詩的私的ジャック (講談社ノベルス)

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著者 : 森博嗣
  • 講談社 (1997年1月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819412

詩的私的ジャック (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

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  • S&Mシリーズ。
    この題名好き。勢いがあって良い。

    密室殺人がこれでもかというほど立て続けに起こるのに、
    全然それを重要視してなくて、さらっと解かれてしまう。
    重要なのは
    「なぜそんなことをしたのか」ということのみ。

    萌絵ちゃんと犀川先生の心情描写がいい。
    特に
    『「寂しい」という感情は、何故か「寒い」という体感に似ている。人間の精神防衛システムは、メンタルな障害をわかりやすく、フィジカルに表現しようとするものだ。』
    この部分が好き。
    あと、
    『相手の思考を楽観的に期待している状況・・・、これを甘えている、というんだ。いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉でいいなさい。それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない』
    って先生が萌絵ちゃんに言うところ。
    理系のミステリーといわれているけど、こういう部分はものすごく心理的。
    そしてそのまま勢いあまってプロポーズする萌絵ちゃんもいいw

    ミステリーじゃない部分がとてもおもしろかった。
    人間て、難しいね。

  • 今回は萌絵が奮闘する回。犀川は基本現場にいないし(もはや中国行ってたり。)、いつも以上に事件に興味はなさそう。
    だからといって萌絵が頑張って推理する......と行きたいところだけども萌絵の頭の中は実は犀川でいっぱい(笑)
    大好きなんだなぁ、と。現実にいたら萌絵は厄介ものでしかなさそうなものだけども応援してしまう。犀川先生も若干(?)萌絵への接し方も変わってて、ミステリでありつつも、普段とは違う味を楽しめた気がします。
    そして犀川先生の脳内描写が多かった(気がする)。 とても癒されました。
    もちろん、連続殺人はいつも通り奥が深くてページをめくる手が止まらず。寝不足です(笑)

  • “すべてはFになる”から始まるS&M(犀川助教授&萌絵)シリーズ第4作目。

    犀川先生の論理的な思考と、萌絵の図々しいお嬢様らしさを楽しむことができれば
    このシリーズを堪能できると思う。思うのだけど、個人的には萌絵が嫌いで仕方がない。

    それでもついつい読んでしまうのは、やっぱり森博嗣の作品がおもしろいからなんだろうなぁ。


    犯人探しは容易だからそれが主題ではない。
    そして犯人の動機がまたまた理系(といったら失礼かな)で、
    他人を許容することができない個人の心理を、あくまでもひとつのピースとしてトリックを暴く犀川先生の淡白な反応が更に理系。

    犯人の特定や動機を解明することがミステリーの全てではないだなんて、やはり今までにないミステリー作品なんでしょうね。

  • S&Mシリーズ4作目。再読。
    トリックだけでなく、キャラや会話や思考が好き。

  • 「英語で言える?」
    この問いに尽きる。

    萌絵ちゃんに感情移入しすぎて、今回は辛いシーンが多すぎた。
    最大限の譲歩で「大人になったね。」と犀川先生が萌絵ちゃんの事を少しは認めてくれたのだと思うことにしよう。

  • メモ:動機と犯罪の構造が、「冷密」と対の関係になっているような気がした。
    犯人の動機は説明して分かってもらえるものなら初めから殺さない、という言葉に、ホワイダニット型のミステリに対するちくりとした批判精神を感じた。

  • 本作は推理を楽しむというよりは人間描写を楽しみました。
    あとは犀川先生と萌絵のやりとりが良い!
    犀川先生の哲学にも考えさせられることが多いし。

    人間の純粋さはベクトルによってこうも違うものか、と感じました。

  • 何もかもが格好いい一冊。まず今作で特に魅力的なのは、人間の心の推移や変化、感情など人間の内的な部分を、非常に理系的な視点から描いているところ。自己分析の場面が多く、その人間の価値観を基に自己を論理的に定義しようと努める場面や、人間の(もしくは自ら)の心情や思考、感情や感受の仕方に対して、理由や根拠を常に考察しようとする場面が多い。自分にはない発想や、逆にあてはまると思える心理的な考察が登場人物各々なりに整頓されて明確に描かれているため、読んでいて息を呑むフレーズばかりだった。特に今回は、萌絵が20歳前後ならではの悩みや、アイデンティティがモラトリアムにぶつかる場面がリアルに描かれており、天才の多い作品の中で人間味や心の奥深さを味わえる。犀川先生との関係も見どころ。いつの間にか家に行く関係になっていて驚いた。
    トリックも面白い。ダイナミックな装置やあまりに専門的な分野に踏み込んだ前作たちとは異なり、今回は工学部に属する彼らにぴったりの「工学」らしい事件だったので、もちろん分からない知識はたくさんあったが、それでも萌絵の視点に立ってリアルに感じながら楽しんで読み進められる。表面は意味不明なのに蓋を開けてみれば単純、といった推理が本当に面白いし、犯人の動機もわたしは個人的に好きだった。言葉の使い方、表現方法、登場人物たちの独特な個性。すべてが素敵。
    「英語で言える?」はもう秀逸。

  • 「S&M」シリーズ。
    巻き込まれ型の犀川先生は、相変わらず事件に無関心です。
    ハナから自分のペースを崩しません。
    それでも結局は謎を解きますが。

    難しい内容が出てはきますが、当作は比較的俗っぽいです。
    当初、犯人は結城兄かS女子大の藤井のどちらかと思っていました。

    読了して、予想は半分当たりました。
    あれだけ絞り込まれては、アホな私でも分かりますよ。

    真っ白になりたくて殺人を犯したようです。
    そこまで極端に思ったことはありませんが、一からやり直したい気持ちは誰にでもありますよね。

    気になるのは、「篠崎は本当に結城を愛していたのか」ということ。
    流行っているよね、BL。

    萌絵ちゃんは毎度の如く強引です。
    頼みますから、少しは大人しくしてください。
    犀川先生も気を持たせるだけ持たせて、あれはないわ。
    この件に関しては、萌絵に同情してしまいます。

    犀川先生はもどかしくないのかな。
    萌絵はゴリ押ししてきますが、ドギマギするだけで進展ナシ。
    いつも良い雰囲気にはなるんですけどね。
    犀川先生は結婚について考えがあるようなので、女嫌いではないでしょう。

  • 萌絵がちょっとずつ大人になっていってる感じはする。
    動機はこうして文章にされれば分かったような気もするけれど、それこそ「他人に説明できて、理解してもらえるなら、人を殺したりしない」んだろうけれど。                                                                                                 

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詩的私的ジャック (講談社ノベルス)の作品紹介

那古野市内の大学施設で女子大生が立て続けに殺害された。犯行現場はすべて密室。そのうえ、被害者の肌には意味不明の傷痕が残されていた。捜査線上に上がったのはN大学工学部助教授、犀川創平が担任する学生だった。彼の作る曲の歌詞と事件が奇妙に類似していたのだ。犯人はなぜ傷痕を残し、密室に異様に拘るのか?理系女子大生、西之園萌絵が論理的思考で謎に迫る。

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