アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)

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著者 : 佐々木正人
  • 講談社 (2008年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061598638

アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)の感想・レビュー・書評

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  • p.30「生きものの行為とその周囲とはどうやら二つで一つのことなのである。」
    p.132「脳とはおそらく、環境の「絵のようなイメージ」を浮かべるところではなくて、環境と持続して接触する全身のシステムの一部なのである。脳にあるのは世界の「地図」ではなくて、世界との関係を調節する働きの一部なのである。」

    読みやすい。アフォーダンスという概念が初めて分かった気がする。「生きもの」と「世界」がどのような「感覚」と「行為」でつながっているかについて、とにかく抽象的になりやすい説明を、できる限り具体的な例に落とし込んで解説している。
    世界は、想像以上にシンプルでいて、想像以上に複雑で、つまりあるがままの姿なのです。

  • アフォードされることによって行動が導かれる。もう少し勉強したい。

  •  アフォーダンスの概念をダーウィンから説き起こし、自然現象の観察に対する姿勢まで豊富な具体例とともに解説しており、非常に分かりやすい。結果、アフォーダンスの概念を厳密に検討しているわけではないので、あくまで入門書である。おぼろげながら理解できたことから推測するに、環境に潜在する意味として、実在的に捉えようとするところがアフォーダンスの独自性であろうか。認識論はやはり興味深い。

  • ●前提知識
    ・ギブソン心理学→生態心理学
    ・フレーム問題@ロボット
    「ある行為に関連すること」と、「ある行為に関連しないこと」を、
    効率的に見分けるにはどうすればよいのか?
    ・ゲッシュタルト

    「感覚要素の総和以上のもの、総和とは異なったもの」

    ★行為
    「行為は跡を残している。」・・・生き物のすることは、それを可能にしているところがある。そして、それを可能にしている変化の仕方がある。

    行為は、”まわり”があって初めて成立する、逆に、”まわり”はその行為によって存在することになる。
    1.生きものの行為
    2.その周囲
    →この二つで一つのこと

    行為に目的があるなどと考えるのは、ぼくらがよくしてしまうあやまり

    自然がすることは、ぼくら人間が「意図」とか「目的」とよんでいることを越えている

    (自然は)つねに、無目的無効法に変化しているという進化論のモチーフ

    行為は、まだはっきりとしていない意味を確かに知っている。
    知覚が先で、説明は後からやってくる。

    ぼくらが行為から観察できること
    ・「はじめ」
    ・「おわり」
    ・「はじめからおわりの変化」

    意図ですべて説明し得ない、というメンタリティが必要

    行為すること=知覚すること→”みえ”の変化=知覚システムの稼働

    ●意味とは、アフォーダンスとは
    ★意味
    意味=行為だけが発見することのできる意味

    1.環境にあって僕らを取り囲んでいる多様な意味
    2.辞書にのっていない、名前のついていない、行為だけが知っている意味

    行為は、その意味を、環境の中で探し当てる

    1.2.はつまり、
    「環境にあって、行為が発見している意味」
    「環境が、動物に提供するもの、用意したり、備えたりするもの」
    →アフォーダンス

    これらは、ぼくら動物の行為の「リソース(資源)」になる。

    動物の行為は、
    ・アフォーダンスを利用することで、可能になり
    ・アフォーダンスを利用することで、進化した

    ★アフォーダンス
    アフォーダンス=環境が、動物に提供する「価値」のこと。
    アフォーダンスとは、
    ・刺激でなく情報
    ・知覚者が、「獲得」し、「発見する」もの
    ・主観ではなく、環境に存在、しかし知覚できるようになるまで、環境との交渉が必要で時間を要する→知覚システムのUpdate


    ●知覚システム
    知覚システムには
    ・接触システム
    ・視るシステム
    ・聴くシステム

    >認知の領域

    知覚=感覚刺激以外の知覚の原因→「環境」というマクロな視点?

