教養としての〈まんが・アニメ〉 講談社現代新書 (講談社現代新書 1553)

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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061495531

感想・レビュー・書評

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  • まさに教養としての、歴史や描き方から見た 漫画・アニメ論だと思った。

    普段はあまり気にしていなかった、記号としての漫画やアニメとして、作家としての、手塚、宮崎、出崎、冨野、ガイナックス等々、時代の人のそれぞれを解説している。

    分析的に見ればこのような見方もできる本ということで、ストーリには入れ込まない本だと思う。

  • もう12年たっているとは! しかも読んでなかったとは! な本。アニメの宮崎駿の下りが非常に素晴らしい。

  •  以前、毎日新聞社からでた「シリーズ20世紀の記憶」の「連合赤軍 狼たちの時代」を読んでいたとき、よど号ハイジャック事件の日本赤軍の犯行声明の文の最後に「我々はあしたのジョーである」と書いてあったという事実にかなり驚いた。戦後史上の大事件と漫画がこんなに密接につながっていたという認識はもっておらず、あらためて60年代のサブカルの重要性を痛感した。
     本書はサブカルの代名詞たるアニメ、漫画がどのような思想的背景をもって展開してきたかを叙述し、戦後日本の展開にも重要な示唆を与えてくれる。
     「あしたのジョー」で死んだ力石徹の葬儀が実際に行われていたという逸話は知っていたが、その主催者が寺山修司であると本書で知った。

  • ササキバラ・ゴウの書いたアニメ論の方が面白かった。
    作家別に別れているので理解もしやすい。
    ガイナックスとか富野由悠季とか詳しい出自を知らなかったのでちょうどよかったな。

  • 紹介されてる作品を観て/読んでみたくなった。何でも戦争に結び付ける大塚氏の主張はどうかと思う部分もあったが。

  • この本を読みはじめてようやく気付いたけど、やっぱり自分が経験したこと以外を吸収したり理解したりするのはかなり難しい。少なくとも(今の)自分にはできないみたい。
    建築にしろ映画にしろ植物にしろ動物にしろ仏像にしろ、まんがにしろアニメにしろ、本を読むだけじゃ何も分からない。実際に見なきゃ分からない。
    若いうちは読むことより、見ることの方が圧倒的に大事なんじゃないかと思うようになった。読むことはそのきっかけに過ぎない。見る方が楽しいし、しかもそう思うことで読むことのプレッシャーも無くなる。きっかけに過ぎないのだから。

    ■手塚治虫(鉄腕アトム)戦後〜
    特徴:記号的でありながら「死」や「成熟」といった生身の身体性を描いている点。
    →記号的な絵が写実的でない⇒現実を描く作画技術として必要であった?(戦争体験)
    ■梶原一騎(巨人の星、あしたのジョーなど) 60年代後半〜
    特徴:「教養小説」=「成長物語」
    ■萩尾望都などの「団塊世代」の女性マンガ家(二十四年組)
    特徴:「内面」の発見→フキダシの中と外と使い分けることにより可能になる。
    時代背景:「言うなれば、60年代という時代は、女性たちが大衆レベルで自分自身で語る言葉を捜し、確立していく時代だったのです。そしてその最後で発見された二つのことばこそが、少女まんがと左翼運動の延長に成立していったフェミニズムだったといえます。」(74頁)
    ■吾妻ひでお(ニューウェーブ)70年代〜
    特徴:吾妻ひでおの「ロリコンまんが」は手塚的「記号絵」に「性」をプラス→日本人の性表現に大きな変化を与えることとなる。
    ■岡崎京子 80年代後半〜
    特徴:不在の(記号化した)「私」をもった「私達」を描く。
    時代背景:バブル期(社会の大きな転換期=終末観)

  • 先生! すごいです!

  • 読んだことない観たことないマンガ、アニメがたくさんだが、日本のこれらの文化は深い。

  • 主人公の内面をどう描くか。メディアミックスの先駆者はだれか。
    戦後の古典・名作をたどり、作家たちの手法を読み解く決定版。

    飛雄馬がアトムから引き継いだものは?
    アニメ版トリトン最終回の衝撃とは?
    手塚治虫、梶原一騎、宮崎・高畑から、ガイナックス、岡崎京子まで
    作家たちはなにと戦ってきたか

    講談社現代新書(2001/5/20第一刷発行)


    ○まんが論
    手塚治虫−「成熟の困難さ」と戦後まんが
    梶原一騎−未完のビルドゥングスロマン
    萩尾望都−主人公の内面をどう描くか
    吾妻ひでお−〈おたく〉なるものの起源
    岡崎京子−高度資本主義下の少女まんが

    ○アニメ論
    宮崎駿と高畑勲−『ホルス』が開いた新しい時代の扉
    出崎統−ジュブナイルの物語構造
    富野由悠季−アニメの思春期
    ガイナックス−プロとアマチュアの境界
    石ノ森章太郎−メディアミックスの先駆者

  • まんが・アニメを「論」する視点を学べます。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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