言語と人間 (講談社学術文庫)

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著者 : 沢田允茂
  • 講談社 (1989年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061588585

言語と人間 (講談社学術文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「人間は言葉を持っている」。「人間は意識を持っている」。「人間には創造性がある」。

    一般的にはよく言われることではあるが、人間がこれらの点で他の生物やコンピューターとどのように異なっているのか、本質的なところにまで深く考察を行った本というものは、多くはないのではないか。

    この本では、言語学や生物学、哲学などの幅広い観点から、人間が言語を使うことで持つようになった特徴を分析している。しかも、それぞれの議論は非常に具体的かつ分かりやすい形で論じられている。

    たとえば、人間の言語が論理や物語(ストーリー)を作りだすという点で、ハチやイルカやチンパンジーが使っている言語的コミュニケーションとは異なっている。
    人間の意識は世界を総体的に捉えることで、一般的な動物の意識とは異なっている。
    人間の持っている創造性は、その創作過程が自発的に発動されるという点で、コンピューターによるプログラムが作りだすコミュニケーションとは異なっている。

    こういったことを整理していくことで、たとえば人工知能と人間とのかかわり方、自然保護や生命倫理といった、科学技術がもたらす新たな状況に対してどのように考えればよいか、確かな出発点、足がかりが得られるのではないかと感じた。

    このような本が、現在の人工知能やICTなどの技術が二とのコミュニケーションの在り方を大きく変え始めるより前の、1980年代後半に描かれていたということに、驚きを感じた。

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