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この作品からのみんなの引用
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自分の幸福のために自分の個性を発展していくと同時に、その自由を他にも与えなければ済まん
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もし自然派の作物でありながらこういう健全な目的を達することが出来なければ、それこそ作物自身が悪いのであるといわなければならない。悪いという意味は作物が出来損っているのです、どこか欠点があるというのです。…そういう作物にはどこか不道徳の分子がある、すなわちどこか非芸術の所がある。すなわちどこか偽りを書いているのだという事に帰着するのです。有の儘の本当を有の儘に書く正直という美徳があればそれは自然と芸術的になり、その芸術的の筆がまた自然善い感化を人に与える
― 112ページ -
元来自分と同じような弱点が作物の中に書いてあって、己と同じような人物がそこに現われているとすれば、その弱点を有する人間に対する同情の念は自然起るべきはずであります。また自分もいつこういう過失を犯さぬとも限らぬという寂寞(じゃくまく)の感も同時にこれに伴うでしょう。己惚の面を剥ぎ取って真直な腰を低くするのはむしろそういう(自然主義)文学の影響と言わなければなりません。[これが自然主義の健全な結果であり、目的である]
― 112ページ
みんなの感想・レビュー・書評
伊藤忠丹羽前社長が読んだ本ということで、きっと素晴らしい考え方が書かれているんだろうとに興味を持って読んだ。 【私の個人主義】 文学を学んでいた夏目漱石。始めは周りの意見に耳を傾けていた。しかし書物を読む意味がわからなくなってしまった。その時はじめて、文学とはどんなものか、その概念を根本的に自力で作り上げるほかないと悟った。それまでは全くの他人本意であった。彼は自己本意という言葉を自分の手... 続きを読む »
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http://yamato.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?bibid=TW00054193&maxcnt=1000&listcnt=50
夏目漱石の講演集であります。いやあ面白い。 面白いといふと語弊がございますか。 鹿爪らしい顔をして気取つてゐる有名な写真がありますが、実際にはきつと茶目ツ気のある人なのでせう。 「道楽と職業」に於ける道楽とは、まあ学者とか芸術家とか、さういふ職業のことを指してゐます。 官吏や会社勤めと違ひ、自分の匙加減で仕事をする人たち。やくざな職業と思はれてゐたのでせう。 それにしても明... 続きを読む »
思想家、夏目漱石。考えている。 高校でも習った「現代日本の開化」をはじめとする文明論・文化論はお見事。100年以上経った今でも通用するような普遍的な議論が展開されている。最近進路のことで迷いが生じていたのだが、「道楽と職業」における職業論はよい視点を示してくれた。これは個人的な収穫。 そして何より表題作「私の個人主義」が素晴らしい。大学在学中という今この時期に読めて本当に有意義だったと思う... 続きを読む »
軽妙な文体、平易な言葉、真摯な人柄。少しの皮肉とユーモア。
漱石先生ほんとうに素敵です。
夏目漱石の講演集。 ・私の個人主義 他人本位で生きてきた夏目漱石がロンドン留学を経て自己本位の生き方に気付いた。 今から見ると別段新しいことはなく、「個人主義」という言葉自体に悪いイメージもないけど、この時代では偏った個人主義に悪いイメージが付きまとっていたことは容易に想像できる。その時代に「個人主義」という言葉を使って自己本位の生き方を説明したところに意義があった。 言葉の上っ面... 続きを読む »
凄いの一言に尽きる。
近代日本開化を多面的に見て、自分の中で明確に捉えてる。なかでも個人主義の解釈には感動して言葉が出ない。
漱石さんが戦中に生きてて、あの暴走した社会を見てたら何を感じたんだろうか
夏目漱石の講演録。約100年も前のものとは思えない、現代にも十分通用する優れた思想を読み取ることができる。同時期に読んだ内田樹にも漱石と同じようなことを言っている、と感じる箇所があったのがその証拠。ユーモアを交えた語りなので楽しく読めます。
ちなみにゲーム理論の教科書によると、自由で自律的な個人がいかに協力してより良い社会を作ることができるかを研究する学問であるゲーム理論の背景には、夏目漱石の「わたしの個人主義」に見られる近代個人主義思想があるらしいです。いずれにせよ様々な分野に引用され得る普遍性を持っているということ。
