物理講義 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 223
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061581951

作品紹介・あらすじ

ニュートンから現代素粒子論まで、物理の世界はいかに創られてきたか。湯川博士は、若い人々のために随所で自分の学生時代の経験に触れながら、わかりやすい言葉で、物理学の発展の歴史を数多くの創造的天才たちの人間像にまで結びつけて述べている。本書は「すでに創られた物理学」の概説ではなく、これから「創りだす物理学」をめざして語られた、湯川物理の真髄を伝えるユニークで興味深く、しかも格調高い名講義の全録である。

感想・レビュー・書評

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  • これはタイトルはガチガチな感じなんですが、具体的に教科書的なことが書いてあるわけでなく、湯川先生が今までに考えてきたことや、取り組み方などについて語っているものです。ニュートンなど、過去の科学者の取り組み方などについても述べられていて非常に面白いです。

    やっぱり、ふつうは教科書を読んで流してしまいそうなことも、疑問に思ったことは突き詰めていくという姿勢は見習わないといけないと思います。特に、後から教科書で学ぶことと、その学問が発展していく時代では状況が違うので、過去の現論文に立ち返ることの重要性も述べていました。

    ただ、後半の相対論などに話が及んでくると、相対論をあまり知らないこともあってかなりしんどかったです。ただ、全般的には、一般的な科学書といった感じで面白かったです。

  • 数学に向き合ってた学生時代に読んでおきたかった。物理の話は半分どころか4分の1も分からなかったけれど、某K先生の言っている暗記するまで準備する、に通じるものがある気がして、それを違う角度から話しているような気がして、当時読んでいたら何か変わっていたんじゃないかなという気になった。
    物理の話ももっと理解出来るようになりたい。
    170923

  •  (笑)(笑)

  • 本講義の対象者足り得る知識を当方は有していないため、内容については全く意味不明。何も本作の質が悪い訳ではありませんので悪しからず。
    そんな中印象に残ったのは、対話に関する日本の底の浅さにかかる指摘。半世紀も前の指摘ですが、未だ克服に至っていないかと。
    仕事場で喧々諤々やると雰囲気の悪化に直結したり、あるいは喧々諤々を悪口と捉えてしまう哀しさに直面したり、対人関係の合理性についてはほとんど深化してない気がします。

  • 物理系の大学院生への講演。学部の物理レベルの私は三日目の局所場までは何とかついていけたが、非局所場のところからぶっ飛んでしまった。ただストリングの話と余話のリンク感はまた盛り上がった。物理を知らない人が読んでもチンプンカンプンな本だろう。

  • ・縦書き。注釈は横書き。
    ・第1日:自らの想像等交えつつ易しく物理学の歴史を話していく。原子論、遠隔力に基づいたニュートンの力学の話。それに対して、エーテル、近接力の話。最後にマクスウェル。
    ・ニュートンがなぜ万有引力という力を考えたのか、その理由が見えたように思う。
    ・第2日:最初に科学者を孤立、対話、集団の型に分類。その後、前日のニュートンの話題から始まり、エーテルに代わる場の話、特殊相対論の話等。ラプラスのデモン。
    ・ポアンカレもまた特殊相対論を考え出していて(ちゃんとした理論という形になっていないにしても)、またトポロジー概念の発見もしている。特殊相対論と縮む物体。トポロジー。ここで繋がっていたのかな。とふと感じた。
    ・第3日:量子論と量子力学。128頁でシュレーディンガーの生命とはなんぞやについて。著者の追体験。量子力学と特殊相対論。一般相対論。物理量と幾何学的量とのアイデンティフィケーション。入れ物(時空)と中身(物質)。素粒子論。
    ・146頁6行「空間自身の四次元連続体というような考え方は、やはり成り立たないんじゃないか」、146頁10行「確かにマクロの世界では幾何学と物理学が結び付いていました」。
    ・155頁14行「タイム・ライクなストリング」。仲理論。

  • 1-3 物理学

  • 一応読んだけど、あまり面白くなかったなあ。開講にあたって、あとがきは原治。

  • 既読本

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著者プロフィール

理学博士。専門は理論物理学。京都大学名誉教授、大阪大学名誉教授。
1907年に地質学者小川琢治の三男として東京生まれ、その後、1歳で転居した京都市で育つ。23年に京都の第三高等学校理科甲類(16歳)、26年に京都帝国大学理学部物理学科に入学する。33年からは大阪帝国大学講師を兼任し、1934年に大阪帝国大学理学部専任講師となる(27歳)。同年に「素粒子の相互作用についてⅠ」(中間子論)を発表。日本数学物理学会の欧文誌に投稿し掲載されている。36年に同助教授となり39年までの教育と研究のなかで38年に「素粒子の相互作用についてⅠ」を主論文として大阪帝国大学より理学博士の学位を取得する(31歳)。1939年から京都帝国大学理学部教授となり、43年に文化勲章を受章。49年からコロンビア大学客員教授となりニューヨークに移る(42歳)。同1949年に、34年発表の業績「中間子論」により、日本人初のノーベル物理学賞を受賞。1953年京都大学基礎物理学研究所が設立され、所長となる(46歳)。1981年(74歳)没。『旅人―ある物理学者の回想』、『創造への飛躍』『物理講義』など著書多数。

「2021年 『湯川秀樹 量子力学序説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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