幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497443

感想・レビュー・書評

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  • 人生の中で、感覚的に記憶している些細な高揚感や充足感が少しずつ蓄積され、だから幸福か否かを問われたら「まあまあ幸福」という返答になるのではないかしら、と思えてきた。個人の内側における幸福と外側からみた幸福とは別物。こちらから相手の人生を見てどこか滑稽に感じられても、本人が幸せそうな様子を目の当たりにしたとき、居心地の悪さを感じるほど“幸福”は正体不明。正否がなく、最適解さえないかもしれない。

  • あまたある軽薄な人生指南書やいかがわしい教条書などに取られがちなタイトルなれど、中身は一級のエッセイ。文章が美しく、新書系の同業作家の中でも群を抜くだろう。教条にとらわれず、しかし展開される主張はその臨床にまつわるエピソードと相まって、強い。

  • なんとも不思議な幸福論だった。視点が独特で引き込まれた。良かったらご一読をオススメします。

  • 今、「みんなのレビュー」ページを開いたら、
    書籍情報のところにサブタイトルまで書いてあったので
    ちょっと驚いた。
    私が持っている第一刷には「精神科医の見た心のバランス」
    なんてフレーズはどこにも記されていないので。
    「幸福論」だけでは、他に同じタイトルの書籍もあるし、
    内容がわかりにくいから――ということで、
    そんな風になったんでしょうけど。
    で、お医者さんが書いた人生訓かと思って、
    ちょうど何かに躓いたり悩んだりしている人が
    ヒントを求めて手に取る可能性もあるわけですが、
    そういう気分の方にはお薦めしない。
    著者の個人的な
    「こんな情景やものに出会すと幸せな気分になるんだけど」
    といったエピソードが列挙されているので、
    波長が合う人には楽しい読み物となるし、
    合わない人は「何だコリャ!?」と怒って
    本を投げ出すに違いない(笑)
    私は共感度90%くらいだった。

著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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