青空文庫で読みました。
夏目漱石の作品では「こころ」しか読んだことがありません。
この方はこういった講演も上手なんだなあと思った。ちょっとしたくだらないもこともおっしゃるのですがそういうところも面白くて好きです。
何か時代の変わり目みたいな所が今と通ずるものがあって為になる言葉が多いです。
「ある人は今の日本はどうしても国家主義でなければ立ちいかないようにいい振らしまたそう考えています。しかも個人主義なるものを蹂躙しなければ国家が亡びるような事を唱道するものも少なくありません。けれどもそんな馬鹿気たはずは決してありようがないのです。事実私共は国家主義でもあり、世界主義でもあり、同時にまた個人主義でもあるのであります。」
「一体国家というものが危くなれば誰だって国家の安否を考えないものは一人もいない。国が強く戦争の憂が少なく、そうして他から犯される憂がなければないほど、国家的観念は少なくなって然るべきわけで、その空虚を充たすために個人主義が這入ってくるのは理の当然と申すより外に仕方がないのです。」
いかに生きるべきかを若者に向けて説いた講演「私の個人主義」を収める。苦悩と孤独を経て漱石が晩年に到達した境地とは。そこから発せられる渾身のメッセージは、現代を生きる私たちにも生き方の指針を与えてくれる。
青空文庫で読んだものだから、標題の、私の個人主義しか読んでいないので、本のレビューとしてはかなり欠陥があるとは思いつつも書くことに致します。
しかも読み終えてから半月ばかり経つから、内容もうっすらとしか覚えていない始末ではありますが、
とにかく、漱石大先生の語り口が軽妙で相変わらず読んでいて気持ちがいい。
彼の人生の歩みかたというか、人生に対する真摯な姿勢っていうのは、なかなか貫くのが難しい。皆がみな、彼のように、選びとった、掘り当てた人生を送れたならばいくぶん明るくなるだろう。この国も。本来はそうあるべきなんだけれど、どうしてそうなっていないのかってことに結構興味がある。不可能なのか、可能なのに何かの食い違いで達成できていないのか。もし不可能ならば、どうすれば可能になるのか。何かの食い違いなら、その食い違いの源はなんなのか。
議論を出来たら有意義かなあ。
ぼくが漱石の小説、特に『猫』が好きであるとか、そういうことはここでは脇に寄せておく。 当書の表題ともなっている『私の個人主義』という講演録は、まずひとこと、すばらしい。 これだよ、これを求めていたんだ――と熱くなったところで、評価★5つは確定した。 かの著名なJ・Sミル『自由論』はこういう土壌で生まれたのか、と妙に得心した風情にひたったり、漱石の語り口調の軽妙さに心がほころびたり、今... 続きを読む »
このとき私は初めて文学とはどんなものであるか、その概念を根本的に自力で作り上げるより外に私を救う道はないのだと悟ったのです。 ・・・ 私のようなつまらないものでも、自分で自分が道をつけつつ進み得たという自覚があれば、あなた方から見てその道が如何に下らないにせよ、それは貴方がたの批評と観察で、私には寸毫の損害がないのです。 私自身はそれで満足するつもりであります。 ・・・ ああ此処に俺の進... 続きを読む »
本のタイトルにもなっている「私の個人主義」は40pに満たない講演録ですが、己の人生を考えるエッセンスが詰まったものであった。
・自己の個性と他者の尊重、自由と秩序
・権力と義務、金力と責任
漱石も人生の中で懊悩し、考え抜いて「自己本位」という言葉を己の手で握った。私も事を得られるように精進したい。
彼の示した『個人主義』の考え方に深く納得させられた。権利とは一種の自由であり、自由には限度がないと無秩序状態に陥ってしまう。義務がないとカオスの世界を作り出すことになりかねない。だから権利を持つことを許された者は、それをどこかで還元すべきなのだ。それが義務なのであり、新たな自由、権利を生み出す元になってくれる。今を生きる私も、そのことを忘れずに生きていこうと思った。
一度読み終えた...
多分 凄くいい事が書いてあるんだと思う... 読解力が無くてきっと1/10も理解してないんだと思う。
最後の「解説」をもう一度じっくりと読んで、そして次に「私の個人主義」を読み、後ろから読んでみようと思う...
内面の形成、個人主義 個人がとても自由でありながらとても秩序のある国イギリス
己の進むべき道を「掘り当てた」という確信を見つける事の大切さ...
等々...
講演を収録した物...
未だ、はっきりと理解してないけれど、これから生きて行く上で、そして社会の中で気持ちが揺れ動かないで居られる為に何をしたら良いのか...を考える。という事を考えなければ...と気付かせてくれる一冊だと思う。
ちゃんと理解する迄 何度でも読まなくちゃ..

09/01/22、ブックオフで購入。





