解剖男 (講談社現代新書)

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著者 : 遠藤秀紀
  • 講談社 (2006年2月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498280

解剖男 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • ああ、私のいた学科が批判されている…
    確かに形態学のつまらなさは本当に…
    うちの友人たちはことごとく苦手で再試行きだったからなぁ。

    貴重な動物の解剖姿が出てきます。
    気持ち悪い、と言うほどの画像は出てこないので
    安心して読みすすめて下さい。
    しかしこんなに物語るものを焼却処分なんて
    もったいない話ですよね…

  • 解剖の世界を平易な言葉で書いてある。
    人体の話ではないが、興味をそそられる話ではある。
    大学が法人化された際に文化系学部が苦境に陥ったように、解剖学もまたさみしい状況らしい。
    借金と官僚支配の我が国では厳しいだろうが、金銭面以外では応援したい。

  • 《目次》
    第1章 時々刻々遺体あり
    第2章 遺体、未来を歩む
    第3章 硬い遺体 
    第4章 軟らかい遺体
    第5章 遺体科学のスタートライン
    《内容》
     学校図書館。解剖学が生物の進化の説明になったり、人類の歴史にも関わりがあるのだ、とわかった。一方どこの学会も私欲にまどわされされ易く、解剖学も風前の灯火らしい。

  • 古本で購入。

    「遺体科学」の重要性を唱える著者の、知の宝庫たる動物“遺体”への挑戦と、解剖によって解き明かされた真実を紹介する本。
    骨から謎を解く「硬い遺体」、臓器や筋肉から謎を解く「軟らかい遺体」の2章を中心に、著者の経験が語られていく。

    個人的におもしろいと思ったのは、第2章「遺体、未来を歩む」。
    ハチ公など有名動物の“派手な”遺体だけが大切なのではない、オリイジネズミなどのマイナーで地味な遺体も社会の知の成熟にとって重要なのだ、という主張のための章だ。

    興味深いのは、昭和30年代に一世を風靡したライオン♀とヒョウ♂の種間雑種「レオポン」についての著者の見方。
    現在では愛護思想から批判され、意義のないこととされる種間雑種であるが、著者は
    「当時のヒトと動物の関係は、まったく様相を異にしていた」
    と言う。当時は
    「動物園はいかに“珍獣”を大衆に見せるかが、求められる責任だった」
    のであり、
    「新しい育種個体を生み出すことが、古典遺伝学の“遺伝教材”として科学教育的にも評価された時代だった」
    のだとする。
    「動物観を支えた時代背景」
    というのは、忘れてはいけないキーワードだろう。
    現在の考え方で評価・批判するだけでなく、「なぜそれがなされたのか」「なぜそうだったのか」を考える必要がある。

    掲載されている遺体標本と著者の写真はインパクト大。喜びに溢れる、というのを通り越してほとんど狂気を感じさせる。
    妙なタイトル、一風変わった文体、狂的な表情…色モノっぽさが漂う本だけど、科学にかける情熱は本物。

  •  動物の死体,もとい「遺体」の観察の仕方と,解剖学の楽しさについて熱意溢れる。著者の本は二冊目だが,解剖への愛が高じててかなりエキセントリック。冒頭から,バイカルアザラシの眼球の解剖を通勤電車内でイメトレする話w
     筆致は前のめりでも,内容は確か。さまざまな哺乳類の解剖雑学がちりばめられていて興味が尽きない。骨・歯という「硬い遺体」と,その他の「軟らかい遺体」に大きく分けて対照的に論じられる。共通する観点は,「適応」と「系統」。
     硬軟ともに組織の形状は「生きるための回答=適応」と「歴史からの制約=系統」を併せ持つ。遺体から得られる情報が,多くの知見をもたらしてくれる。その解剖学の現状は,あまり恵まれたものではない。未来の「遺体科学」へつなげるために,なにをすべきか,著者の視線はそこへも向いている。

  •  解剖を通じて骨についていろいろと明らかになってきたことを説明している。すぐお金に結び付かない解剖が経済界や政府から経費が与えられないことについて、うらみつらみをしっかりと述べている。

  • 動物の遺体解剖を通じて、進化のあり様を活写し、終盤では解剖学を巡る現代の貧困と、遺体科学への展望と責任の重大さを説く。非常に面白く、かつ、勉強になります。

  • 解剖学
    筆者が楽しんでいることは伝わってきました。

  • [ 内容 ]
    24時間戦う遺体科学者、動物進化の神秘へ迫る。
    合理性がないという理由で、社会や学界から遺体現物と解剖学の理念が棄却されているが、まだそこには新たな事実があふれている。
    24時間戦う遺体科学者、動物進化の神秘へ迫る。
    遺体から見出される事実を芯に捉えた一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 時々刻々遺体あり(乗車率二〇〇パーセントの闘い 鍛えられるセンス ほか)
    第2章 遺体、未来を歩む(ハチ公、いまを生きる 上野に帰ったタカオ ほか)
    第3章 硬い遺体(骨に問う 骨が語る履歴 ほか)
    第4章 軟らかい遺体(骨から軟らかい遺体へ 研究の難しさ ほか)
    第5章 遺体科学のスタートライン(消えた解剖学 「遺体科学」、始まる ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 動物のことについて書かれている部分は、それなりに面白かったんですが、
    解剖学を軽んじている現代日本の学術風潮(?)について書かれている部分は、
    ちょっと首を傾げたくなる表現もありました…

  • 著者の情熱は理解した。クジラと牛がもとは一緒、とか奇蹄類の足、とか面白かったかな?090327

  • 著者は「科学の扉をノックする」に登場する科学者の1人。
    生物は中学校理科までの知識+一般向け科学雑誌レベルしか持ち合わせていないが、なかなか面白く読んだ。
    文章がかなりくどい。森見登美彦の小説の登場人物に近いものがあるように感じた。昨年読んだ「大文字山を食べる」という本もそうだったが、お話の中だけではなく、こういうタイプは実在するのだな…。独りよがりな面も含めて、自分の取り組む対象への愛情と責任が強く感じられる。

  • 高校生のときに読んでおきたかった。写真を見るだけでも楽しい。むずかしい話は多くないです。

  • シロクマの腎臓はクジラの腎臓と共通点があるんだって!バイカルアザラシの眼球は人間の拳大なんだって!もう目からウロコばっさばっさ落ちた!

  • 動物の遺体から進化を見ていく本。最初は、バイカルアザラシを筆者の脳内で解剖する、という我々には極めてわかりづらい記述から始まるのですが、他の記述はわかりやすいと思います。骨と内臓にわけて遺体を考察するのですが、個人的には内臓の話がおもしろかったです。象の腎臓と鼻の長さについてとか。

  • 文章がやや大上段に構えすぎている感もあるけれど、解剖学の現状を憂い遺体科学の魅力を伝えたい著者の気持ちが伝わってくる。

  • その名の通り、解剖を生業とする男。写真もあるが文章が面白い。

  • 科学的な視点のあり方、遺体科学提唱の必要性を、わかりやすく述べる。面白い。

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