「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書)

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著者 : 岩瀬彰
  • 講談社 (2006年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498587

「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

  • ゼミの課題読書の一冊。
    戦前日本の国民の生活状態などが詳しく分かり、当時の状況や、戦争に向かってしまった原因などについて考察することが出来た。

  • 昭和初期の統計が面白い

  • 明治大正昭和の給与をエピソードを交えて説明したものである。給与について卒論を書くためには広い視野を与えてくれるであろう。最後に月給に縛られたサラリーマンが来る戦争の姿にも反対しなかったということに著者の意見が伺える。

  • 戦前(昭和ヒト桁)って、いまとなんとなく近い雰囲気がある。もっとも、格差は今の方がまだ小さいような感じはするが。
    大学を出ても、就職できない学生がたくさんいた時代という点も、「もう一度同じ道を歩く」ような、そんな不安が残る。

  • 戦後と戦前は生活はそんなに違いがない!むしろ昭和30年代の生活は戦前に近い。だからこそ、非常に懐かしい時代であるという説明は納得です。きっと戦争により政治体制などは大きく変わっていても、衣食住は30年代後半からの高度成長による電化生活による変化の方が大きいのだろうと感じるからです。物価が安定していた昭和9~11年と比較して今は2000倍の両替率だという考え方は分り易く、今後参考にしたいと考えます。それにしても昔(今の学生の曽祖父の世代)の学生も今と全く同じように、「お受験」競争、就職難と知識階級の没落、そして勉強しない体たらくなど、それ以外にも「最近の若い人は」といわれていたというのは面白い限りです。

  • 戦前、昭和一桁代のお話。当時の収入の一つの基準が、月給百円だったという。
     
     本書を読むと、今から70年位前の時代であるが、昔も今も、人間の営みに大きな変わりは無いようだ。
     もちろん、女性の服装が和服から洋服になったり、食文化が変化したりしてはいる。大学進学率も大きく伸びている。
     
     また、学歴による差が大きな差である事に、驚かされる。
     ある一流企業の場合、帝大卒の初任給が90円に対し、中卒程度が35円
    である。(当時は中卒出も十分高学歴だった。)
     そして、その差は、開くことはあれど、縮まることは無いのだ。
     また、軍人も安月給だった。
     同年齢の官僚・教授・少佐で比較した場合、少佐は、年俸2,330円でしかないが、商工省局長で年収4,300円、東大教授で3,250円であり、その待遇には大きな差がある
     あの、赤い彗星のシャア少佐でも、大日本帝国軍人であった場合、年俸2,330円ですよ。(当時の中流の目安は年収3,000円だった。)
      
     この大きな格差が、あの戦争へとつながっているのかもしれない。

  • [ 内容 ]
    「昭和戦前期」は本当に暗黒だったのか?
    官民格差、学歴格差の現実のなか「月給百円」目指して出世を競い、家庭では「お受験」も過熱……。
    勃興期にあった「サラリーマン社会」の内実から戦前を問い直す。

    [ 目次 ]
    第1章 お金の話―基準は「月給百円」
    第2章 戦前日本の「衣・食・住」
    第3章 就職するまで
    第4章 サラリーと昇進の「大格差」
    第5章 ホワイトカラー以外の都市生活
    終章 暗黙の戦争支持

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 副題は『戦前日本の「平和」な生活』。

    戦前は現代と比べると物価は2000分の1と言われても私など一般人にはピンとこないもの。
    庶民も財閥様もいるし、食料から娯楽品から切り口は多種多様。
    それをひとつひとつ取り上げて説明してくれています。
    戦前日本を当時の人の立場でリアルに見たいならとてもおもしろいはず。

    だいたい年収3千円が中流の目安とされているのですが(現在価値の600万くらい)、
    それに到達しているのは僅かで、全体の9割はまさかの年収650円未満(130万)!!
    人間らしい生活を出来る限度が年収500円ラインにも関わらず・・・
    貧富の差はものすごかったってことです。

