サバがトロより高くなる日

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著者 : 井田徹治
  • 講談社 (2005年8月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498044

サバがトロより高くなる日の感想・レビュー・書評

  • 「私たちはひょっとしたら、将来世代の分まで、魚を捕ってしまっているのではないだろうか」(P6)
    「過去五十年間で、タラやマグロ、カジキ、ヒラメなど主要な大型の魚の資源量が九〇%以上、減っている」(P14)
    「現在、世界で最も魚をたくさん生産しているのは中国だ。養殖を含めた生産量は五千万トン近くに達している。これは何と全体の三分の一以上を占めており、二位のペルーの約一千万トンを大きく引き離している」(P19)
    「漁船の数は増える一方なのだが、捕れる魚の数は減っている」「どんどん少なくなる魚を、どんどん多くなる世界の漁師が先を争って捕ろうとしている」(P19)
    「中国が国連に漁獲量のデータを毎年過大に報告していた疑いが強く、安定していると考えられていた世界の漁獲量が実は一九八八年から減少傾向にある」(P21-)
    「たとえ漁獲量が上がっていたとしても、捕れる魚の種類が、どんどん小さな魚、つまり食物連鎖の下部にある魚に移っていっている」(P26)
    「日本は世界で捕れるマグロのおよそ三分の一、刺身用マグロにいたってはその八割以上を消費している」「この「マグロビジネス」が世界の海と漁業を大きく変えてしまった」(P35)
    「ある地域で魚が捕れなくなると、漁船は別の漁場に移動、そこでも魚がいなくなるまで捕り尽くし、次の漁場に向かう」(P53)
    「便宜置籍船と呼ばれる漁船による国際規制逃れのマグロ漁の問題」(P58)
    「枠の設定を念頭に置いて、自国の既得権益を確保するために、年間の漁獲量を水増しして報告していた疑いが強い。ところが、九八年に枠が設定された途端に、これらの国の漁獲量は急激に減少。今度は、枠を超えて捕った分をごまかすために、過小に報告している疑いが持たれている」(P66)
    「ミナミマグロと大西洋西部のクロマグロを」「「絶滅の危機が差し迫っている種」にリストアップ」「ビンチョウマグロとメバチマグロも、一部の個体群が絶滅危惧種に指定」(P67)
    (日本で)「シラスウナギの漁獲量はこの三十五年間に五分の一以下に、成魚の生産量も三分の一以下に減っている」(P76)
    「ヨーロッパウナギの漁獲量が、過去五十年ほどの間に百分の一近くまで減少したとみられることが、オランダ政府の調査で分かった」(P76)
    「マサバ太平洋系群資源回復計画」「サバの稚魚を大量に一網打尽にしてしまうことが多い大型や中型のの巻き網漁業を適当な間を置いて休漁させることで、資源回復を目指そうとの内容」「大衆魚と呼ばれ、身近な魚の代表だったマサバの資源を、こんなにまでして保護しなければならないのかと受け止めた漁業者も少なくなかった」(P82-)
    「不漁が続いたため近年、サバの価格は値上がり気味である。そこに目を付けて参入してきたのがノルウェーの漁業者だ。もちろん日本の商社が背景にいる。品質が落ちやすいサバを瞬時に冷凍し、温度管理などをしながら日本に持ってきても儲けが出るくらいサバは高価なものになったとも言える」(P83)
    「実を言えば、漁獲量の増加はタラが豊富なためではなく、近代装備のトロール船団が残り少ない魚群を確実に探り当てて効率的に捕獲する結果である」「そして、ついにカナダ政府も現実を直視しなければならない時が来た」「タラ資源の回復のために、ほとんどの漁場で、タラを禁漁にするという措置を決定」(P90-)
    「禁漁によって陸に上がることを余儀なくされた漁民の数は約三万人、加工工場などの関連業界まで含めると四万二千人以上が職を失った。彼らは政府からの補償金を受け取り、毎日、海を眺めて過ごす日々が続いたという」(P91)
    「スケトウダラの日本人にとっての重要性が飛躍的に上昇したのは、一九六〇年代に」「大型の漁船の船上で、魚の身を加工、冷凍する技術を開発したためだ... 続きを読む

  • 乱獲や地球環境の変化で漁獲量が激減してるのは知ってましたが、まさかこんなに深刻な問題となっているとは想像を越えていました。
    しかも、養殖に伴う環境破壊や低開発地からの搾取、便宜置籍船など様々な問題が山積している漁業資源ですが、ただ単なる批判に終始するのではなく、消費者として行動すべき点についても触れていて、とっても共感しました。

  • [ 内容 ]
    日本は世界一の魚消費国。
    しかし生産量(漁獲+養殖)ではすでに世界第6位まで落ちている。
    乱獲が進み、養殖も環境破壊など問題山積。
    私たちはいつまで魚を食べ続けることができるのか。
    身近な話題でありながら、知られてこなかった現実を明らかにする。

    [ 目次 ]
    第1章 乱獲の実態(海から魚がいなくなる? マグロ ほか)
    第2章 養殖は漁業を救えるか(養殖の可能性と問題 オーストラリアでのマグロ畜養の成功 ほか)
    第3章 不当表示と代用品(貝の不当表示は当たり前? ウナギの偽装も多発 ほか)
    第4章 漁業の明日(持続可能な漁業をどうやって実現するか 地球温暖化が脅威に ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 題名に目を引かれて読んでみたが、魚介類の資源量が資料的にはどうだこうだ、こういっている人がいるなど、資料の解説を延々と聞かされているような感覚であった。

  • 分類=自然・海・魚介類・水産業・食生活・人間。05年8月。

  • 漁業資源の食いつぶし・・・地球の滅亡へのカウントダウン

  • 魚好きは読んでおけ。魚好きじゃない人は肉でも食っとけ。

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