匣の中の失楽 (講談社ノベルス)

  • 753人登録
  • 3.60評価
    • (80)
    • (68)
    • (148)
    • (17)
    • (9)
  • 89レビュー
著者 : 竹本健治
  • 講談社 (1991年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061815872

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

  • 現実か幻想か?ふと「あの場面は?」「あの意味は?」と考えをまとめる。思い起こすと合点がいく。なんてことはなく、妄想か虚構か?
    読書熱というのだろうか。はじめて読書のせいで発熱してしまった。そのくらい複雑で理解に時間をかけた。
    心理学、力学だったりと講義にページを裂き、物語の信憑性を歪めていく。
    密室殺人。推理合戦。繰り返される不確実な世界。作品に置いてけぼりにされる。酩酊感に身を任せるのだ。
    100回読み直したらもっと好きになるかも。散々引き込んどいて突き放されるこの感覚は異常だ。

  • 結局死んだのは誰だったのか事件とは一体なんだったのか、はっきりすっきりわからないままぼんやり読み終わった。でもこれくらい頑張って書いてもらった作品の方が好き。読むほうが苦労するような作品が好き。
    ただ、ミステリには耽美の香りがあったほうがいいタイプの私には萌えが足りなかったな。
    死が巻き起こる世界にはとびぬけて、あるいはじんわりと魅力的な青年は必須。
    それがあればこの作品はもしかしてパーフェクトに近かったかも。

  • 2017/07/18
    作中作。作中作中作。現実と虚構が互いに絡み合い交わりながら進む。
    死んだ者が推理し生きた者が死ぬ。

    意外と読みやすい。
    だけど理解は難しい。これはいつの証拠だとか誰の発言だとか。

  • 「ひとつのことを喋らないということが、こんなにも決定的な推理の喰い違いを招くものなのか」

    三大奇書にこれを追加し、四大奇書と呼ぶ場合もあるらしい。

    小説の中で小説を展開している。
    章ごとに前回の章を小説として扱っている。
    話の展開は面白かった。

    推理合戦は、虚無への供物の影響。
    小説の中での小説は、ドグラ・マグラの影響。
    専門知識の多さは、黒死館の影響。

  • (ネタバレが含まれます)
    これにて「四大寄書」、完全制覇となります。
    どうでしょう、今まで読んだ本の中で、これが最も「奇書」であった気もします。というより、総決算というような。
    『ドグラ・マグラ』の酩酊感、『黒死館』の衒学趣味、『虚無への供物』の推理合戦…それらの要素を内包して、一つの作品に仕立て上げた、という印象です。
    特に自分が気になっていた『虚無への供物』での推理合戦、その十戒作りの部分が再現されていたのには、ニヤリとしつつ。

    同じ作者の『汎虚学研究会』を読んだときには、文体・内容ともに正直あまり出来の良い作品だとは思わなかったので、読むのが不安だったのですが、いい意味で裏切られました。
    自分はどちらかというと、こういった若書きの文体の方が好みなのかもしれません。
    ただ正直、一気に十数人の登場人物が登場し、複雑な人間関係が一気に提示されるので、脳が少し足りない自分には理解が大変でした。あげく、作中作、作中作、という構成が続くので、それもまた理解に時間がかかりました。
    読後の酩酊感、作品世界の中に取り残される感覚はとても良かったのですが、しかし正直、一つの小説として読み進める魅力、次へ次への推進力があったかと言われると、微妙かなあ、という気もしました(構成上、仕方の無いことかもしれませんが)。

    さて果たして、第五の寄書は現れるのでしょうか?(自分の中には、もしかしたらこれがそうなのかもしれない、というものが幾つかあるのですが、それはさておき)

  • ※ネタバレ甚だしいのでお気をつけ下さい(°_°)

    「あれ、どっちの世界であの人死んだんだっけ?」と何度ページを前に繰り戻したことでしょう。
    本作は奇数章と偶数章が入れ子構造になっており、「どちらが現実でどちらが虚構(小説)なのか」と読者を攪乱させる手法が取られています。そして、最後まで読んでも、結局どちらが現実世界なのか分からない\(^o^)/

