幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)

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著者 : 春日武彦
  • 講談社 (2004年10月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497443

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幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • 2017年4月26日購入。

  • あまたある軽薄な人生指南書やいかがわしい教条書などに取られがちなタイトルなれど、中身は一級のエッセイ。文章が美しく、新書系の同業作家の中でも群を抜くだろう。教条にとらわれず、しかし展開される主張はその臨床にまつわるエピソードと相まって、強い。

  • なんとも不思議な幸福論だった。視点が独特で引き込まれた。良かったらご一読をオススメします。

  • 「幸福とは気の持ちようである、といった一般的な幸福論について『なるほどそれは正論である。だが、極めて難しい。熱心な宗教信者であってすら実践は難しそうである、わたしが観察した限りでは』とやわらかに切り捨てるところからはじまる本書。幸福について、とりとめもなく、春日先生らしい(抑えめだけれど)毒が聞きつつもやわらかい文体でつづられている」との感想。

  • 世の中にはたくさんの幸福論があって
    精神科医のかかれた幸福論には
    ちょっときょうみがあった。
    身近なところに幸福あり!

  • 今、「みんなのレビュー」ページを開いたら、
    書籍情報のところにサブタイトルまで書いてあったので
    ちょっと驚いた。
    私が持っている第一刷には「精神科医の見た心のバランス」
    なんてフレーズはどこにも記されていないので。
    「幸福論」だけでは、他に同じタイトルの書籍もあるし、
    内容がわかりにくいから――ということで、
    そんな風になったんでしょうけど。
    で、お医者さんが書いた人生訓かと思って、
    ちょうど何かに躓いたり悩んだりしている人が
    ヒントを求めて手に取る可能性もあるわけですが、
    そういう気分の方にはお薦めしない。
    著者の個人的な
    「こんな情景やものに出会すと幸せな気分になるんだけど」
    といったエピソードが列挙されているので、
    波長が合う人には楽しい読み物となるし、
    合わない人は「何だコリャ!?」と怒って
    本を投げ出すに違いない(笑)
    私は共感度90%くらいだった。

  • 再読。この人の影響をとても受けたのに今読み返してみると感銘を受けることがなくて悲しい。
    春日先生があげる幸福は自分にとってはピンとこない。そして私は12も幸福な記憶をあげられない。

  • くすっとするかんじ。

  • 精神科医の春日武彦さんの幸福論(講談社現代新書)を読んだ。

    彼は、不幸を退屈さと不全感が混じりあった感情であるとし、その漠然とした感情を、事物への具体的関心という形で対応していくという手法について説明する。彼が若い時に、出会った、小児科医にして、全米第一の詩人であるウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩についてこう語る。

    《塀のあいだ(片桐ユズル・中山容訳)

    病院の
    裏の出っぱり
    では
    何も

    生えないが


    のなかで光る
    こわれた

    みどりのビン
    のかけら


    ウィリアムズのように、きちんとした市民として日常を送りつつ、散歩者のような視線で「No ideas but in things」(思想は事物の中にしかない)を実践すればよいのだと思った。

    (中略)

    世界を能天気に肯定するわけでもなければ、テロリストのように憎悪するわけでもなく、もっとさりげなく世界と折り合いをつける方法はある筈なのである。それを探し求め、遂行していくところに幸福は立ち現れるだろう。ただし百パーセントの幸福などあり得ない。幸福は常に断片として現れる。ほのめかしとして現れる。点が三つ、逆三角形の配列で打たれていればそれを見た者は必ず顔を認知するという。その「三つの点」に相当するものを見出し、幸福な表情を発見しながら、我々は日常を生きていくのである。》

    街角に遍在する、事物を媒介として断片としての幸福を積み上げるという連続性の中にこそ幸福感があるという具体性が、新しいマニュアルとしてぼくの心の中のモザイクの一片としてパチッとはまった。

  • 著者自身が幸福・不幸という状態について考え、まとめた本。

    著者にとって身近な「幸福」の事例、精神科医としての体験談、
    職業的経験則、さまざまな文章作品等から重ねられた思索。
    研究者目線の、明快な結論はない。
    つまり、わかりやすい「救い」はなかった。

    でもその方が私には合っていた。
    「幸福」の『断片』が語られた、ていねいな本だなと思った。


    色々な点で共感を覚え、冷や汗をかいたり嬉しくなったりしました。
    よく噛んで食べたい本です。

  • 精神科医の著者が幸福論についてどんなことを書いてくれるのだろうと期待したものの、きっぱりと本書を読んで何かの役にたつとは思っていないと言っている。その上で何か思考のヒントになれば嬉しいと書いている。

    つまりそういうスタンスで読む本だと思います。

    著者は一般的に幸福論を語るときにたどり着きがちな清貧とかつましくだとかを論外としている。著者の幸福の断片を並べてあるが、私にはよく分からなかった。きっと共感する人はするんでしょう。私は読んでいてどこか退屈してしまいました。
    勉強になったのは「不幸とは退屈と不全感とが混ざり合った感情ではないか」「幸福は常に断片として立ち現れる」という点。う~ん納得です。

  • [ 内容 ]
    「風邪をひいたわたし」がなぜいいか。
    幸福の断片を味わう生き方。

    [ 目次 ]
    第1章 幸福の1ダース(さまざまな幸福;宮崎市の大衆食堂 ほか)
    第2章 不幸の中の幸福(二十年がかりの家;山頂から昇天 ほか)
    第3章 幸福と不幸との間(嬉しくなる場所;思考のプロセス ほか)
    第4章 断片としての幸福(小さな人;曖昧さについて ほか)
    第5章 散歩者の視線(「見立て」のこと;道の発見 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 地面に薄〜く溜まった水の上を
    靴を濡らさないように歩いているような
    でもそのうち濡れちゃって
    それがちょっと嬉しいような
    そんな読書体験でした。

  • が幸福を感じる情景について記述している。
    著者の日常生活や患者さんの行動について、精神科医としての客観と著者自信の主観も交じえて事例紹介がされている。

  • 春日先生にしては落ち着いてると言うか毒が薄れた観あり。幸福をきわめて断片的かつ個人的なものとしてとらえるスタンスは、相変わらずひねくれていて共感を覚えるんですけどね。

  • 「定型」があれば幸福になりやすいってのは、例えば「お腹いっぱい食べれたら幸せ」という常日頃考えていて、実際に鱈腹食べられたときは、普段から考えていないよりは幸せになれるってことかしら。鯛焼きの糊しろって表現がすごく好き。

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