中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

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著者 : 高島俊男
  • 講談社 (2004年10月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061497467

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • 中国の歴代の王朝、及び現在の共産党政権は、いずれも盗賊が前政権を倒して打ち立てたもの。
    本書から得られる中国のキーワードは、下剋上、弱肉強食、何でもありの油断できない社会、正直者がバカを見る社会、と言ったところ。現代中国の特徴である、したたかさ、抜け目なさ、或いは公共心の欠場等の歴史的背景が理解できたように思う。

  •  本書で指すのは「盗賊」と言っても武装集団。陳勝・呉広から毛沢東まで、成功したものも失敗したものも含め、庶民出身の様々な「盗賊」を描いている。成功者には後付けらしい伝説ができるとか、指導者本人は粗野でもある程度の規模になると知識人を引き込み思想を構築するとか、各「盗賊」にはある程度の共通点もある。
     この流れの中で語られる毛沢東も、共産主義の革命家というより過去のあまたの「盗賊」の一形態に過ぎないという気がする。まさにそれこそ筆者の言いたいことだろうが。また筆者は、現在の中国の革命史観による歴史の解釈(例:太平天国は農民革命)や、本書の元版刊行の1989年当時に日本の一部にあったかかる社会主義中国への理想を、本書の随所で皮肉ってもいる。

  • これまで中国の歴史に対して、思っていたことを高橋先生が見事に整理してくれたという印象。

    先生の中国に対する見方は、全く同感です。特に毛沢東や周恩来に対する評価は実に的確。

    中国支配層は、秦に始まり、北朝諸国・隋・唐・元・清など、ずっと異民族に支配され、異民族を同化してきた歴史なので、もし日本の大陸の植民地化政策に成功したら、中国が倭朝になって、今頃、日本も支配層にある代わりに、日本列島も中国の一部になっていたかもしれない。

  • どの盗賊も盗賊皇帝も面白い。劉邦、朱元璋の天下取り。中でも毛沢東が一番メチャクチャやっている。インテリで盗賊で好戦的で、国民だったら迷惑すぎる。

  • 一介の盗賊が国を作る、こんな例が中国には、たくさんあるんですね。
    「みんなが代表を選んで、その人に国を建設してもらう」
    、、、民主主義の「人の選び方」とは、何もかも違います。

    盗賊が国を作った、だから、、、中国はどうひっくり返っても、民主的な国家
    (ほんとは、国家と言えないと思いますが、、、)になることはできないと確信しました。
    人民裁判は、てっきり「人民による裁判」だと思ったのですが、高島先生は、「人民の前でやる裁判」と
    喝破します。これでは、、、一生、法治国家になることはできませんね。

    中国の歴史を知れば知るほど、面白いのですが、日本とは、絶望的に「うまくやっていけないな」と
    いうか、カノ国は、そもそも、他の国とうまくやっていくことなんて、端から思ってない!
    だって、盗賊のメンタリーティーを、建国した方々は持っているのですから、、、。

  • 古書店にて250円で。取り上げられている〈大盗賊〉は「燕雀いづくんぞ……」でお馴染み陳勝に漢の高祖劉邦、明の開祖朱元璋、明朝と清朝の狭間で僅か40日天下を謳歌した李自成、太平天国を築いた洪秀全、そして〈完全版〉にて当時の原稿を復元した毛沢東。同著者の本は『三国志 きらめく群像』と『水滸伝の世界』しか読んだことがないのだが、難解な内容になりそうな題材を平易な文章で判りやすく仕上げているのはさすがである。参考文献についても、どの本がお勧めでどれがイマイチかなどユーザビリティ第一に書かれており好感が持てる。

  • 中国の歴史を作ってきたのは盗賊である。我が国の歴史との違いをまざまざと見せつけられた。毛沢東の記述が興味深い。記述も平易で親しみやすい。
    いわゆる歴史認識問題について、なんとなく向こうの思考回路が垣間見えた気がする。

  • 歴史上、中国を統一した皇帝には盗賊出身が多い。有名どころは、漢の創始者、劉邦。彼はもともと面倒見の良いアニキ的ヤクザ。そんな劉邦が家柄に優れた項羽との決戦に勝利し、中国を統一する。毛沢東だってガラの悪い農家の出だ。日本で比較できるのは豊臣秀吉くらいだが、彼は将軍、天皇の一歩手前止まりだった点で中国の皇帝には一歩劣る。

    本書は、こうした田舎の貧しい盗賊出身でありながら中国を統一してしまった6人を取り上げた成り上がり列伝。

    中国でトップに登りつめるためには義とか情は邪魔。ひたすら自分より上の者を倒すのみ。家柄とか、財産とか守るべきものがあることは、逆に不利だ。そんな中国を究極のアメリカンドリーム国とみるか、そんな連中でも支配できる野蛮国とみるか。

  • 中国の歴代王朝の発生起源は盗賊に遡る。王朝の創始皇帝の劉備や朱元璋、なりそこなった李自成、洪秀全等の盗賊人生が簡潔に述べられている。
    一口に盗賊と言っても日本とは同じ常識で量れない。兵士も盗賊に近い種類であることや、劉邦が若いころしていた吏といわれる末端役人までほとんどやくざ者であるところなど説明がないと全く異なる理解になってしまうであろう。
    まず中国を学ぶには中国常識学のようなものが必要ではないかと思った。日本人の常識で理解するから狂ったような左翼学者も多いのかもしれない。
    また毛沢東や共産党も発生、成長過程において盗賊皇帝・王朝と変わらないことがわかる。とはいえスケールが大きく情報量も多いのでここのところはある程度分厚い他本を参照したいと思う。

  • 成功した盗賊、劉邦、朱元璋、失敗した盗賊、李自成、洪秀全を経て「最後の盗賊皇帝」毛沢東へと話をつなげていく。日本と中国の「盗賊」や「兵士」の違いなど、歴史書とはちょっと違った角度で中国史を見る一冊。

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中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)の作品紹介

昔、中国に「盗賊」というものがいた。いつでもいたし、どこにでもいた。日本のどろぼうとはちょっとちがう。中国の「盗賊」はかならず集団である。これが力をたのんで村や町を襲い、食料や金や女を奪う。へんぴな田舎のほうでコソコソやっているようなのは、めんどうだから当局もほうっておく。ところがそのうちに大きくなって、都市を一つ占拠して居坐ったりすると、なかなか手がつけられなくなる。さらに大きくなって、一地方、日本のいくつかの県をあわせたくらいの地域を支配したなんてのは史上いくらでも例がある。しまいには国都を狙い、天下を狙う。実際に天下を取ってしまったというのも、また例にとぼしくないのである。幻の原稿150枚を完全復元。共産党の中国とは盗賊王朝である。劉邦から毛沢東まで伝説の完全版がよみがえる。

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