讃岐典侍日記 (講談社学術文庫 193)

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著者 : 森本元子
  • 講談社 (1977年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061581937

讃岐典侍日記 (講談社学術文庫 193)の感想・レビュー・書評

  • <目次>
    まえがき
    凡例
    上巻 
     序
     御重態の日々
     一 六月二十日のことぞかし
     二 かくて七月六日より
     三 日の暮るるままに
     四 すこし御粥など参らすれば
     五 たれもいも寝ず
     六 おどろかせたまへる御まみなど
     七 せめて苦しくおぼゆるに
     八 明けがたになりぬるに
     九 また人のぼらせたまへと
     一〇 大殿立たせたまひぬれば
     一一 御前に金椀に氷の
     最後の三日
     一 十七日のあかつきに
     二 明けぬれば大臣殿参りたまひて
     三 例の御方より人つかはしたり
     四 参りて見れば殿や大臣殿など
     五 例の御かたはらに参りて
     六 受けさせまゐらせ果てて
     七 かかるほどに三位のもとより
     八 大臣殿の三位帰り参られたれば
     崩御
     一 僧正召し
     二 かかるほどに日はなばなと
     三 御障子より投げ入れらるるものを
     四 大臣殿参らせたまひて
     五 藤三位殿は
     六 御乳母たち立たれぬれば
     七 昼御座のかたに
    下巻 
     再びの出仕
     一 かくいふほどに十月になりぬ
     二 故院の御かたみには
     三 かやうにてのみ明け暮るるに
     四 かく沙汰するを聞きて
     五 十九日に例の参らんと思ふに
     六 十二月朔日
     諒闇の月日
     一 十二月もやうやう
     二 明けぬればみな人々
     三 正月になりぬれば
     四 二月になりて
     五 三月になりぬれば
     六 つごもりに内裏へ参りぬ
     七 五月四日
     八 六月になりぬ
     九 七月にもなりぬ
     一〇 よろづ果てぬれば
     追憶の内裏
     一 かくて八月になりぬれば
     二 その夜も御そばに臥して見れば
     三 明けぬればいつしかと
     四 かくて九月になりぬ
     五 十月十一日大嘗会の御禊とて
     六 かやうに世の営み
     七 童女のぼらんずる長橋
     八 皇后宮の御方
     九 道すがら心やすく
     一〇 つとめて肩ぬぎまだしからんと
     一一 御神楽の夜になりぬれば
     一二 またの日
     一三 つごもりになりぬれば
     結び
     追記
    系図
    解説

    [概要]
    本書は、典侍という職掌にあり、また寵妾の1人として親しく堀河天皇に仕えた「讃岐典侍、藤原長子」が、重体から危篤、やがて崩御にいたる天皇の苛酷な現実を、悲傷と追慕の情をひたすらにこめて克明に綴った回想記録である。天皇といえども免れえないいたましい「死」をひとりの女の胸に刻み込んで記した点、他に類例を見ない。テーマも筆致もつつましく地味だが、哀痛迫る平安女流日記の1つとして愛読してほしい文学作品である。

    =================================

    日記の著者は、堀河天皇の典侍を務めた藤原長子。彼女の姉である藤原兼子(藤三位)が堀河天皇の乳母であり、この縁で筆者は天皇に親しく仕えた。典侍とは女官であるので、いわゆる天皇の妃ではないが、堀河天皇は皇后が19歳年上の叔母であったこと、次代の鳥羽天皇の母となった藤原苡子は、鳥羽天皇出産時に死去していることから、彼女はほぼ妃と同等の役目を果たしていたようです。
    本日記は原本は上中下巻の三巻構成であって、おそらく中巻が失われた、と解説で述べられていますが、上巻は堀河天皇が崩御し、天皇の象徴である神爾、宝剣が、崩御した天皇の枕もとから新帝の鳥羽天皇の元へ移されるまで、下巻は崩御から三ヵ月後、里へ下がっていた筆者の下へ、新帝へ出仕するように文が下され、新帝に仕えている時期が描かれています。

    崇徳天皇が好きな私としては、この周辺の本を読んでいるとちょこちょこ出てくる堀河天皇。どの本も「賢帝」と良い評価ばかりなのですね。政治的な面だけでなく、この日記を読むと、そ... 続きを読む

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4061581937
    ── 讃岐 典侍/森本 元子・訳《讃岐典侍日記 197710‥ 講談社学術文庫》
     

  • 堀河帝の発病から死、そしてその喪に服しながら彼を想う気持ちを綴った讃岐典の回想録。平安時代の恋愛を考える時、やはり身分差というものが先に頭に浮かぶ。特に相手が最高権力者の帝であれば、二人の仲は現代の私達とは随分違うように思える。
    だがそれが決してそうでないということがこの作品を読むとよく分かる。帝と女官という立場でありながら、二人はお互いを思いやる。見舞い客が訪れた時、そっと膝を立てることによって傍に伏している作者を人目から隠してくれた帝。その優しさは時代を経ても胸をうつ。
    文章が冗長なところは気になるが、内容に非常に心惹かれた。

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