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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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よく私たちはしばしば知人と久闊を叙するとき、「お変わりありませんね」などと挨拶を交わすが、半年、あるいは一年ほど合わずにいれば、分子のレベルでは我々はすっかり入れ替わっていて、お変わりありまくりなのである。かつてあなたの一部であった原子や分子はもうすでにあなたの内部には存在しない。
― 162ページ -
これを乱すような操作的な介入を行えば、動的平衡は取り返しのつかないダメージを受ける。もし平衡状態が表向き、大きく変化しないように見えても、それはこの動的な仕組みが滑らかで、やわらかいがゆえに、操作を一時的に吸収したからにすぎない。そこでは何かが変形され、何かが損なわれている。生命と環境との相互作用が一回限りの折り紙であるという意味からは、介入が、この一回性の運動を異なる岐路へ導いたことに変わりはない。
― 284ページ -
生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスをとりつつ、同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている。それが動的な平衡の謂いである。それは決して逆戻りのできない営みであり、同時に、どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである。
― 284ページ
みんなの感想・レビュー・書評
科学的読み物としてすごく完成度が高いです。 生物学にそこまで興味がなかったのですが、なんとなく読み始めてぼっとうしてしまいました。
楽しい、けど、ベストセラー?
プロジェクトX的な楽しみとも、ブルーバックス的なのとも違う。何といえばいいのかな。
そこまで売れる本だったのだろうか。
あ、いや決してつまらなくはない。
間違いなく面白い。理系のみならず幅広い人々に支持されると思う。科学にとらわれず大変興味深い内容で、テンポも良いのでエッセイとしても十分に楽しめます。
生物と無生物の間にあるものは何か。それは、ウィルスである。なぜ、ウィルスなのか。 「ウィルスは、栄養を摂取することがない。呼吸もしない。もちろん二酸化炭素を出すことも老廃物を排泄することもない。つまり一切の代謝を行っていない。ウィルスを、混じり物がない純粋な状態にまで精製し、特殊な条件で濃縮すると、『結晶化』することができる。これはウエットで不定形の細胞ではまったく考えられないことである。結... 続きを読む »
新書ってもっと無味乾燥なイメージがあったんだけど、この作品は血の通ったとても暖かい物語のようだった。
研究者同士の泥臭い諍いがとっても意外。
生物学者にしては、表現力が豊かで、分かりやすい。物語として、生物学、遺伝子学の仕組みや歴史が理解できる。よかった。
生物出身の私にはとても興味を惹かれる生物と無生物のあいだ。筆者はなかなか凄い実績を持つ学者さんです。TVでちょくちょく見てましたけど本読んで学者としての姿をより深く知りました。 さて内容ですが、タイトルをダイレクトに反映させたものとはなっていないように感じました。個人的にですが、タイトルにある「無生物と生物のライン」について深い学問的視点から解説してくれているものなのかと思って期待してま... 続きを読む »
この本は、学術研究の実態(いわゆる象牙の塔)の話からはじまり、DNAの発見、分子生物学、動的平衡、そして、時間を加味した生命観で締めくくられます。そして不思議なことに、コンピュータや組織作りにも応用できそうな話なんです。 たとえば動的平衡の本質である「絶え間なく壊され続けられながらも、もとの平衡を維持することができる」については、いつの日か、そういったシステムを作ることができる日が来るのかと... 続きを読む »
話題だったからと積読し、ようやく読破!
好みが分かれるんだろうなぁ。
確かに、理系の図書でありながら、文系のような面白みのある表現とドラマチックな展開は、小説を読むがごとく。
とはいえ、途中から、肝心の話題を脱線し、著者の専門分野の話になり、最終的な落としどころでイマイチ収束させきれてないんじゃ?