    作品中、キャラクタにも「もし僕達の物語を読んでる読者がいれば、どっちが現実か分からないかもね」とメタ発言をさせていますが、精査すれば指摘できるものなのかしら…再読の機会があれば、奇数章と偶数章をそれぞれ分けて読んでみたいなあ。

    それぞれの章で発生する殺人の不可能性はもちろん、友人が亡くなったにも関わらず己の専門知識フル稼働で真相指摘を試みる学生達の衒学主義も最高にパンチが効いています。これぞ非人間的作品との誹りを受けるに値する王道本格推理小説!(笑)

    かといって、友の死体を尻目に真相に向かって推理を着実に展開しているかというとそうでもありません。キャラ達がそれぞれの専門領域を無理くり適用させて不可解現象を説明して(ここの内容も合理的とは言えないし非現実的…)、皆で「フフン、それはないね」と論破する、の繰り返し。(本筋とは関係ないけど、「フフン」「ははあ」「あっはあ」って感嘆詞?が出る度に、時代を感じてニヤついてしまいました(^o^)

    ただ、この作品は「私達読者がトリックを推理し、真犯人を指摘して楽しむ」ものではありません。
    「小説内現実」と「小説内虚構」のキャラ達が織り成す衒学趣味的推理と虚実入り混じる酩酊感に浸る、それに尽きるような気がします。

    終わらない不連続性。繰り返し姿を現す逆様(さかしま)の月。ところが、プロローグとエピローグの情景描写は一転、不気味な連続性を暗示しています。
    読後、思わずプロローグを再度通読してしまった私は、きっと作者の仕掛けた匣の中に閉じ込められてしまったのでしょう…。


    たーのしー\(^o^)/←←←


    探偵小説愛好家メンバーの一人が、奇妙な密室状況で殺害された。メンバーの一人であるナイルズは、自分が書いている実名小説の予言が現実になったのではないかと不安を覚えるが…。

  • 章が変わるごとに「これまでの内容は作中の人物が書いた小説でした!」という展開が続くが、どうにも最後でまとめきれてない感じが否めない。いくつかの事件(架空のものも含む)が発生するわけだが、各人が様々な推理を繰り広げるわけで、結局どれが真相だったのかというのがあいまいな部分も多く、モヤモヤした印象が残る。しかし、本書がまっとうなミステリーではなく、アンチミステリーとか奇書と呼ばれる類の作品であるのであれば、それはそれとしてこの作品を十分成立させるものなのかもしれない。肌には合わなかったけど。

  • 何が事実で、何が小説の中の出来事なのか、さっぱり分からなかった。もちろんトリックうんぬんも理解出来ず。
    たぶん、何百回読んでも理解出来なさそう。
    さすがは奇書と呼ばれるだけのことはあるのだろうが、もういいやという気持ちでいっぱいである。

  • 面白い、んだけど途中で気持ち悪くなったり、混乱することがしばしばある。推理合戦は面白く、一人ずつだと読めない長さではないのに、何人も続くとちょっと読むのが苦しくなってくる。もうどれでもいいだろと思えてくる。

    どうせこんなに引っ掻き回すなら、全部小説の話でした~という平和なオチが良かったような気もする。殺人事件モノなのだから当然かもしれないが、読んだ後味が悪い。ギャグすれすれとも言える内容だが、ラスト辺りの雰囲気がシリアス過ぎる。

    P236まではきっちり読んだ。あとは流し読み。またいつか。

  • 好き嫌いわかれそうなお話だけど、個人的には好き。ただひたすらに遊び続けてる。

  • “第4の奇書”の呼び名に相応しく、ミステリィ作家&マニアを呻らせるのだろうが、ミステリィ好き程度の人間には・・・
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/12571481.html

  • 途中から読む気失落、犯人とかどうでも良くなる

  • 2014/04/02
    移動中

  • 4大奇書と呼ばれる一冊。
    以前「類似品」と称される方の本を読んだときはさっぱり入って来なかったけれど、こちらはさすがに読み応えがあって楽しめた。小説の中に入れ古式になっている小説で、妄想、空想、蘊蓄が混沌。
    登場人物のみならず、だれしもがラプラスの悪魔の手のひらで転がされているのでは?とも思える現実に幻惑される。
    現実?ここにいる自分とはというのもふと捉えどころのない一個体に思えてくる。

