魍魎の匣 (講談社ノベルス)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (1995年1月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818125

魍魎の匣 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • あれほどボリュームがあって、濃いストーリーだった「姑獲鳥の夏」が、まるで序章であったかのような、そんな気さえする。
    なんだ?この世界は?まさに、「みっしり」と詰まっている。

    思春期の少女たちの幻想と現実に翻弄されつつ、
    刑事、木場修太郎の匣。
    孤独な若手幻想作家、久保の匣。
    元女優、美波絹子の匣。
    登場人物たちの様々な匣の中をのぞいてゆく感じ。

    物わかりの悪い作家、関口にイライラしつつも、そのおかげで内容を深く理解することができる。
    とぼけていながら核心をつく探偵、榎木津が周りを振り回し、クライマックスに向け、憑き物落としに立ち上がる古本屋、京極堂。
    そして、匣は壊されてゆく・・・

    とにかく物語に入り込みすぎて、その匣を覗いてみたくなったことは、もちろん、危うく、ほんの一瞬だが、その匣に入ってみたい。と思ってしまった。
    かなり、危険である。

    読了後はかなりの達成感。面白かった。

    そして、憑き物落としの京極堂こと中禅寺秋彦に魅せられた。

  • 映画化やアニメ化されるとは、当作を読んだ当時は思いもしませんでした。

    相変わらず、難しい漢字が羅列していて分厚いです。
    前作同様、関くんは榎さんや京極堂に苛められています。
    鳥ちゃんはボケ倒すし漫才のようですよ。
    ただ、鳥ちゃんは案外、抜け目がないですよね。

    当作は、美少女や美女率が高いです。
    だからメディアミックス化されたのでしょう。
    加奈子は口調が榎さんに似ていると思いました。

    気味の悪いシーンが多いです。
    匣の中に美少女が入っていて、それが微笑するんだもん。

    当作の影響で、「みっしり」という言葉を日常的に使うようになりました。
    「みっしり」って、量感のある言葉だよね。

    当作では、五つの事件が発生します。
    一見、連続殺人事件のようで、一つ一つが独立していました。
    それぞれの事件の犯人は違っています。
    順番の入れ違いがあったせいで、事件が複雑化してしまったようです。

    京極堂の踏んだ「マジカル・ステップ」がどんなものか気になります。
    ステップという言葉を使っていますが、陽気な類のものではないでしょうね。

    雨宮がひたすら気味が悪かったです。
    一人だけがハッピー状態じゃないですか。
    匣の中に加奈子を入れて持ち歩くなよ。
    加奈子は死んでいる上、酷い有様なのに。
    加奈子は魅力的な女のコだったので、酷い目に遭って可哀想だと思いました。

    作中、関口が鬱陶しかったです。
    「話が進まないからアンタは大人しくしてくれ」と言いたくなります。
    京極堂や榎さんは嫌いな奴を相手にしなさそうなので、関口苛めは彼等なりの愛情表現かもしれません。

    関くんの小説は売れなさそうだなあ。
    関口の本に対しての京極と鳥ちゃんのやり取りには笑えました。

  • 2002年8月20日読了。以下、過去の日記から抜粋。

    京極堂シリーズ第二弾の再読が漸く完了。
    この作品はシリーズの中でも特に(身内では)人気がある作品で、
    京極ファンならば一度は使ったことがあるはずの「みっしり」
    という(あくまでも狭い範囲での)流行語まで登場した代表作。
    しかし、私が覚えていたことといえば、
    「みっしり」「ほぅ」「筥」「バラバラ殺人」程度。
    だから、これまた新鮮な気持ちで読み返すことができたのである。
    ちょっと情けなくも悲しい話ではあるけれど。

