牧野植物随筆 (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061595439

作品紹介・あらすじ

植物研究に生涯を捧げ、在野の研究者ながら偉大な業績のゆえに「植物学の父」と呼ばれる牧野博士。この稀代の碩学が、「馬鈴薯の名称を断乎として放逐すべし」「丁子か丁字かどちらだ」「ナンジャモンジャの真物と偽物」等、草木の名称や分類に関する通説の誤りを喝破。植物への情熱に支えられ、権威におもねることなく持論を開陳した興味深い随筆集。

感想・レビュー・書評

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  • 牧野富太郎博士の随筆集ですね。
    朝ドラで、今話題になっている牧野富太郎博士(1862ー1957)の植物に関する随筆集です。
    2002年発行です。実はその時に買って、一度は読んだ本です。朝ドラで思い出して、本の山から見つけ出しました。
    とにかく博覧強記、歯に衣を着せぬ、ズバズバと巷の間違いを、検討違いを切って切りまくります。権威のある人物や著作でも、違うもの違う、学識に物を言わせて小気味良く理々正論を述べられています。
    元々は、1947年に鎌倉書房から刊行されたもので、現書ではとてもではないが、絶対読み下せないところです。
    講談社学術文庫は、大いに助かります。字が大きいのと現代仮名づかいで読みやすいですね。それでも、流石に読めない漢字や、意味がもうひとつ掴めない言葉や専門知識には手を焼きますが、文章が話し言葉なので、面白く読めます。
    今でも是正されていない事柄もあったりして驚かされます。
    今一度、牧野富太郎博士のすごさを再確認しました。
    (もちろん、私は学術的な正解をとてもじゃないけど確認できませんが、博士の言を気持ちよく受け止めたいですね。)

  • 暗すぎるわたしの本棚で唯一明るい牧野先生のエッセイ。
    植物一日一題以外に、牧野先生の本が手に入る機会はなかなかないと思い買ったもの。ただ、朝ドラの影響で今は本屋でたくさん扱われていますが。

    最初は正直、名前なんてどっちでもいいのに、と思ったりしたけど、そもそも分類学者は変な人が多いとテレビでも言っていたし、このくらいの執念がなければ分類なんてとてもできないのだろう。
    普通の人はこのくらいの感性で読めばよくて、後半だんだん人となり、人間味がわかって、前半の仕事の偉大さがわかる。

    食べられる植物が1番興味深いです。本物の片栗粉を作ってみたい。
    そんな風に、名前と実態がかけはなれてしまったものってたくさんありそう。
    今日はスーパーで加工品を買う度に原材料名を確認したら、大体砂糖がはいっていることに気づいた。
    逃れられないのかな、そんな感じ。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB00028996

  • チョウジとは丁子と書くのが正しく、丁字ではない。丁子香。蕾の形が釘に似ているから丁の字を用いる。
    馬鈴薯はジャガイモのことではない。

    等、間違った和名、漢名の話。
    しかして流布してしまった通説をひっくり返すのは並大抵ではなかろう……

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著者プロフィール

1862年(文久2年)土佐国佐川村(現、高知県高岡郡佐川町)の裕福な商家と酒造業を営む家に生まれる。三歳で父を、五歳で母を失い、祖母に育てられる。幼少時から植物に強い関心を示し、小学校を2年で中退、好きな植物採取に熱中する。19歳の時、初めて上京し博覧会を見る一方、書籍や顕微鏡を購入する。22歳の時(明治17年)に再び上京し、帝国大学理科大学(現、東京大学理学部)植物学教室に出入りし、文献・資料等の使用を許可される。自ら創刊に関わった「植物学雑誌」に新種ヤマトグサを発表し、日本人として初めて新種に学名をつける。94年間の生涯で収集した標本は40万枚に及び、新種を初め1500種以上の植物に命名し、「日本植物分類学の父」と呼ばれる。

「2023年 『オリジナル普及版 牧野日本植物圖説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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