魏晋南北朝 (講談社学術文庫)

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著者 : 川勝義雄
  • 講談社 (2003年5月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061595958

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魏晋南北朝 (講談社学術文庫)の感想・レビュー・書評

  • 特に目を引いたのは、象徴・経済・軍事などをバランスしつつ采配していく政治史の過程で、象徴の果たした役割とその力の絶大さだった。西晋の遺臣たちは、華北の抗争から命からがら、着の身着のまま江南の地に逃げてきた。地元の豪族たちは丸腰同然の亡命者たちをひねりつぶすことなど造作もなかったのに、逆に正統を自称するしか能のなかっただけの晋(東晋)が100年にわたってこの地に居座り統治するに至ってしまったとは…。京都で教鞭を執り京都人のスノッブさにしばしば閉口していた著者ならではの象徴に関する分析だ。おかげで私は本書から、私たちが個人的なレベルで生きる上でも魏晋南北朝期は深い示唆に富んでいることを学んだ。

  • 中国の「貴族制社会」というものが昔からどうもピンときませんでした。彼らには軍事力も経済力もない。そんな学者たちが、なぜ「貴族」と呼ばれる存在になったのか?それを自分の中で具体化することが出来ませんでした。ですがこの本の後半で、「当時、学問教養を代々修めた家にこそ政治を担当できるような人格的に優れた人間が出るという思想があった」というような一文があり、納得。中国の貴族とは、その優れた人格により軍事を握る軍人や経済を握る商人を抑制することを求められていたのではないか、と感じました。他の本も読んで、この読みが合っているのか確かめたいです。

  • 三国志の世界から一歩踏み出せました。華北は北方民族には魅力的だったのか、それとも元の場所にいられない理由が、あったのかは読みとれなかったなぁ。

  •  長江流域(呉)が後進地域であり、また新興地域でもあった為に、軍政が独自の発展を遂げたという考え方は非常に面白かった(先生によると、これは川勝先生独自の主張らしい)。また五胡十六国時代について暗かったのだが、符堅という人物に非常に興味が湧いた。弱肉強食の時代・文化にあって儒教的理想を追った王とは、どんな人物なのだろうか……。
     この本は南朝の文化や、仏教の興隆について余り書かれていないので、思想史を学びたい人間としては、そちらの方もカバーしたい。玄学にも興味がある。

  •  220年の後漢滅亡(三国魏の成立、三国時代の始まり)から589年の隋の中国統一までの歴史を概説した一般向けの本。前段階として、後漢の歴史から筆が進められている。また、著者はこの時代を“華やかな暗黒時代”と表現したことで知られる。

     この時代の概説書として優れた内容。

  • ・漢代の江南地方は未開発の地。フロンティアの地として華北から多くの人が流れていった。
    ・呉の地域には「宗部」と呼ばれる抵抗組織(山越と同一?)があった。
    ・山越の民=安家の民。高床式の家に住み、猿の脳スープを飲む。当時の台湾の民の装飾に似た格好をしている。280年頃に書かれた臨海水土志に記載あり。
    ・太学は前漢にスタート。当時は50名限定だった。だんだん人が増えて後漢の頃には3万人を越える学生が洛陽に遊学へ来るようになる。首都だけでなく郡学と呼ばれる地方大学があり、さらに後漢には私学も盛況となる。(私学=故郷で生徒を教育する)
    ・諸葛亮を呉陣営に引き入れろと言った孫権に、諸葛瑾が伝えた「弟が忠誠契約を交わして~」は、原文だと「質をゆだねて分を定む」。質は雉に通じる。春秋時代は雉を差し出して契りを結んでいた。
    ・孫呉政権には世兵制という珍しいシステムがあった。これは親兄弟の兵を世襲できるシステム。兵は将軍の私兵の色合いが強くなり、結果的に呉の兵は私兵集団の連合体と言う雰囲気に。
    ・呉の末期、諸葛恪は孫和派、諸葛恪を暗殺した孫峻は孫覇派。
    ・中国東晋の政治家、謝安。

  • レポートの課題でだされたものの半ばにして挫折

  • この本は1974年に講談社から出版された『中国の歴史3、魏晋南北朝』を加筆・修正をし文庫化されたものです。「魏晋南北朝」と言ってもこの時代は非常にややこしいです。「魏晋南北朝」とは三国志のおなじみの魏が曹丕が後漢から禅譲を受け皇帝になってから隋による南北統一までの時代(220-589)を指します。その中に、『三国志』でお馴染みの三国時代(220-280)、その3国を統一した西晋(265-316)。やがてその西晋の滅亡により中国は分裂し、華北では5つの異民族による抗争の五胡十六国時代(304-439)となり、江南では漢民族の王朝の東晋(317-420)となりました。やがて時を経て、華北を統一した北魏(386-534)以降の東魏(534-550)→北斉(550-577)、西魏(535-556)→北周(556-581)による5王朝の北朝、江南では東晋が滅亡し、宋(420-479)・斉(479-502)・梁(502-557)・陳(557-589)の4王朝の南朝を合わせて南北朝時代(439-589)と呼びます。また余談ですが、中国の歴史書の二十四史のうち『後漢書』『三国志』『晋書』『宋書』『南斉書』『梁書』『陳書』『魏書』『北斉書』『周書』『南史』『北史』とこの時代だけで約半分を消費します。そんなゴチャゴチャした時代をこの本はわかりやすくまとめているかと思います。

  • 難しいんですけど、おもろかったです。でもさっぱりわかってなくてすいません。

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魏晋南北朝 (講談社学術文庫)の作品紹介

秦漢と隋唐の巨大帝国にはさまれた四百年におよぶ大分裂時代。専制君主なき群雄割拠の混迷の中から王羲之、顧〓@4ED0@之、陶淵明、『文選』など、壮大な文化は出現した。後世の中国にあらゆる面で多大な影響を残す"華やかな暗黒時代"。その爛熟してゆく「貴族制社会」の形成、変容、崩壊の変遷を詳細に読み解き、中国文明の構造と特質を浮き彫りにする。

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