    ●環境と自己
    ★環境
    >傾きや変形(カタチではなく)
    >>「動き」とか「姿勢」が関わる

    「知覚の刺激」の本質
    環境の中で、動き回って、何かを見ようとする観察者が、その全身の動きとともに発見するもの

    (そこにある要素)
    1.異質性
     光とか
    2.不変項→変われば変わるほど、「変わらない」ことがわかるもの
    ・構造不変項
     対象が恒常的に保たれている状態
    ・変形不変項

    ブルートファクツと変化したもの
    >この二つをしっかりとみることが大切


    >環境においては、
    「持続」と「変化」、これが「情報」となる

    「自己」という情報

    「発達するといこと」

    知識を「蓄える」のではなく、「身体」の振る舞いをより複雑に、洗練されたものにしていくこと。

    ★環境と自己

    切り離せないかたちで存在

    >探されるアフォーダンス→アフォーダンスを探る行為


    ●リアリティーのデザイン
    何をアフォードしているのかが、よく「見えるように」しておくこと

    1.「モノ」ではなく、「リアリティー」を、
    2.「カタチ」ではなく、「アフォーダンス」を、
    デザインするべき

    (それらをデザインするためには・・・)

    1.道具やシステムが利用されるまさにその現場で、設計やアイデアが発見されること
    2.「カタチ」の専門家ではなく、道具を介したときに、人々の「知覚と行為」にどのような変化が起こるのかについて、しっかりと観察できるフィールド・ワーカーである必要→リアルを捕獲する力

  • ジェームズ・ギブソンの生態心理学を紹介する本。

  • 松山先生に勧められて読んだ。アフォーダンスの意味がますますわからなくなる。。。。。

  • 日常の視点が変わる目からウロコ本。

    アフォーダンスとはafford:与える、提供するの名詞系。例えば、なぜ人間が立っているか。それは地面には人間を立たせるというアフォーダンスがあるから。また、なぜ人間が歩けるか。それは地面には人間を歩かせるアフォーダンスがあるから。という感じか。要するに、生物の行為は意思や本能や反射で生じるのではなく、常に環境との相互作用で発生し続けるということ。

    本書は、このアフォーダンスについて生物学や心理学といった分野の実験から紹介していく。

    専門が環境で、研究がシステムだったのでとっつきやすい考え方だった。だけどまだ思考の道具としては使えないのでいろいろ考える必要があるようだ。いろいろ応用ができそうな考え方なのでものにしておきたい。

    例えばどんな応用ができるだろう。人と人のやり取りで考えると、相手の行動が相手の意思に起因するのではなく、自分の意見や社会情勢の持つアフォーダンスと複雑に絡まりながら為されるとすることができる。そう考えれば、相手の行動が決まりきったものではないことが分かる。

    アフォーダンスの考えを利用すると、環境問題とはアフォーダンスが変化したり、それ自体を持てなくなる状態になってしまうことでシステムに影響を及ぼすことになるのかな。こうすると、環境問題の解決策は、1.アフォーダンスが正しく提供できるようにすること、2.他のもので代替する、3.変わったアフォーダンスに適応する、というとこ。うん、それっぽい。しかしシステム的に捉えるのと

  • アフォーダンス理論は思っていたよりもすんなりと理解できたが奥深くて興味を持ってよめた。具体例、とくにダーウィンのサンゴ礁、ミミズの研究についてが面白かった。

  • 【レビュー】読了してもどうもスッキリしなかった。ダーウィンの研究結果を起点にして「アフォーダンス」の概念が説明されていく。その規定概念については理解できた。ただ、そのような概念を規定することで、規定しない場合と比べて具体的にどのようなことが成し遂げられるようになったのか、その点について詳しく述べられていなかったために、最後煙に巻かれたように感じてしまったのかもしれない。

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アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)の作品紹介

アフォーダンスとは環境が動物に提供するもの。身の周りに潜む「意味」であり行為の「資源」となるものである。地面は立つことをアフォードし、水は泳ぐことをアフォードする。世界に内属する人間は外界からどんな意味を探り出すのか。そして知性とは何なのか。二〇世紀後半に生態心理学者ギブソンが提唱し衝撃を与えた革命的理論を易しく紹介する。

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