    総理大臣はさすがの年収9600円ですが、一般議員はだいたい中流の年収3千円。
    軍隊もかなーり上の中佐でやっとこさ年収3千円。
    これに比べて民間は、財閥系の管理職は年収1万円くらい。トップは何十万円もあり。
    民間の方が強かったってことです。
    ただ9割が650円以下だったので、大多数は下流だったんですが。
    下流だと年収百円未満もザラだったので当然学校も行けない。
    当時尋常小学校のみの学歴が6~7割。
    しかも残りのうち旧制高校や大学に行けるのはそのうちの1割。
    かなり厳しい家庭環境に置かれ、職業も選べない人が大多数だったんです。

    あとは華族さまとかは華族保護資金という年間6千円の補助があったので特別。
    ここらへんは時代を感じますね。
    他にはやはりモガと持て囃されても女性の社会進出は厳しく、
    夫を失った女性が売春なんてのもザラだったくらい生活は悲惨。
    洋服を着ていると性に奔放だなんて陰口叩かれた時代ですもんね。
    当然社会福祉とかも全くない時代ですし。

    中には家賃だの、当時の学生の就職事情だの、初任給だのも記載。
    結構面白いです。「昔はよかった」と言うけど、いつの時代も大変です。

    特に大学生の就職事情は、100%財閥就職時代から、
    必死に学校に通う人口が増えて、大学生人口爆発などにより
    「大学は卒業したけれど」な大卒就職率50%時代になったりと時期によって面白いです。

    他には司法関係に私大出身者が多いのは戦前の時代背景があるとか・・・
    当時、私大というのは一般的に帝大などより10円くらい安いお給料で、
    昇進なども差が大きく、ひとランク下のものって扱いだったんです。
    「私大出や無学歴者」と言われてしまうくらいに深くて決定的な溝があった程に。
    で、折りしもインテリ知識階層が不足し、青田買い全盛期のとき、
    実は司法関連というのはお給料が行政官より悪かったので、
    学生へのアピールとして「私大出も全て給料も昇進も一律」として、
    せめて私大出の優秀な人材を集めようとしたなごりが今も残っている、と。

    教科書だけじゃ見えてこない戦前が見えて面白い一冊でした。

  • 戦前のサラリーマンの生活実体調査?みたいな感じ。

    なか×2おもしろく読めました。当時の給料を現在の価値に直してみてみると、わりあい今より家賃が安く、ほどよい余裕があってよかったみたいですね〜。

    あと、当時の学生について書かれた文章があるんですけど、「えっこれって現代の文章?」っていうくらい昨今言われる学生像と同じだったりして、やっぱりいつの時代も学生って同じなんだなってちょっと笑えた(笑)

    他にも、当時はかなり学歴差別が厳しかった実情とか、女性が働くことがいかに厳しく、女性が一人で食べて行くということは不可能に近かったかとか、色々と興味深く読めました。

  • 戦前の小説(谷崎潤一郎とか永井荷風とか)が好きな方におススメ。
    時代考証の一助に。

  • 「市電で7銭払って浅草へ行き、盛りそばを10銭で食べた」・・・よく見る昔の小説の1文、でもいまいちピンとこない。今とは貨幣価値が違うからだ。この本は当時の貨幣価値を庶民の暮らしぶりを中心に教えてくれる。「月給100円」「戦後」という単語を聞くとなんだかすごく慎ましい生活だったのか?と思ったが戦後は「真っ暗」ではなかったことが良く分かった。

  • 戦前の一般サラリーマンについての考察。
    当時の貨幣価値を暫定的に2,000倍すると現在の貨幣価値ぐらいなのではないかという仮定のもと、給与と家賃、物価などの実態に迫るというもの。
    月100円がひとつの指標としつつも、借家が当たり前だった時代であるため、そこまで暮らしは豊かでなかったとする。特に軍人の貧窮、都市と地方、富裕層と低所得層の格差拡大が戦争へとなだれ込む流れを形成したのではと推察する。
    大正の大戦景気によるバブルと大学乱立による卒業生の就職難、デフレ傾向などなど、そういう頭でよんでいるかということはあるにせよ、あまりに現代との相似を見出さずにはいられない。
    筆者も最後に多くのサラリーマンは反戦の声をあげなかった(あげられなかった)として、声をあげなければ戦争への流れはとめられない、今の生活を守ろうとするあまり全てを失ってしまうと警告する。

  • 大正時代から昭和初期にかけてを主題にしたサラリーマン月給記。

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