- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061588516
作品紹介・あらすじ
本書は、「甘え」理論で国際的に知られる著者が、精神分析の理論と実際を体系的に概説した書である。それまでの研究成果を初めて一気に書き下ろした処女作である点で重要なばかりでなく、精神分析の全体像を、ふつうの日本語の表現を手がかりに展開している点が極めて独創的である。しまりや・すまない・こだわる・とりいる等の日常語を分析しながら独自の世界を形成し、やがてその延長上に豊饒な「甘え」理論を開花させることになる。
感想・レビュー・書評
-
『「甘え」の構造』(弘文堂)で有名な著者が、フロイトに始まる精神分析学の基本を解説している本です。
「甘え」理論などの著者自身の見解はあまり表に押し出されておらず、フロイトの理論やその治療実践についてのオーソドックスな解説という印象ですが、若干クセがあるようにも感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
具体例をあげながら,なんとか精神分析に肉薄する本書は,初心者からベテランまでの層を対象にしている。
日本語の表現や、文化的な問題へ切り込むあたり、土居の思想の萌芽が散見される。精神分析の限界性を認めつつも、その展開を追っている入門書。
ただし、表現や言い回し、訳語が古いという点には注意が必要。また、土居のオリジナルの訳し方もある。 -
精神分析の理論と両方への応用が解説された本。この本がわかりにくいという訳ではないが、僕自身はこの本の内容をあまり理解することができなかった。実際に本書は平易な言葉で書かれておりわかりやすい。しかしながら、精神分析独特な科学の考え方が取っつきにくかったのではないかと思う。精神分析の入門書を読んで、精神分析の共通言語をある程度知った上で読まなければ混乱してしまう本だと思う。決して入門書ではない。
本書で取り上げられている事は、無意識、自由連想法、精神の構造(イド、自我、超自我)、精神の発達段階(口唇期、肛門期、男根期、性器期)、不安、夢解釈、象徴など。フロイトの精神分析によっている部分が多いと思われるが、フロイト以外の学派についても取り上げられている。僕自身はフロイトというと、精神面をとにかく性的な事に結びつけて解釈する考え方というイメージが強かったのだが、この本を読んでみてそれ以外にもいろいろな精神分析の考え方があるのだなという発見をした。
フロイトの考え方について概観しておこうと思いこの本を手に取ったのだが、十分理解できなかった悔しさもあるので、いずれ機会を見つけてフロイトの精神分析入門も読んでみようと思う。 -
4061588516 315p 1992・4・20 8刷