- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061817982
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
あー小説を読んだ!それが感想第一だ。
死生観や宗教の哲学までもが語られ、しかも例えが分かりやすい。去年読んだ「死とは何か」よりよほどわかりやすい。京極堂と言う強烈なヒーローに心底惚れた。
ミステリーから後半のホラーは凄まじく、前半の長々しいくだりが嘘のように、気がつけば残りわずかと言うところでまた語りが入り急停止。と油断したところに急転直下の結末に全てが繋がった!
姑獲鳥とはすごい題材を使ったものだと初の京極氏の小説の虜となった。 -
何度読んでも魅了される。
シリーズ通じて好きになれない関口が、特にこの本では許せないのだけど、それでも時間が空くと読みたくなってしまう。
ただ、いつもラストに少し物足りなさを感じる。
物語は終わっても、関口が消化し切れていないからだろう、次作と併せて本当の一作品、という気がする。 -
とても面白かった。半分読んでもまだ結末全然分からない、こんな本ひさしぶりだった。怪奇的な事柄を理路整然と説明する京極堂、終始翻弄されてる関口君、トリッキーな色男の榎木津など、キャラみんな良かった。
文章力高い。構成も素晴らしい。京極先生頭いい。 -
初読は95年。戦後昭和のレトロな時代設定とか、廃病院とか、引きこもり気味の作家(語り手)と神主で古本屋で憑き物落としとか、美形の探偵と無骨な刑事とか、夥しい古書や目眩を誘う坂とかダチュラとか、そういったディテールにすっかり心を奪われてしまって、トリックなんかは正直どうでも良くなってしまった。
-
初めて読んだ京極夏彦。
発売から二年ほど経った夏。
友人とやってきた書店で「面白い本ない?」と聞いたら「これ、面白いよ!」と勧められて購入したのがこの本だった。姑獲鳥から鉄鼠まで四冊購入。「読み始めたら眠れなくなるよ」と言われて、そんなに面白いのか…と思っていましたが、本当に眠れなくなる夜を過ごしました。
とっても読み辛いし、とっても難しいし、一回だけじゃ理解できない。これってどういうこと?って思うことしばしば。だけど、読み進めるスピードを抑えることができない。
魅力的な登場人物。
マニアック。内容も登場人物もそんな人たちが多い中、唯一登場する『普通の人、どこにでもいるような普通の男、関口巽』が非常に良い味を出している。
螺旋状に渦巻き、張り巡らされる糸のように四方八方に広がった『難解な事件の謎』と『膨大な証拠』が一つになった時、鳥肌が立ちました。
サスペンスドラマでやるようなミステリーでは決してなく、非常にマニアックで陰湿。個人的には『魍魎の匣』が、京極さんの小説の中でダントツ大好きですが、「好きな作家は?」と聞かれて一番に「京極夏彦」と答えるきっかけになった本です。 -
この世に不思議なことなどなにひとつなく――京極夏彦の文章に、無駄な記述などなにひとつないのだよ……。
冒頭の薀蓄を「長いなぁ…」と思いながらも一応、読んでいたのだけれど、そこを読んでいなかったら解決を読んだ後、また冒頭に戻って読み直さなくてはならないところだった。
ただ、長いなぁ…と思ったのは、この話だけで、次の巻以降どんどんそのあたりが自然な流れで語られるようになってくるので、ぐんぐん京極ワールドに引きずり込まれてゆきます。 -
すごく長いけれど、読みだしたら止まらないほど面白かったです。
京極堂の話が専門的で長いのが少し苦痛だったけれど、登場人物も個性豊かで大好きです。
これがデビュー作だなんて信じられないほど素晴らしい作品ですね。
はまってしまいました。シリーズ全部読みたいです。 -
怪奇という幻想を見事に顕現させた作品。人が過去に見てきた怪奇の根元を暴いていく展開には息を呑んでページをめくりつづける他なかった。