読み替えられた日本神話 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061498716

感想・レビュー・書評

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  • 『古事記』と『日本書紀』に記された日本神話が、その後の歴史のなかでどのように読み替えられ、それぞれの時代における神話的世界観をかたちづくってきたのかということを論じた本です。

    本書の中心になるのは、佐藤弘夫や山本ひろ子らの著書によって広く知られるようになったいわゆる「中世神話」における日本神話の読み替えです。さらに著者が『古事記はいかに読まれてきたか―“神話”の変貌』(2012年、吉川弘文館)で主題的にあつかった、本居宣長の『古事記伝』における日本神話の読み替えについても触れられ、また平田篤胤や近代における大本教などがとりあげられます。さらに戦後に入って、吉本隆明の『共同幻想論』や中沢新一の『チベットのモーツァルト』、宮崎駿の『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』などに見られる神話的世界に対する関心についても論じられています。

    日本神話の解釈と変奏にまつわるさまざまな話題がとりまとめて紹介されており、おもしろく読める本だと思います。

  • 日本史、特に古事記や日本書紀にまつわる話が好きな人にとっては面白いと思うが、そもそも日本史に興味がない人には、つまらないだけかも・・・まぁ、そういう人自体、本書を読もうと思わないかもしれないけれど。記紀が、時代によって変遷していったというのは、単純に学術的に面白いと思った。読みやすいことは読みやすいが、あくまでも興味がある人向け。

  • 島根の出雲に在住で、最近よく神話の話題があがるので知識をつけたくて読んでみた。
    ディープすぎて素人には辛かった

  • 古事記、日本書紀に描かれている神話が、中世で大きく変貌していることが驚きだった。仏教の神を取り込み、伊勢神宮が自分の都合の良いように解釈していく。
    中世の日本が、天竺・中国・日本という三国世界を強く意識し、そこからナショナリズムを生み出していたとは。しかも、その中心が伊勢神宮であった。

  • 古事記、日本書紀をある程度読解した方にはとても楽しく読める本だと思います。
    中世〜戦前までの解説については多少冗長ではありますが、古代〜記紀の成立に至る話、現代の神話解釈などはとても参考になりました。
    ぜひ簡単に読める神話の本を読んで、井沢元彦の古代史モノを読んだ上で読んで見て下さい。

  • 中世日本記の存在を初めて知った。
    神話の解釈というより、新たな神話を新発想で作っていくなんて
    そんな自由な気風が日本にあったんだぁ~と感心したり、
    いや、都合良く解釈する(新しい別の物語かって程に)のはやっぱり上手なのか~と感心したり(^^;

    ともあれ、ナウシカまで言及するあたり、広く神話を捉えていて、
    神話って、ある意味、物語の御先祖様なんだなぁ~と。

  • [ 内容 ]
    神様って、こんなにアバウトでこんなに面白い!アマテラスが蛇になり、安徳帝がヤマタノオロチに姿を変え、イザナギ・イザナミからアダムとエバが生まれ、「天皇即位の秘儀」が封印され、ナウシカが現代の神話となるまでの奇想天外、神々の変貌!
    『古事記』から『もののけ姫』まで時代に改変された神話の千三百年史。

    [ 目次 ]
    第1章 古代神話を読む(荒ぶる英雄神スサノオ 「シャーマン王」オオクニヌシ アマテラス、戦う女神から皇祖神へ)
    第2章 『古事記』『日本書紀』の成立と平安王朝の神話学(『古事記』『日本書紀』の生成 平安王朝の神話学)第3章 「中世日本紀」の饗宴(驚異の中世日本紀 「仏」を宿す日本神話 神話工房としての伊勢神宮 アマテラス、メタモルフォーゼ)
    第4章 『古事記』の再発見から幕末の「日本神話」へ(宣長・篤胤の「日本神話」
    幕末志士たちが読んだ日本神話)
    第5章 日本神話の「近代」(国家神道と日本神話の不幸 戦後・ポストモダンの「日本神話」)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 神様って、こんなにアバウトでこんなに面白い!アマテラスが蛇になり、安徳帝がヤマタノオロチに姿を変え、イザナギ・イザナミからアダムとエバが生まれ、「天皇即位の秘儀」が封印され、ナウシカが現代の神話となるまでの奇想天外、神々の変貌!『古事記』から『もののけ姫』まで時代に改変された神話の千三百年史。

  • 未読

  • 2007/11/16読了

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著者プロフィール

佛教大学教授

「2024年 『〈学知史〉から近現代を問い直す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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