  • 「匣の中の失楽」竹本健治◆三大奇書に次ぐ第四の奇書とされるミステリー。密室に死体が出現したり、事件を歓迎するかのように登場人物たちが推理合戦を始めたり、あれもこれもと詰め込んで詰め込みすぎて爆発している感はなきにしもあらずのお祭のような作品。虚構と現実の間をさまよい歩きました。

  • 最初から最後まで入り込めずに終わった。
    夢中になれないミステリは正直好きじゃありません。

    いちいち論文口調で取ってつけたような専門知識をひけらかすようなキャラクターにも愛着が持てなかった。
    謎解きのシーンは序盤から終盤にかけて絶えずあるのだけど、仮説の謎解きをそんな読ませられても疲れるだけ。
    わかりにくいミステリなら誰でも書ける。わかりやすいのに驚かせるようなミステリがやっぱり個人的には大好きだ。
    やっぱり若い時に書いたんだな、というのが正直な感想。

  • 本書は奇数章と偶数章が入れ子構造になっていて、読んでいく内に現実の世界と小説の世界の区別が付かなくなります。三大奇書の色々な要素が詰め込まれているのでスケールの大きさを感じさせます。
    しかし、登場人物が作り物めいて感情移入し辛かったですし、トリックも、話の必然性もイマイチな感じがしました。

  • 現実と虚構が入り交じる複雑な構成と、数々の蘊蓄で良くも悪くも読むのに力のいる作品だった。
    それでもいつかまた読んでみようと思わせてくれる作品でもあった。

  • 読むのにめっちゃ頭を使うので、読み終わるまでに他の本の三倍くらい時間がかかった。凄い本だとは思う。しかし、登場人物が多すぎる。特に最初の方は各人の個性がよく分からず、読みにくい。そしてみんなウンチク?が長い。そして時代的なものなのかもしれないけど、主な謎解きの過程に「ちょ、それあり得ないっしょ!」ということが多い…。でもそういうことに目を瞑ってでも最後まで読んでしまう、魅力的な「謎」が沢山出てくるのもまた事実。

  • とうとう、この超大作を読んでしまった。
    なんて凄い発想の下で描かれた作品なんだろう。
    以前に、似たような作中作が出てくるものを読んだけど、結局結末はどっちが真実かわからない曖昧なものだった。
    だけどこれは、きちんと解決する。
    あれだけ拡げた筋道を、きちんと収斂してくれるから気持ちがいい。
    いやぁ面白かった。

  • 三大奇書(ドグラ・マグラ他)の影響を受けた,四大奇書の1つ。
    「奇書」と呼ばれる作品の多くがそうであるように,さっぱり理解できない。
    本書に影響を受けた,乾くるみ「匣の中」はどうしようもないバカミスであるが,難解な本書をあそこまで明快にできたのは天才の仕事だと思った。

  • 読み終わるまでどっちが作中作なのかがわからなかった。というか、今もわかっていないような気がする。整理がついていない。

    ミステリーの解説書のような、そしてペダントリーに彩られた小説だった。

    ただ、時代が近しい分、今まで読んだ三大奇書にくらべるとぐっと読みやすかった。「虚無」以上に推理が展開されては否定されていき、「ドグマグ」的なぐるぐる回っている感じもあり、「黒死館」ばりの周辺知識の詰め込み方。四大奇書の締めくくりにふさわしいと思う。

    これにて四大奇書読了。

  • アンチミステリと呼ばれるにふさわしい斬新な構成

  • うはぁ……『匣の中の失楽』丸二日かけて読了。二段組で472ページ、圧倒的な呑み込まれっぷりだった。 ものすごく解りにくい、夢のような推理小説だったけど、不思議と読後感は好ましいような。なんだろう、こういうものを一級品と言うのかも。これは…できる事なら自分の中でもっと突きつめてみたい。
    終わり方というか最後の流れ?も私としては好みだった。というか本当にこれを書いた作者は何者なんだろ 作中でラプラスの悪魔も出てきたけど、それこそ超越した智を持ってるみたいだ

全89件中 1 - 25件を表示

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)に関連するまとめ

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)の単行本

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)の文庫

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)の文庫

ツイートする