悪の読書術 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496842

感想・レビュー・書評

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  • 福田さんは、人前で好きな本を読むとき、恥ずかしくない本を読めといっています。分かります。しかし、どうしても読みたい場合は、ブックカバーをつけましょう。今の時代、漫画にブックカバーをつける人がいるのですから!

  •   現代作家を中心に、著者が吟味して批判する。本書の終わりにあるように、本を選んで読む、という一連の流れは、自分がありたい姿、また、人からどのように見られたいのか、ということに関わる。つまり、自己の形成、規矩を確立する、それくらい強固なものにするために、何が大事なのかを、考え抜いていかねばならない。

  • 書評というより、作家ごとに特徴を滔々と語った本

    目次
    <blockquote>序章 社交的な読書とは何か
    第1章 社交的に高級な作家
    第2章 女性作家の読み方
    第3章 男性作家の読み方
    第4章 価値とよそおい
    第5章 カルチャーの周辺
    結語 自分を作る読書を
    </blockquote>
    うーん、本自体を挙げてここがいい、あそこがわるいって書いてなくて、特徴的な作家をあげて、この人の本を詠む人はこんな感じ、あんな感じって言ってるんだよね。要は。
    著者の文章の書き方がそうであるように、物語性を帯びる文章はその文そのものに味わいがないといけないとか、そいう考え方が見え隠れするような気がしている。ある意味で、この本も女性的な感じだ。

    だから、なんかはっきりしないんだけど、結果だけ見るといいとか悪いとか言ってるみたいなかんじで、つかみどころが無い。その意を汲み取るには、文脈にそっていって、それで初めてわかるんだろうな。そこをここで語るのは個人的な嗜好がモノを言うので、特に書かずに置いておく。

    <blockquote>どんな本を読むのか、どんな本を自らの愛読書として人に示すのかということは、自分がどんな人間になりたいのか、どんな人間だと、人から見られたいのかという問いに直結しています。</blockquote>
    俺的には、自分の読書記録がこうである以上、本を読むのにこうでなければならないみたいな型を言う人って好きじゃない。本を読むこと自体は、誰がどんな本を読もうが勝手だと思うのね。しかし一方で、誰某の本が好きだ、愛読しているみたいなのは、個人的嗜好を人に話すわけで、ちょっと方向がちがう。それは確かに、自分の主張なり、志向なりが見える訳で、それは確かに考えたほうがいいんじゃないかなぁとは思った。

    ただ、今の人に愛読書なんて古風なことをやってる人はいるんだろうか?まぁ、座右の書というか、じぶんにとって大事な本みたいなものはあるにしても、とある本を飽きることなく何度も読むって事をする人は、そうそういないような気がする。本だけでなく、時間を使うことのできるメディアは多いから、それとの兼ね合いで読んでみた、もしくは他と比べて本が少し多いだけみたいな人のほうが優勢なんじゃないかなぁ……。
    そうすると、何を読んでるか、何を愛読してるかで人を語るのは、少し偏狭ではないかという感じもする。

  • 芥川賞 直木賞 二つの文学賞の話は面白かった
    絵本の魅力とは

  • タイトルのインパクト以上に本編に驚く事はなかった。

  • 2004年10月1日、3版、並、カバスレ、帯なし。
    2014年7月17日、津BF。

  • 評論家・福田和也の読書指南書。古臭い教養を説くのでもなく、現代に役立つ読書術でもなく、「社交」という場面で自己を演出することを通じて、自己を作り上げるための本の選び方を論じています。

    若い女性が高村薫や宮部みゆきの本を抱えていると、「この人はプライヴェートが寂しいんじゃないか、と邪推されるおそれがある」という指摘がなされていたりして、おもしろく読めました。本の選び方を通じて、意識的に自己を演出し、本を読むことで、意識的に自己を作り上げていくという、「スノッブ」な立場からの読書術を、やや韜晦的な言葉で語っているのが、類所には見られない、本書の独自性だと思います。

  • 「読書」をファッションのように語る。

  • 若かりし頃ww自分の本棚を見せるのが裸を見せるより恥ずかしいと思っていたので、意味は解る。
    読んでる本は、その人を表す。
    でも、もうちょっと突っ込んだ内容を期待してた。

  • 「悪」という言葉のイメージとは異なる本。要は「本の社交術」。
    筆者に対する好き嫌いが分かれそう。

著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。批評家。慶應義塾大学名誉教授。『日本の家郷』で三島賞、『甘美な人生』で平林たい子賞、『地ひらく――石原莞爾と昭和の夢』で山本七平賞、『悪女の美食術』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2023年 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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