河口慧海日記 ヒマラヤ・チベットの旅 (講談社学術文庫)

著者 :
制作 : 奥山 直司 
  • 講談社
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本棚登録 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061598195

作品紹介・あらすじ

慧海の旅行記は世に驚愕の渦を捲き起こしてきた。当時、厳重な鎖国政策をとる禁断の地への単独潜入。経典の原典を求めて、苛酷なヒマラヤ越えを敢行し、秘密のベールに包まれたチベットの実情を紹介した。砂嵐に耐え、飢えに苦しみ、強盗に遭い、大河で溺れる。本書は、近年発見されたチベット行の日記を全文掲載し、丁寧な注釈と解説を施す。また、姪の追想録も付す。

感想・レビュー・書評

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  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=33086

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA81729070

  • 河口慧海の「チベット旅行記」に仰天したので,絶版の本書を図書館で探し出して読んでみた.
    第一部は慧海自身の日記で,ネパールの逗留先を出発し,単身ヒマラヤの標高5000m以上にもなる峠を越えてチベットに密入国し,さらにチベット西方の聖地をめぐった後にラサに到着し,その後ラサで過ごした時期の日記である.ただし,ラサ入城後はほとんど何も書かれておらず,実質はラサ到着までの日記と言って良い.
    峠越えをしてチベットに入国する前後は「チベット旅行記」ではほとんどスキップされており,これは密入国に関与した現地の人が罪に問われることを避けるためであると言われている.該当部分の日記が2004年に慧海の姪の家から発見され,それに基づいて出版されたのが本書.
    第二部は第一部の解説,第三部は姪による慧海に関する回想,である.第二部のハイライトは,慧海がヒマラヤ越えにどの峠を使ったかを解き明かすところか.
    とにかく,驚くべき人である.チベット語を3年で完全にマスターし,ラサ到着後は「チベット人」で通し,大臣と親しく過ごしたような人である.オマケに強靱な肉体で大した登山道具もない当時に徒歩で密入国を果たしている.旅の途中の危機は大胆に,あるいは熟慮して乗り越え,最終的には無事に追手を振り切りチベットを脱出した.

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