と感じて、この本の主題ってなんだったんだろう?と感じてしまった、自分。
過度な期待や、タイトルに過剰なまでの興味を持ってしまったためで、きっと普通に出会って読んだ新書であったのならば、きっと引き込まれて読んでたのだろうな。
理系の方々はもちろん、興味はあるけど難しそうじゃない?という文系アタマの方に、入り口orリフレッシュの気分で軽く読んでもらいたい一冊。
美しい文体。シェーンハイーマーの動的平衡のくだりは、文学を読むような筆致である。あとがきもすばらしい。付け足しではない、結論なのだ。生命に対する我々の姿勢はどうあるべきかの。 全体を通してみると、この本がドラマ的な要素に満ちていることに驚く。分子生物学の醍醐味、それをめぐる人々。PCR、ES細胞、ワトソンとクリック、エイブリー・・・ ・ウイルスは一切の代謝を行っていない。 ・直感は研... 続きを読む »
とにかく新書を10冊読み切ろうキャンペーンの一冊目に選んだ本。前に図書館で借りて挫折したのだが、本棚に入っていたので根性で読んでみた。
DNAに関する研究に貢献した科学者のストーリーを、筆者の経験も含めながら話す。最後まで読み終えて、筆者は文章が上手い人なんだろうな、と思った。自身の研究をど素人の読者に理解させる技量があるらしく、理解できない部分がなかった。一冊分の文章に蛇足はなく、どこに展開するか分からなかったはじめの章も必要なものであることが分かる。ただ、テーマ自体には興味がなかったので、読み切るのは辛かった。
ミクロレベルで突き詰めてもなお、生物は単なるメカニズムではないんだね。動的平衡。細胞もタンパク質も時間の流れの中に生きている。
「爆問学問」の初期に出演されてましたね。よく覚えてます。「くいだおれ太郎さんですか?」とか突っ込まれていたような。ともかく。
「いつ見てもお代わりありませんね」というのは大嘘で、分子レベルでは常に変動してると。なんか本のレビューなのか、番組のレビューなのかわからなくなってきた。しかし、この方は文章が上手い。下手な作家さんは見習うべきだろう。
3.11後の事で気付かされたのは、科学を学んで来た身であるのに科学・技術に対する宗教的盲信である。(科学と技術は違うものだし、政治的背景もあるが)安全神話を“そういうもの”と補強していた。
「宗教は信じるものだが科学は観察すること」星新一の言をこの書で改めて考える。幾度担当教官に「よく見なさい」と言われたことか。写真・データ、それが何を意味するものか、どのように見るかで導き出される世界は違う。
人々に科学的素養の種を蒔く、そんな一冊になっている。
願わくば芽生えることを。
読みやすいとはいえ、こういう理科系(入門)の本がベストセラーになるのは、理科離れなんかいっても皆知りたいんだね。
生物学的な所は理解できなくとも7章は必読。
筆者のアメリカの研究室での生活、研究から広く生物と研究者について知ることができる本。
筆者の専門は細胞分子生物学。
生物系の研究職を目指す大学生は読んでおくとよいと思う。
研究者でなくてもここに細胞分子生物学の基本的な考え方や実験手法が載っているので研究者がどんなことをしているかや研究者自身の生活、なりかたなどを知りたい人にも良い本だと思った。
生物系の研究室にいた私はすらすら読むことができた。
研究室に入る前に読んでおけばよかった。
科学を読み物として面白く書く才能がある人だと思った。文体は英文を和訳したようなところがあるが、とても読み易く面白い。「フェルマーの最終定理」を書いたサイモン・シンの文章(の和訳)に似た印象を受けた。ただし、「生物と無生物のあいだ」の答えを追い求めるという視点でこの本を読むと、寄り道が多く、結局答えはなに?という感じになると思う。そういう視点で読む本ではないと思う。
文系理系に関係なく楽しめる本。
なんだか小説を読んでる気分になりますが、生物に関する知識も増えて勉強にもなりました。
もう少し早くこの本に出会っていれば…
文章がうまい!シェーンハイマーとかフランクリンとか知らなかったから勉強になった。生命って不思議だ。
偉大な研究者のエピソードから、魅力的な生物学の世界をのぞき見ることができる本です。
典型的な文系人間でちゃんとした研究をしたこともない私ですが、研究というもののドラマチックさに初めて触れることができ、新鮮な感動がありました。専門的な内容もかなり噛みくだいて解説してくれて分かりやすかったかな。

生命とはなにか。生物と無生物はどうやって見分けるのか。
最初は自らを増やせるかどうかと考えていたが、動的平衡だと結論づける。
ウイルスは全く同じ形をしていて物質に近いが、自らを増やせる。
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