ファウストvol4 (講談社 Mook)

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  • Amazon.co.jp ・本 (800ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061794467

感想・レビュー・書評

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  • 【149】

  • 舞城王太郎「夜中に井戸がやってくる。」

  • 一人編集で行われている「ファウスト」で最も剛腕が振るわれたと思う一冊。
    人気作家を強行スケジュールでリレー小説&競作短編を書かせたというのはもはや脱帽もの。

  • 何が凄いかってこれに書いてある西尾維新の仕事時間が他の作家の半分以下であることだ

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  • 文 芸 合 宿

    この企画、すげーーええ!面白いッ!

    ◆競作◆

    『子供は遠くへ行った』乙一
    今いち。展開が読める。初めから妊娠がまるわかり。
    なんだろう・・・あんまり面白くなかったけれど、最後思い返すと
    たしかに良作なんだろうな、と云う気がしてくる。つまらない秀作。
    あと、つっこみ所が満載すぎる。先輩よ、お前ダメでしょ。

    『こころの最後の距離』北山猛邦
    これは・・・・これは・・・・あたしにはさっぱり判らない。
    形式的すぎて、その楽しみ方が皆無の私にとっては物語を追うしかないのに、
    その物語ではあまりに薄っぺらいというか、響いてこない。
    会話、動作、死に方、全てまったく魅力を感じず・・・(==;)

    『地獄の島の女王』佐藤友哉
    ユヤーーっ!!なんか胸がささくれ立つね。ちくちくするね。
    読みすすむ楽しさ、文章、展開の楽しさ。それは大いに満載。
    が、しかし。読み終わった後の感想・・・となるとなぁ。
    だって・・・これテーマ上京とかマジ苦しいでしょ。

    『新世紀レッド手ぬぐいマフラー』滝本竜彦
    痛々しかったよ。
    描かれていること、自分を演出、振舞うことでしか自我を見出せない。
    保てない。「自分」とは一体なんなのか。見失っている。
    そんなテーマが痛く伝わる。がしかし、上京ではないだろうッ!!!
    ラストがなんかふんありしてて、いいんだけど・・・ちょと、期待はずれ。

    『携帯リスナー』西尾維新
    あたしの中の競作としては一番かな。
    短編としてとてもくっきりしている。私としては上京というテーマにもしっくりくる。
    上京=孤独 自分ひとりの時間。云々はとても共感するところだから、そんな一人の時間に
    スポットを当てているからとても好感を持てる。
    孤独な時間という切なさも、この軽快な語り口でだいぶさっぱり読める。
    ラジオの中の投稿記事やネタ、そういう小ネタも凝っていて、すごいなぁと思う。
    ラスト平和やなぁ。やっぱこれもちょと期待はずれなラストではあるかも。

    ◆リレー小説◆

    この企画また、おもしろいなぁ!!
    こんなん読んでみたいって思うけど本当に雑誌で企画してくれるのかぁ、て感じ。
    さすがです!!!(@ω@)太田氏。

    『誰にも続かない』
    そして奇跡が起こった・・・・
    面白い・・・すんごーーーぉい面白い!!!
    この登場人物たちは幸せだね!五人もの作家によって自分を描いてもらえて!
    だって、妹とか、その様々な変貌ぶり、マジ格好よすぎますよ!(笑)
    乙一が上手く一番手っていうのが本当にバランスが良い。
    このふんありした霞むような語り口から始まり、北山氏パートでのぞくぞくするような
    ミステリ展開。ここで、ユキコがなんか一気に主人公から切り離された感じが、面白かった。
    乙一が内包していた恋心が絶たれた(笑)
    そしてユヤタン。ユヤ・ターン。さすがです。事件解決してしまいました。
    しかも。ユキコが恋愛→女生徒→悪と、また変貌しました!!
    そこへ妹、復刻。やはり拾いました。乙一の「色気づきやがって」
    いや、これはたぶんユヤタンに対するフリだと思う。妹出てきたのもそもそも。
    でも、なんか乙一がゆったからといって妹が兄を「兄さん」と呼ぶ呼び方。
    ユヤや西尾維新がやるとまた面白い。「兄さん」とか無いわぁーww
    そしてユヤで強くなりほぼ、キーとなった妹。そしてユキコの滅亡ww
    滝本氏へのつなぎ方もなんとも云えずリレーぽくて可笑しい。
    そして滝本氏、その台詞を思い切り一撃!!いきなりっす!笑
    「なにが「手篭めにしますか?」だ。―こんな挑発に誰がのってやるものか。」
    ウケルーーーwww!!!
    そしてここでユキコ、恋愛を少し取り戻す。良かったっすね。
    事件は解決されたので、個々の問題へと踏み込む(これぞ奇跡の瞬間)
    小説を書く、とは何か、という当初のテーマへと立ち返る。
    西尾氏。妹全面押し出し。これにはびっくり。
    しかも、いままでの西尾作品のキャラからはちょっとあたし的に想像できないほど、
    妹の黒さが、ツボ。黒いっす!!西尾キャラでこんなに黒い子初めてみたよ!!いいよ!!とってもいいよ!!
    妹が自体を収束してくれ、主人公は結局残念な終わり方をしました。
    ユキコさんはラスト、ターンを持って行きました。
    ユキコ、カオスなキャラとして最後までいきましたな。

    全員が全員、どこか「小説を書くとはなにか?」という問題に、それぞれ自分なりの
    視点で、手を入れているのが興味深い。
    そこが読んでいてとても良い収穫になるし、ドタバタストーリーをそれだけでない何か深いものにした。
    それにしても、面白かった(^ω^)またやってくれないか。




  • 豪華な執筆陣はもちろんだけれども、ファウスト合宿という企画が兎に角素晴らしい。
    リレー小説に書き下ろし小説。どれも素晴らしく、内容的にも一番豪華になっています。

  • なんといっても素晴らしいのは文芸合宿!! 5人のそれぞれの作品が、個性的でおもしろいのはもちろんなんですが、合作はその上をいく傑作だと思います。5人の中で、私は北山さんと滝本さんの作品を読んだ事がなかったのですが、今回読んでみようかなと思いました。
    廃線上のアリアが、個人的にはお気に入り。

  • 合宿企画が面白かった。競作、リレー小説と、やることやったなって感じ。乙一うまいなあと思った。佐藤友哉は佐藤友哉だった。

  • 作家をかき集めて孤島で監禁して小説を書かせるというアホで素晴らしい企画をやってのけた雑誌。
    すげー。その機動力が。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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