダイナミックだ。ポルタ・グランデ(大きな門)という城門をくぐり、この町の旧市街に一歩踏み込んだ時の衝撃を、私は今も忘れない。まるで、雪で築き上げられた大きな迷宮の世界に彷徨い込んだ感じだった。道は狭くて曲がりくねっている。両側の建物の壁は歪み、すべて石灰で真っ白に塗られている。道幅は狭いのに、建物は何層にも重なっている。外階段がふんだんに活用されて、3階へ、そして4階へとアクロバット的に上へ伸び、まさに立体迷路を構築しているのだ。──本書より
感想・レビュー・書評
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イタリア建築・都市史専門の大学教授陣内秀信氏が、実際に南イタリアを歩き調査、住宅一軒一軒を訪ね、実測やヒヤリングし、南イタリア都市の紹介をしています。
この前に陣内氏による「イタリア海洋都市の精神 (興亡の世界史)」を読んで面白かったのでこの本を読みました。こちらもとても面白かったです。
紹介された都市を記します。
1.ナポリ 蘇るネアポリス
2.ラクイラ 〈99〉のカステッロが築いた都市
3.モンテ・サンタンジェロ 山上の聖天使の町
4.レッチェ びっくり箱のバロック迷路
5.チステルニーノ 丘の上の真っ白な町
6.アルベロベッロ トゥルッリ民家が立ち並ぶ斜面の町
7.マテーラ 廃墟から再生する洞窟都市
8.ノート 記憶が埋め込まれたバロックの計画都市
9.シャッカ イタリアがアラブに接する都市
⒑ パレルモ 田園に囲まれた楽園都市
⒒ サルデーニャ 聖なる場所の継承
⒓ アマルフィ 山を背に「海の門」を持つ中世都市
⒔ プロチダ ナポリ湾に浮かぶ漁師の島
⒕ ポッツオーリ 遺跡とともに生きる町 -
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シチリアに向かう飛行機のなかで読んだ2冊のうちの1冊。著者はヴェネツィア研究等で著名なフィールドワーク型の建築史家だが、南イタリアの町々でも詳細な現地調査を行っているとは知らなかった。本書は、シチリアにある14の町を主に住居パターンで巡る建築ガイドで、『都市の地中海』(NTT出版)の部分ダイジェストといったところのようだ。生活文化が中心で、町の歴史には深くは触れていない。実際には滞在しなかった町がほとんどなので、事前学習としての面白みは薄かったけれど、石灰岩住居のプーリア地方(アルベルベッロだけでなく)、先史時代の巨石文化が残るサルデーニャにはすぐにでも行きたい、と思わせてくれた。
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[ 内容 ]
小高い丘、明るい斜面に営まれる古くて深くて豊かな町。
街路は劇場、中庭は生活の場となる。
カラー版・地中海都市の魅力ガイド。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
紹介:仁後 浩美
この本は陣内秀信さんという、法政大学の工学部建築学科の教授をされ、イタリア建築学の専門家としても活躍されている方が書かれた本です。
南イタリア都市の構造・居住空間や、歴史・文化などの環境の中で南イタリアの人々が生活を続けている魅力について紹介してありました。
日本では災害に強い街にするのに、鉄筋コンクリートの近代的な建築に作り変えてしまう傾向が強いのに比べ、イタリアでは、歴史的な建物を修復し、再生することに強い拘りをもっていて、元のままの姿で残していくという考えをもっているイタリアの地域性は、とてもすばらしいことだと感じました。
南イタリアの人々が住む街並みが、何十年も何百年も変わらずそのままの姿を残し、今の都市が出来たかと言う歴史的過程が書かれていて、とても勉強になる内容で、南イタリアの街並みを歩くとき、その年の歴史を感じながら街歩きを楽しめる本です。 -
2009/7/19 チェック済み
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(趣味&資料用)
イタリアスキーです。南イタリアの各都市をお手軽に知ることができます。
(いつかイタリア舞台のお話を書いてみたい)