匣の中の失楽 (講談社ノベルス)

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著者 : 竹本健治
  • 講談社 (1991年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061815872

匣の中の失楽 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • 現実か幻想か?ふと「あの場面は?」「あの意味は?」と考えをまとめる。思い起こすと合点がいく。なんてことはなく、妄想か虚構か?
    読書熱というのだろうか。はじめて読書のせいで発熱してしまった。そのくらい複雑で理解に時間をかけた。
    心理学、力学だったりと講義にページを裂き、物語の信憑性を歪めていく。
    密室殺人。推理合戦。繰り返される不確実な世界。作品に置いてけぼりにされる。酩酊感に身を任せるのだ。
    100回読み直したらもっと好きになるかも。散々引き込んどいて突き放されるこの感覚は異常だ。

  • 結局死んだのは誰だったのか事件とは一体なんだったのか、はっきりすっきりわからないままぼんやり読み終わった。でもこれくらい頑張って書いてもらった作品の方が好き。読むほうが苦労するような作品が好き。
    ただ、ミステリには耽美の香りがあったほうがいいタイプの私には萌えが足りなかったな。
    死が巻き起こる世界にはとびぬけて、あるいはじんわりと魅力的な青年は必須。
    それがあればこの作品はもしかしてパーフェクトに近かったかも。

  • 2017/07/18
    作中作。作中作中作。現実と虚構が互いに絡み合い交わりながら進む。
    死んだ者が推理し生きた者が死ぬ。

    意外と読みやすい。
    だけど理解は難しい。これはいつの証拠だとか誰の発言だとか。

  • 「ひとつのことを喋らないということが、こんなにも決定的な推理の喰い違いを招くものなのか」

    三大奇書にこれを追加し、四大奇書と呼ぶ場合もあるらしい。

    小説の中で小説を展開している。
    章ごとに前回の章を小説として扱っている。
    話の展開は面白かった。

    推理合戦は、虚無への供物の影響。
    小説の中での小説は、ドグラ・マグラの影響。
    専門知識の多さは、黒死館の影響。

  • (ネタバレが含まれます)
    これにて「四大寄書」、完全制覇となります。
    どうでしょう、今まで読んだ本の中で、これが最も「奇書」であった気もします。というより、総決算というような。
    『ドグラ・マグラ』の酩酊感、『黒死館』の衒学趣味、『虚無への供物』の推理合戦…それらの要素を内包して、一つの作品に仕立て上げた、という印象です。
    特に自分が気になっていた『虚無への供物』での推理合戦、その十戒作りの部分が再現されていたのには、ニヤリとしつつ。

    同じ作者の『汎虚学研究会』を読んだときには、文体・内容ともに正直あまり出来の良い作品だとは思わなかったので、読むのが不安だったのですが、いい意味で裏切られました。
    自分はどちらかというと、こういった若書きの文体の方が好みなのかもしれません。
    ただ正直、一気に十数人の登場人物が登場し、複雑な人間関係が一気に提示されるので、脳が少し足りない自分には理解が大変でした。あげく、作中作、作中作、という構成が続くので、それもまた理解に時間がかかりました。
    読後の酩酊感、作品世界の中に取り残される感覚はとても良かったのですが、しかし正直、一つの小説として読み進める魅力、次へ次への推進力があったかと言われると、微妙かなあ、という気もしました(構成上、仕方の無いことかもしれませんが)。

    さて果たして、第五の寄書は現れるのでしょうか?(自分の中には、もしかしたらこれがそうなのかもしれない、というものが幾つかあるのですが、それはさておき)

  • ※ネタバレ甚だしいのでお気をつけ下さい(°_°)

    「あれ、どっちの世界であの人死んだんだっけ?」と何度ページを前に繰り戻したことでしょう。
    本作は奇数章と偶数章が入れ子構造になっており、「どちらが現実でどちらが虚構(小説)なのか」と読者を攪乱させる手法が取られています。そして、最後まで読んでも、結局どちらが現実世界なのか分からない\(^o^)/

    作品中、キャラクタにも「もし僕達の物語を読んでる読者がいれば、どっちが現実か分からないかもね」とメタ発言をさせていますが、精査すれば指摘できるものなのかしら…再読の機会があれば、奇数章と偶数章をそれぞれ分けて読んでみたいなあ。

    それぞれの章で発生する殺人の不可能性はもちろん、友人が亡くなったにも関わらず己の専門知識フル稼働で真相指摘を試みる学生達の衒学主義も最高にパンチが効いています。これぞ非人間的作品との誹りを受けるに値する王道本格推理小説!(笑)

    かといって、友の死体を尻目に真相に向かって推理を着実に展開しているかというとそうでもありません。キャラ達がそれぞれの専門領域を無理くり適用させて不可解現象を説明して(ここの内容も合理的とは言えないし非現実的…)、皆で「フフン、それはないね」と論破する、の繰り返し。(本筋とは関係ないけど、「フフン」「ははあ」「あっはあ」って感嘆詞?が出る度に、時代を感じてニヤついてしまいました(^o^)

    ただ、この作品は「私達読者がトリックを推理し、真犯人を指摘して楽しむ」ものではありません。
    「小説内現実」と「小説内虚構」のキャラ達が織り成す衒学趣味的推理と虚実入り混じる酩酊感に浸る、それに尽きるような気がします。

    終わらない不連続性。繰り返し姿を現す逆様(さかしま)の月。ところが、プロローグとエピローグの情景描写は一転、不気味な連続性を暗示しています。
    読後、思わずプロローグを再度通読してしまった私は、きっと作者の仕掛けた匣の中に閉じ込められてしまったのでしょう…。


    たーのしー\(^o^)/←←←


    探偵小説愛好家メンバーの一人が、奇妙な密室状況で殺害された。メンバーの一人であるナイルズは、自分が書いている実名小説の予言が現実になったのではないかと不安を覚えるが…。

  • 章が変わるごとに「これまでの内容は作中の人物が書いた小説でした!」という展開が続くが、どうにも最後でまとめきれてない感じが否めない。いくつかの事件(架空のものも含む)が発生するわけだが、各人が様々な推理を繰り広げるわけで、結局どれが真相だったのかというのがあいまいな部分も多く、モヤモヤした印象が残る。しかし、本書がまっとうなミステリーではなく、アンチミステリーとか奇書と呼ばれる類の作品であるのであれば、それはそれとしてこの作品を十分成立させるものなのかもしれない。肌には合わなかったけど。

  • 何が事実で、何が小説の中の出来事なのか、さっぱり分からなかった。もちろんトリックうんぬんも理解出来ず。
    たぶん、何百回読んでも理解出来なさそう。
    さすがは奇書と呼ばれるだけのことはあるのだろうが、もういいやという気持ちでいっぱいである。

  • 面白い、んだけど途中で気持ち悪くなったり、混乱することがしばしばある。推理合戦は面白く、一人ずつだと読めない長さではないのに、何人も続くとちょっと読むのが苦しくなってくる。もうどれでもいいだろと思えてくる。

    どうせこんなに引っ掻き回すなら、全部小説の話でした~という平和なオチが良かったような気もする。殺人事件モノなのだから当然かもしれないが、読んだ後味が悪い。ギャグすれすれとも言える内容だが、ラスト辺りの雰囲気がシリアス過ぎる。

    P236まではきっちり読んだ。あとは流し読み。またいつか。

  • 好き嫌いわかれそうなお話だけど、個人的には好き。ただひたすらに遊び続けてる。

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