    この物語の中でも京極堂は多くの言葉を語るわけであるが、
    「悲しい生い立ちを負った者が全て犯罪者となるわけではない。
    犯罪を起こす時には必ず何か契機がある」といった内容のことを
    怒鳴るシーンがある。これは小説世界に限ったことではないのね。
    私達は大なり小なり事件が起これば、犯人の情報が公開され、
    その中で結構強引にでも辻褄を合わせようとすることが多々ある。
    それは歴とした犯罪心理学における科学的実証法の一つでもあるけれど、
    素人判断で当人の全てを決めようとするのはやや浅はかではないかと、
    日頃からちょっと気にかかっていたことを京極堂が叫んでくれていた。
    ちょっとびっくりして、ちょっとすっきりした。

  • 京極夏彦は悪魔の憑く天才なのか。
    否、魍魎の憑く天才なのだろう。
    そもそも人間がこんなものを書けるのか。
    キチガイでなければこんな本は
    書けないんじゃないだろうか。
    世にこんな作品があるのならば
    推理小説家を志す者たちは
    絶望するんじゃないだろうか。

    ーーが読んだ第1の感想。
    大衆文学としての1つの集大成をここにみた。

    まず本の厚みもさることながら
    その内容の重厚さ。濃厚さ。
    これだけの長いストーリーながら
    一片の無駄さも感じられない
    ストーリーの組み立ての圧倒的技巧。

    謎解きに約100ページを費やしながらも
    その謎1つ1つの美しいまでの完璧な綿密さ
    そして裏切りと衝撃たるや。

    違和感を感じていた足りないピースを
    1つずつ正確に埋めて構築されていく
    パズルの完成画には多くの衝撃を与えられたが
    中でも個人的に肝を抜かれたのは
    美馬坂近代医学研究所の正体、
    そして何より旧仮名遣いの作中作の全容。

    1ページ目を開けた時点で
    既に京極夏彦が構築した摩天楼の片鱗を
    知らず知らず覗かされていたことに
    読了した後に気づかされる。

    また、ストーリーの展開の静と動の
    使い分けの巧さにも舌を巻く。

    雪崩の様に襲いかかる展開の猛威を断ち切る様な
    随所に見られる余韻を残す幕の切り方。

    魍魎に憑かれていたのは京極夏彦の本を開き
    作者の術中に容易に捉えられていた者達の方なのであろう。

  • 京極さんの作品、
    初めて読みました。

    主要人物たちのやりとり、
    淡々としてるのに、
    くすりと笑ってしまう文体が
    味があって好きです。

    話は哀しいです。
    後半すいすい、
    読むのが止まりませんでした。

  • 前作から2ヶ月後にこの事件・・意外と関口さんタフ。
    同一か関係があると思っていた事件は事件内容としては
    全く別事件だったけど実は元を辿ればやっぱり1つだったという混乱しそうな内容。

    前作に増して重くて衝撃的な内容。

    魍魎は姿形がはっきりしないまやかしみたいなものってことなのかな・・

  • ミステリーとして構築が凄い。未知のものを扱う仕事を分類する部分はそれ自体が読む価値あり

  • 金銭的な利益のために、人を生かし続ける。

    生きると言っても、ただ心臓・その他臓器を動かしているだけ。

    まあ、母親・血縁としては、それでも生きていてほしい思いはあるのかなあとは思うけど。

    時代としては、戦後何年の設定だけど、今、問題になっているような事柄だな。

    函はありえないけど。

  • 【223】

  • 魍も魎もこの作品のためにある言葉だとしか思えない。よくもまあこんなに不気味な話や人間を書けるなあ…。この作家さんの凄いところは話の内容だけでなく人間の不気味さもやめてくれというほど書けるところと文章自体もそれだけで不気味だというところ。多分日本語がわからない外国人がこの本を棒読みで朗読してもらっても不気味さが伝わるんじゃないかと思うくらい。グロテスク、ではなく不気味。(グロテスクな描写が上手い作家は結構いても不気味さをこれだけ醸し出せる作家はあまりいないような気がする)

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